後頭部の頭痛や吐き気は降圧剤の影響なのか!?

高血圧は、サイレンキラーと呼ばれるなど自覚症状がないケースが多いのですが、降圧剤を飲むと副作用で様々な症状が現れる事があります。

今回は、降圧剤の副作用の中の頭痛や吐き気について解説していきたいと思います。

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頭痛も吐き気も日常的にみられやすい症状ですから、降圧剤の影響とは気付かない場合があるかもしれません。

要チェックです!

降圧剤と頭痛

降圧剤の種類は様々ですが、頭痛が副作用にあるのは「カルシウム拮抗薬」という降圧剤です。

血液は、血管の周りに付着している平滑筋の収縮によるポンプ作用によって血管内を流れていきます。

この平滑筋が働くには、カルシウムイオンという物質が必要になります。

カルシウム拮抗薬は、カルシウムイオンが平滑筋の細胞内に入るのを防ぐ事で血管を拡げて血圧を下げる降圧剤です。

しかし、この血管の拡張作用により、顔や頭の感覚を司っている神経(三叉神経)が圧迫を受けると、痛みの元になる脳内物質が発生します。

すると、これが脳に痛み信号として伝達されて頭痛を伴います。

また、三叉神経の中枢と嘔吐の中枢は、大脳の下にある延髄と呼ばれる場所にあります。

その為、痛み刺激の情報が脳に伝わる過程で、嘔吐中枢も刺激を受けます。

結果として、頭痛と吐き気が同時に表れることもあります。

降圧剤による頭痛は、薬の飲み始めや変更時、増量時に特に現れやすくなります。

降圧剤と吐き気

吐き気は、降圧剤の様々な副作用が引き金となって生じます。

以下に紹介していきます。

起立性低血圧

起立性低血圧とは、立ち上がりなど頭を低い位置から急に高い位置に移動した際に血圧が低下してめまいが起こります。

これは、頭部の位置が急に高くなった際、下肢に溜まった血液が体位変動のスピードに追いつけず、心臓や脳への血液量が減少することで生じます。

ですが、血管には血圧変動を感知する受容器があり、感知した情報は、脳に伝えられて自律神経(交感神経)を働かせて血圧を上昇させます。

本来であれば、この働きによりめまいは生じません。

しかし、動脈硬化や低血圧などによって受容器の感知機能が低下すると、血圧をうまく調整できず、めまいや吐き気を生じます。

起立性低血圧が副作用にある降圧剤は、利尿剤とα遮断薬です。これらの副作用によって血圧が下がり過ぎる事が吐き気の引き金となります。

低カリウム血症

低カリウム血症とは、何かしらの原因によって血中のカリウム濃度が低下した状態を言います。

カリウムの働きは、体内の塩分濃度の調整や余ったナトリウムの排出によって血圧を調整します。

また、筋肉の収縮や神経伝達を助ける役割もあります。その為、低カリウム血症を起こすと、胃や腸などの働きが悪くなり、消化器系の働きが低下する事で吐き気が現れます。

その他にも高血圧や不整脈、筋力低下、便秘、重度になると四肢麻痺や呼吸筋麻痺、自律神経失調や腸閉塞を生じます。

低カリウム血症が副作用にある降圧剤は、ACE阻害薬です。

また、ACE阻害薬にはめまいや低血圧の副作用がある為、吐き気が併発する可能性があります。

後頭部の頭痛

降圧剤の副作用で後頭部に頭痛は現れるのでしょうか?

まずは、後頭部に頭痛が起きる仕組みについて解説します。

頭痛が後頭部に起きる原因は以下の通りです。

緊張型頭痛

スマホやパソコン操作の時など、猫背の姿勢が長時間続くと後頭部から肩にかけての筋肉の緊張が高くなって硬くなります。

そして、硬くなった筋肉が周囲の血管を圧迫して血行が悪くなり、疲労物質が停滞して後頭部に頭痛を生じます。

また、精神的なストレスからも筋肉が硬くなったり姿勢が悪くなる為、緊張型頭痛を生じやすくなります。

片頭痛

後頭部に頭痛が生じる原因として片頭痛も関係しています。

片頭痛は血管が拡張した時に周囲の神経を圧迫する事で頭痛が現れ、こめかみ付近にズキンズキンと脈動に合わせて痛みが生じます。

この片頭痛の痛みが拡がって後頭部に痛みが生じます。

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後頭神経痛

後頭部には3つの神経が通っており

  • 後頭部から頭頂部(大後頭神経)
  • 後頭部から頭の外側(小後頭神経)
  • 後頭部から耳の後ろ(耳介神経)

