緊急時の高血圧には点滴で降圧剤を!?その特徴と種類について解説!

高血圧となった時に処方を受ける降圧剤というと、口から飲んで効かせるイメージがありますよね?

ですが、状態によっては点滴で降圧を図る事もあるんです。

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それぞれ、同じ降圧剤ではあるも点滴と経口薬にはある特徴があります!

そこで今回は、点滴に使用される降圧剤の特徴と種類、名前について解説していきます!

点滴とは

まずは、点滴について解説していきますね。

点滴はテレビドラマなどでも登場する事がありますから、イメージが湧きやすい人も多いのではないでしょうか?

点滴とは、ボトルやバックに吊るした薬剤を直接血管に投与する事をいいます。

経口摂取の場合、体内に入った食物や薬は、まず食道から胃に運ばれて消化された後に腸で吸収されます。

そして肝臓に運ばれて代謝された後、血液中を流れて患部に届けられて効果が現れます。

点滴は、胃・腸・肝臓で行う消化・吸収・代謝の過程を飛び越して直接血液中に入る為、効果が早く現れるという特徴があります。

点滴の目的

点滴の目的は、輸血・輸液(水分や電解質)を血液中に投与する事で体調の改善を図ります。

主に、緊急性を要する場合や状態不良などで経口摂取が困難な場合に使用されます。

点滴の特徴としては、ゆっくりと薬剤を投与する事で、副作用を抑えて体への負担を軽減します。

また、持続的に薬剤を投与できる事で、薬の効果を途絶えさせる事なく、持続した効果を得る事ができます。

この点滴の種類の中に、血圧を下げる効果のある降圧剤もあるのでこれから紹介していきます!

降圧剤の種類は6種類

カルシウム拮抗薬

カルシウム拮抗薬の特徴は、細胞内にカルシウムイオンが入るの防ぐ事にあります。

これによって、血管を収縮させる平滑筋の働きを抑えて血管を拡げ、血圧を下げる降圧剤です。

薬の名前は以下の通りです。

  • アムロジピンベシル酸塩(商品の名前:ノルバスク、アムロジン)
  • エニホジピン塩酸塩エタノール付加物(商品の名前:ランデル)
  • シルニジピン(商品の名前:アテレック)
  • ニカルジピン塩酸塩(商品の名前:ペルジピン、ペルジピンLA)

などがあります。

これらは「ジヒドロピリジン系」と言われ、カルシウムイオンの働きを抑えて血管を拡げる作用が強く、降圧効果が高いのが特徴です。

ジルチアゼム塩酸塩(商品の名前:ヘルベッサー、ヘルベッサーR)
ベラパミル塩酸塩(商品の名前:ワソラン)

これらは、「非ジヒドロピリジン系」と言われ、血管を拡げる作用の他、心臓の働きを抑えたり、刺激の伝導を抑える作用があります。

「ジヒドロピリジン系」と比較すると、降圧効果は低くなります。

ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)

ARBは、「アンジオテンシンII」という血管を収縮させる物質の働きを抑えて血圧を下げる降圧剤です。

薬の名前は以下の通りです。

  • ロサルタンカリウム(商品の名前:ニューロタン)
  • バルサルタン(商品の名前:ディオパン)
  • テルミサルタン(商品の名前:ミカルディス)

などがあります。

ACE阻害薬

ACE阻害薬は、「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」というアンジオテンシンIIを作る物質の働きを阻害する作用のある降圧剤です。

これによって、血圧を上げるアンジオテンシンIIが作られるのを防いで血圧を下げるという特徴があります。

薬の名前は以下の通りです。

カプトプリル(商品の名前:カプトプリル、カプトプリルR)
エナラプリルマレイン塩酸(商品の名前:レニベース)
アラセプリル(商品の名前:セタプリル)

などがあります。

利尿薬

利尿薬は、利尿作用によって体内の水分と塩分を排出して血圧を下げる降圧剤です。

薬の名前は以下の通りです。

  • ヒドロクロロチアジド(商品の名前:ニュートライド)
  • トリクロルメチアジド(商品の名前:フルイトラン)
  • フロセミド(商品の名前:ラシックス)

β遮断薬・α遮断薬

これらは、カテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質が、受け皿であるβ受容体とα受容体に結合するのを防ぐ事で血圧を下げる降圧剤です。

