アジソン病は二次性高血圧の原因疾患に含まれる?

二次性高血圧は、原因疾患が元で高血圧となる疾患です。

その原因疾患には、血圧のコントロールを担っている腎臓に問題が生じる事で二次性高血圧になるものが多い傾向にあります。

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アジソン病は、副腎の機能障害を起こす事で様々な症状を伴いますが、果たして二次性高血圧との関連はあるのか?

今回は、アジソン病と二次性高血圧の関係について解説します!

二次性高血圧とは

二次性高血圧については、別記事でも書いてますので、ここでは簡単に説明します。

二次性高血圧は、その名の通り他の疾患の影響により二次的に引き起こされる高血圧を指します。

代表的な原因疾患には、腎実質生高血圧、腎血管性高血圧、原発生アルドステロン症、クッシング症候群などがあります。

これらは、様々な理由により腎機能が低下してしまう事が大きな原因となります。

今回解説するアジソン病は、副腎皮質の機能低下が主な症状となります。

ここで気になるのは、腎臓と副腎は似ているけど何が違うのか?そして、アジソン病の原因となる副腎の機能低下は二次性高血圧と関係しているのか?

順にみていきましょう!

副腎とは?

腎臓は、腰の上あたりに位置し、左右両側に1つずつあります。その役割は、老廃物の排出血圧や体液量の調節などです。

この腎臓の上に帽子のように乗っかっている臓器が副腎です!

副腎は、表層の「皮質」と深層の「髄質」という部位に分けられます。

その働きは、血圧やストレス、生命維持に不可欠な機能の調整の為のホルモンを分泌し、私達が生きていく上で重要な働きを担っています。

皮質と髄質は、それぞれ特有のホルモンを分泌しています。

副腎皮質ホルモン

副腎皮質ホルモンは、鉱質コルチコイド糖質コルチコイドアンドロゲン(男性ホルモン)の3つがあります。

  • 鉱質コルチコイド

鉱質コルチコイドは、ナトリウム(塩分)を体内に保つ働きがあります。

ナトリウムを体内に保つ事で、体内の塩分濃度を一定量に調整する浸透圧と呼ばれる機能が働きます。

これにより、体内の塩分濃度が濃い時は、それを薄める為に水分量を増やし、逆に塩分濃度が低い時には水分量を減らします。

この機構により、体内の血液量を調整して血圧のコントロールを行なっています。

  • 糖質コルチコイド

糖質コルチコイドは、筋肉内に蓄積されているアミノ酸や肝臓に蓄積されているグリコーゲンを分解する事でブドウ糖を作り出し(糖新生)、低血糖を防ぐ働きがあります。

また、糖質コルチコイドにはコルチゾールといって炎症を抑える作用のあるホルモンがあり、これはステロイドホルモンに含まれています。

副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンの一種なのですが、糖質コルチコイドは、その代表格です。

ステロイドと聞くと、皮膚炎や痛み、腫れなどの炎症を抑えるのに薬として使用した事がある人も多いのではないでしょうか?

実は、ステロイド薬は、抗炎症作用のある副腎皮質ホルモンを人工的に作って薬にしたものです。

ステロイドホルモンには、副腎皮質ホルモンの他、男性ホルモンや女性ホルモンも含みます。

  • アンドロゲン(男性ホルモン)

男性ホルモンであるアンドロゲンは、95%精巣で分泌されますが、残りの5%が副腎で分泌されます。

アンドロゲンの作用は、体毛の増加や脱毛などです。

女性は、ストレスにより女性ホルモンが減少し、逆にアンドロゲンの分泌が増える関係で、体毛が増加してしまう事があります。

副腎髄質ホルモン

副腎髄質ホルモンには、カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)があり、交感神経に作用して血管の収縮や心拍数の上昇などの作用があります。

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アジソン病とは

副腎皮質ホルモンの分泌が慢性的に低下した状態を慢性副腎皮質機能低下症と呼び、副腎皮質自体の病変による原発性と下垂体からの副腎皮質刺激ホルモンの分泌量減少による続発性があります。

このうちアジソン病は、副腎の病変が慢性的に経過した状態を指します。

アジソン病の原因

アジソン病の原因は、結核や自己免疫によるものが多いと言われています。これらにより、両側の副腎の90%以上が侵されると、アジソン病を発症します。

アジソン病の症状

アジソン病の症状は、鉱質コルチコイドと糖質コルチコイドの欠損により、様々な症状を伴います。

主なものには、色黒、倦怠感、脱力感、体重減少、胃腸症状(食欲不振、便秘、下痢)、低血圧、低血糖などがあげられます。

また精神症状(不安、集中力の低下など)も認められます。

アジソン病の治療

アジソン病の治療は、不足しているステロイドホルモンを補充する事です。

先述したように、副腎皮質ホルモンは水分・塩分濃度の調整や糖分の生成などの役割がある為、アジソン病によりこれらに必要なホルモンが不足すると生命にもかかわる為、治療は重要です。

また、副腎機能の回復は困難である為、生涯にわたってホルモンの補充が必要になります。

アジソン病と二次性高血圧

鉱質コルチコイドは、先述したようにナトリウムを体内に保つ役割があります。

ナトリウムは水分と結合しやすい性質がある為、ナトリウムを体内に保つ事で体内の水分量も増え、結果、血液量が増えて血圧は上昇します。

これにより、低血圧となった時に血圧を上昇させることができるのですが、アジソン病によって鉱質コルチコイドが欠損すると、ナトリウムの再吸収が抑制されて低ナトリウム血症となります。

すなわち、体内の血液量が減少し、低血圧をまねきます。

結論!

低ナトリウム血症となるアジソン病は、低血圧を伴う為、二次性高血圧の原因疾患には含まれません!

まとめ

アジソン病は、副腎の病変により、体内にナトリウムを保つために必要なステロイドホルモンが欠乏する慢性副腎皮質低下症です。

これにより、血液量を増やす事ができず、低血圧を伴います。

従って、二次性高血圧とは真逆で、血圧は低くなる傾向があります!

こちらの記事もご覧ください。

二次性高血圧の治療で大事な事とは!?

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