を走っています。

これらの神経は、皮膚の表面から頭を支える首の筋肉の中を通って走行しています。

その為、姿勢不良で首や肩の筋肉が硬くなって圧迫を受ける事で後頭部に頭痛が生じます。

別名「スマホ症候群」とも呼ばれており、下を向く姿勢が長時間または頻回に続く事が主な原因と考えられています。

その他にも首の骨の変形や感染でも後頭神経痛を生じます。

また、車の事故などで首に衝撃が加わった際、鞭打ちになる事がありますが、この時の後頭部の痛みの原因も後頭神経痛によるものです。

くも膜下出血

脳は、外から硬膜・くも膜・軟膜の3つの膜で覆われています。

くも膜と軟膜の間には脳脊髄液と呼ばる液体があり、脳は液体の中で浮いている状態になっています。

くも膜下出血は、くも膜の下に出血が起きて脳脊髄液に血液が浸出する事で周囲の痛み受容器を刺激して頭痛が生じます。

脳動脈瘤という血管にできた瘤が破裂することが主な原因です。

動脈瘤は後頭部にできやすい為、くも膜下出血による頭痛は後頭部に多く出現します!

脳の底には、首や脊椎など体から上がってきたたくさんの動脈が輪状になって集まっている場所があり、これを「ウィリス動脈輪」と言います。

この集合体から脳の前・中央・後ろなど各所に動脈が伸びていきます。

この脳動脈の集合体の中でも、脳の底や後頭部に伸びる部分に枝分かれする箇所が多くなっているのですが、動脈瘤はこういった枝分かれする動脈にできやすいと言われているんです。

つまり、後頭部や脳底に伸びる血管に動脈瘤ができやすくなる為、くも膜下出血を発症すると後頭部に頭痛が起きやすくなるわけです。

くも膜下出血の頭痛はバットで殴られたような激しい痛みを伴い、その場に倒れこんだり場合によっては意識を失う事もあります。

意識を失わずとも激しい痛みや嘔吐、麻痺などを併発する場合もありますので、こういった症状が現れた際はすぐに病院で治療を受けて下さい。

降圧剤でも後頭部の頭痛は起こる

先述したように、副作用で頭痛が起きる降圧剤にはカルシウム拮抗薬があります。

その作用は局所的なものではなく、全身の血管を拡張しますので、後頭部の頭痛が必ず生じるわけではありません。

ただ、広範囲にわたって血管を拡張させる事から、後頭部の血管が拡張して近くの神経を圧迫してしまい、頭痛が生じる事も十分に考えられます。

スマホ見過ぎな人や下を向く姿勢を多くとる人で後頭部に頭痛が現れたら「緊張型頭痛や後頭神経痛」が疑われます。

後頭部にバットで殴られたような激痛が走った場合は「くも膜下出血」の可能性が高いです。

そして、降圧剤を飲み始めてから後頭部に頭痛が現れたら、それは降圧剤の副作用が原因かもしれません。

降圧剤の影響で頭痛が生じた場合は、期間が経つと緩和されるようですが、気になる場合は担当医に相談すると良いでしょう。

降圧剤に関連した記事を書くときは、毎回言っている事なのですが、薬は対症療法でしかない為、高血圧を引き起こしている根本的な原因の解決にはなりません!

また、血圧を下げる身体の仕組みそのものが低下している状態で、降圧剤で血圧を下げれば負担(副作用)が生じるのも当然です。

ですから、運動習慣をつける、食生活を見直すなど生活習慣の改善を図り、できるだけ薬に頼らない体作りを徹底しましょう!

まとめ

頭痛が生じる降圧剤は、カルシウム拮抗薬があります。これは、血管の拡張作用により、脳神経を圧迫してしまう事で生じます。

また、血管の拡張が後頭部にも影響する為、後頭部の頭痛が生じる事もあります。

吐き気が生じる降圧剤は、ACE阻害薬と利尿剤、α遮断薬があります。これらの副作用にある起立性低血圧や低カリウム血症が吐き気を伴う引き金となります。

いずれにしても、血圧を下げる身体の仕組みそのものが低下している状態の中、薬に頼りすぎるのは副作用の影響を高めてしまいますから、できるだけ薬に頼らない体作りを意識しましょう!

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