β受容体は心臓に、α受容体は血管に存在しています。

β遮断薬は、インデラル、セロケン、テノーミンなどがあり、α遮断薬は、ミニプレス、カルデナリンがあります。

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カルシウム拮抗薬の特徴

この6つの降圧剤の種類のうち、点滴に使用されるのはカルシウム拮抗薬です。

その理由は

  • 降圧効果が高い
  • 血管に直接作用し、血圧を下げる事に特化
  • 副作用が少ない
  • 効果の持続性が長い

などが挙げられます。

カルシウム拮抗薬の種類によって持続性などが変わってきますが、概ね上記の特徴が当てはまります。

カルシウム拮抗薬は、一番最初の降圧剤として使われる事が多く、血圧の調整に最も多く使用されている薬であり、他の降圧剤と比較しても高い降圧効果が期待できます。

点滴に使用される降圧剤

高血圧に対して点滴で投与される降圧剤は2種類あります。

ペルジピン

1つ目は、先述したカルシウム拮抗薬の種類のうちの「ペルジピン」という名前の降圧剤です。

その特徴は

  • 即効性に優れている。
  • 作用時間が短い
  • 脳の血管や心臓に栄養を送る冠動脈を拡げる効果が高い。

が挙げられます。

ですが、即効性は良いとしても作用時間は長い方が良いような気がしませんか?

実は「点滴として投与される降圧剤」と「経口薬として服用する降圧剤」は、どちらも降圧を目的としていますが、高血圧を起こしている原因によって方法が異なります。

例えばベルジピンはその特徴から、高血圧緊急症や脳卒中などの病気の発症後など血圧調整に緊急を要する場合に使用される降圧剤です。

高血圧緊急症とは、血圧の著しい上昇により、脳・心・腎などの臓器障害をきたすか、それが進行しつつある状態の事をいいます。

つまり、いつ脳出血や腎障害を発症してもおかしくないような状態です。多くの場合、血圧が220/130mmHg以上のことが多く、緊急かつ適正な降圧が必要となります。

従って、上記の対象の場合は降圧剤の効き目や容態の細かなチェックが必要になります。

ですから、即効性と短い効果という特徴のあるペルジピンは、血圧を細かく調整して状態の安定を図る為に適しているのです。

反対に、本態性高血圧(病気が原因ではない高血圧)など緊急性のない高血圧の場合は、効果時間の長い降圧剤でゆっくり血圧調整を図ります。

ミスリロール

2つ目は、ミスリロールという名前の降圧剤です。

ミスリロールは、硝酸薬(しょうさんやく)の一種です。

硝酸薬とは、血管拡張薬の一種で、代謝物である一酸化炭素(NO)が血管を収縮させる平滑筋への作用によって血管拡張を促す薬の事です。

その特徴は

  • 冠動脈(心臓に酸素や栄養を送る動脈)を拡張させて不安定狭心症に作用
  • 末梢静脈の拡張で急性心不全に作用
  • 動脈拡張によって降圧に作用

が挙げられます。

まとめ

点滴は、ボトルやバックに吊るした薬剤を直接血管に投与する事で状態の管理を図る事をいいます。

点滴の特徴は

  • ゆっくりと薬剤を投与する事で副作用を抑えられる
  • 持続的効果を得られる。

が挙げられます。

高血圧の改善を目的として点滴に使用される降圧剤の種類は、カルシウム拮抗薬です。

その特徴は

  • 降圧効果が高い
  • 血管に直接作用し、血圧を下げる事に特化
  • 副作用が少ない
  • 効果の持続性が長い

が挙げられます。

点滴に使用されるカルシウム拮抗薬の薬剤の名前は、ベルジピンです。

特徴は

  • 即効性に優れている。
  • 作用時間が短い。
  • 脳の血管や心臓に栄養を送る冠動脈を拡げる効果が高い。

が挙げられます。

点滴は、降圧の緊急性の高い疾患(高血圧緊急症や脳卒中など)を発症した際に適応となります。反対に、緊急性の低い高血圧(本態性高血圧)の場合は、経口薬でゆっくり降圧を図ります。

また、ミスリロールという名前の薬にも降圧作用がありますが、この薬は急性心不全や不安定狭心症など心臓疾患に主に作用する薬です。

こちらの記事もご覧ください。

高血圧を理解する!~本態性高血圧と二次性高血圧の違いは?~

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