【要注意】その咳、降圧剤の副作用かもしれません!

咳は、風邪を引いた時やだなどに体の中の異物を排出するための防御反応です。

本来であれば、必要な生理現象なので問題ありませんが、中には降圧剤の副作用で咳が出る事があります。

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副作用の咳は、慢性化すると体にある負担をかける場合もある為、注意が必要です!

そこで今回は、降圧剤の副作用で咳が発生する仕組みと特徴について解説します!

咳の役割

誰でも風邪を引いた時や日常生活の中で「ゴホ、ゴホ」と咳をする事はあると思います。

場合によっては苦しくて辛い時もありますが、咳は私達の体を守る為に必要不可欠な反応なんです!

まずは、正常なについて解説します!

異物を追い出す咳

喉には、空気の通り道である気道と食物の通り道である食道の2つの通り道があります。

私達が吸った空気は、気道を通って肺に送り込まれています。

呼吸は、基本的には24時間休む事なく行われている為、常に通路は開いた状態になっています。

しかし、食事が喉を通る時には、気道は塞がれて食道への道が開き、食道を通って胃に食物が送り込まれます。

このように、気道と食道は電車のレールの様に状況に応じて切り替える事で、気道に食物(異物)が入り込むのを防いでいます

しかし、何かの拍子で気道に異物が入ってきた場合は、それを阻止しなければなりません!

この役割を担っているのが、咳なんです!

咳は、気道に入ってきた食物やほこり、ウィルスなどの異物を体の外に排出する為の防御反応になります!

咳の仕組み

ここで、咳が生じる仕組みについて説明します。

ホコリや動物の毛などの異物は、ふわふわと漂いながら私達の体の中に侵入してきます。

その異物が気道まで到着すると、気道の粘膜にあるセンサーがそれを感知して脳の咳中枢(延髄)に伝えます。

侵入者の報告を受けた脳は、横隔膜や肋間筋など呼吸をする筋肉に情報を下ろして侵入者の排除を命じます。

これによって生じるのが、咳です。

また、咳と一緒に痰が出てくる事がありますが、痰は異物を絡め取った塊です。

クイックルワイパーみたいな感じですかね?

また、よくおじさんが「カーッ!ペッ!」と勢いよく痰を出していますが、あれも体を守っている結果です(笑)

このような咳の作用によって、体は守られているわけです!

しかし!

高齢になると、筋力や体力が低下して咳が出にくくなり、結果として肺に異物が侵入してまい、非常事態がおきます。

これが肺炎です。

厚生労働省が発表した「死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対) 」によると、平成28年の死因の3位が肺炎です。

それだけ肺炎は怖い病気という事ですね。

降圧剤の副作用の咳の特徴

咳が異物排除の為の防御反応(反射)である事は分かっていただけたかと思いますが、降圧剤の副作用で現れる咳とは何が違うのでしょうか?

降圧剤とは、そのままの意味で血圧を下げる薬です。

その降圧剤には、いくつかの種類があるのですが、咳が副作用で現れる降圧剤は一つです。

それは「ACE阻害薬」です。

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ACE阻害薬

ACE阻害薬は、アンジオテンシンIIという血圧上昇の作用がある物質を作る役割のある「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」の働きを阻害する降圧剤です。

これによって、血圧を上げるアンジオテンシンIIが作られなくなるわけですから、結果的に血圧を下げる事になります。

ただ、同時に「ブラジキニン」という物質の分解も阻害してしまい、結果として体内に蓄積する形になります。

ブラジキニンは、血管拡張や炎症性の浮腫を起こす働きがあります。

しかし、ACE阻害薬の作用によってブラジキニンが体内に異常に蓄積すると、気道を刺激して咳を生じるようになります。

咳は本来、異物を排除する為に痰を排出しますが、ACE阻害薬の副作用で生じる咳は、痰が絡まない咳である空咳が特徴です。

ACE阻害薬を服用した20〜30%の人に空咳が生じると言われています。

ACE阻害薬には、以下の種類があります。

  • カプトプリル(商品の名前:カプトプリル、カプトプリルR)
  • エナラプリルマレイン塩酸(商品の名前:レニベース)
  • アラセプリル(商品の名前:セタプリル)
  • リシノプリル水和物(商品の名前:ゼストリル、ロンゲス)
  • イミダプリル塩酸塩(商品の名前:タナトリル)
  • テモカプリル塩酸塩(商品の名前:エースコール)
  • ペリンドプリルエルブミン(商品の名前:コバシル)

上記の降圧剤を服用し始めてから空咳が出るようになったら、それは薬の副作用かもしれません。

副作用の咳は悪者か!?

実は、降圧剤(ACE阻害薬)の副作用で生じる咳は、高齢者の誤嚥性肺炎を防止するとの報告もあります。

先述したように、高齢になると防御反応としての咳が出にくくなり、肺炎を起こしやすくなります。ACE阻害薬の副作用で生じる咳は、それを補助するような働きにもなるわけです。

副作用が逆に良い影響を与える事もあるんですね。

ですが、そう単純でもありません!!

持続的な咳は、喉を痛めたり、睡眠障害や食事の妨げになる事や場合によっては肺の障害に繋がる恐れがあります!

それに人の目も気になってしまいますからね。

ただ降圧剤の副作用による咳は、数日から数週間で治るとも言われています。

なんにせよ、体や日常生活に支障が出る事は確かですから、降圧剤を服用してから咳が出るようになったら、担当医に相談しましょう。

まとめ

咳は、体の中(気道)に入ってきた異物(ほこり、ウィルス、煙など)を痰に絡ませて体外に排出する事で体を守る防御反応です。

しかし、降圧剤の一種であるACE阻害薬の副作用でも咳が生じます。

その理由は、ACE阻害薬の作用によってブラジキニンの分解作用が阻害される事にあります。

これによってブラジキニンが体内に蓄積し、喉を刺激することで、痰の出ない空咳が生じます。

空咳は、日常生活に支障を来す場合がある為、降圧剤を飲み始めて空咳が出始めたら、副作用を疑って医師に相談しましょう!

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