脳内出血を発症した後『後遺症なし』まで回復する確率は?

日本人の死因の上位にある脳卒中。

脳内出血は脳卒中の一種ですが、重度な後遺症や寝たきりにもなる怖い病気です。

脳内出血を発症した場合、後遺症が残る確率が高いのですが「後遺症なし」まで回復する確率はどれくらいなのでしょうか?

そこで今回は、脳内出血を発症した際『後遺症なし』まで回復する確率について、実体験も交えて解説します!

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脳内出血「後遺症なし」まで回復する確率は若年者ほど高い

みやっち
こんにちは!現役作業療法士(リハビリのプロ)のみやっち(@miyabro2)です

今回の記事では、後遺症が残る可能性の高い脳内出血で『後遺症なし』の確率について解説していきます。

脳内出血は脳の中で血管が破けて出血を起こし、脳細胞が損傷する病気です。

脳内出血に限らず、入院が必要になるほどの脳卒中を発症した場合、初期の頃は麻痺や感覚障害などが現れます

その理由は、一度死んだ脳細胞は元に戻らないからです。

それでも、リハビリを行うことで死んでしまった周囲の神経が活性化するため、機能が回復する可能性は十分にあります。

ですが、死んでしまった脳細胞は回復しないことに加え、発症年齢によって回復の程度は大きく左右される為、後遺症が残ることが多いのが事実。

脳卒中に関する留意事項 – 厚生労働省」によると、40歳以下の脳卒中発症者で約4割の人が完全自立まで回復しています。

それに対し、65歳以上の発症では完全自立するまで回復する人は約2割程度まで減っています。

若い世代になるほど「後遺症なし」に近い状態まで回復する可能性がある事が分かります。

反対に、発症年齢が高くなるほど後遺症が残る可能性が高くなるという事です。

実際に僕がリハビリを担当している利用者さんの年齢は60〜80歳の方が多いですが、年齢が高い方ほど麻痺の程度が強く、硬まっている傾向があります。

以前、趣味で通っていたボクシングジムの会長さん(60歳代)が軽い脳卒中を発症したと話していました。

側から見た限りでは、目立った後遺症は見られず、日常では車の運転もしていました。

でも以前同様に軽快に走ったり、キレのあるジャブを打つ事は難しくなっていたと言っていました。

脳内出血(脳卒中)は後遺症が残る確率は高いが、若年者ほど「後遺症なし」まで回復する確率が高い!

出血の量でも「後遺症なし」の確率が変わる

脳内出血に伴う出血の量も「後遺症なし」に近い状態まで回復できるかどうか大きく影響してきます。

回復期機能予後からみた被殻出血 314 例の急性期治療方針の検討

この論文では、脳内出血の中でも発症率の高い被殻出血の患者を対象に、退院時の自立度を調査しています。

以下は、血腫量(出血の程度)に伴う自立度の確率を表にしたものです。

血腫量人数確率
20㎖以下107人中48人約49%
20~39㎖100人中22人約22%
40~59㎖48人中6人約13%
60~79㎖40人中2人約5%
80㎖以上19人中0人0%

結果は、血腫量が少ない程、退院時の自立度が高いという結果となりました。

つまり、脳内出血が軽度であれば、自立度は高くなるという事ですね。

トータルで見ると、314人中78人が自立で屋外歩行ができるまでに回復しています。

その確率は約25%です。

反対に、後遺症が残り自立度が低下した人は残りの約75%です。

これらの数値だけをみると、脳内出血(被殻出血)を起こした人のうち、屋外を自立歩行できるようになった人は3割にも満たないという結果となりました。

しかし、この結果は必ずしも

屋外歩行の自立 = 後遺症なし

ではありません!

というのも、一人で外を歩けたとしても下肢装具を必要としているかもしれないからです。

半身麻痺を患っている人が、杖や装具を使用して一人で歩いているのを見かけた事ありませんか?

僕がリハビリを担当している脳卒中の利用者さんで装具・杖を必要としない方は、1割ほどしかいません。

それ程、脳の病気による後遺症は深刻なものなんです。

脳内出血を発症後、屋外での自立歩行が可能になるのは全体の30%以下

将来、脳卒中(脳内出血含む)を発症する確率が分かる!?

実は、将来脳内出血を含む脳卒中を発症する確率を調べることができる計算方法があります。

下記の算出方法は「日本生活習慣病予防協会」のホームページに掲載されているものです。

一度試しに計算してみて、自分が脳卒中を発症する確率を調べてみてはいかがでしょうか。

一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 より引用

生活習慣病は脳内出血の確率を高める

先述した算出方法の項目でも挙げられているように、以下の項目は脳内出血のリスクを高める重要な要素となっています。

  • 血圧
  • 肥満
  • 喫煙
  • 糖尿病

中でも際立って点数の高いのが「血圧」

最高血圧が140/90mmHgで、降圧剤を服用している場合、それだけで19点の加算となります。

確率で表すと「約2〜3%」発症の確率が高まる事になります!

それだけ血圧というのは、脳内出血リスクの重要な指標になるんです。

今回解説している脳内出血は脳内の血管が破れる脳の病気です。

つまり、高血圧が続けば血管への圧が強まり、圧に耐えられなくなった時に破れてしまうというわけです。

ちなみに、高血圧が脳内出血の発症に直結している割合は約8割を占めます!

更に、高血圧は生活習慣が大きく関与していると言われている事からも、意識1つで防げる確率はグッと高くなります!

生活習慣病が脳内出血はじめ心臓病やがんの発症の確率を高める事は、こちらの記事でも解説しています。

生活習慣が三大成人病を招く!?その理由と予防方法はこちら!

2017.03.22

高血圧が脳内出血発症の確率を高める理由

先述したように、高血圧が慢性化すると脳血管には強い圧がかかり続けて変性して脆くなります。

血管は元々柔軟性に富んでいるのですが、負担がかかり続けると硬くなってしまうんです。

ワンピースという漫画で、ゴム人間になった主人公のルフィを例に出してみます。

作中、体内の血流を意図的に速くする事で、俊敏に動けるようになる必殺技があります。

これは、血管もゴムで出来ているルフィだからこそ、過度な血流(高血圧)に耐えられる為なんです。

普通の人間なら血管爆発してますね(笑)

つまり、血管が硬くなると圧に耐えなれなくなって破けてしまい、脳内出血を発症しやすくなるという話です。

また、脳内出血は比較的細い血管に起こりやすく、被殻や視床といった脳の深部に起こる確率が高くなります。

脳内出血は冬に発症の確率が高くなる

脳卒中には脳内出血の他にも種類があるのですが、それぞれ発症しやすい時期があります。

脳血管が詰まるタイプの脳梗塞は、水分不足で血流が悪くなりやすい夏場に確率が高くなります。

脳血管が破れるタイプの脳内出血(脳出血、くも膜下出血)は、血管が収縮しやすい冬場に確率が高くなります。

高血圧を放っておくと脳内出血の発症の確率アップ

脳内出血は、高血圧の人が発症する確率が高いのですが、特に治療が不十分な場合に生じやすいんです!

要は、血圧が高くなっても放置してる人ですね。

また、仕事中や運動時などの日中活動時に突然発症し、数分〜数時間で急速に増悪します。

そして、脳内出血発症後

6時間以内

は出血が拡大する危険が高くなります!

ですから、症状が現れた時は、早急に病院に行かないと重い後遺症が残る確率が高くなります。

脳内出血「後遺症なし」の確率を高める為に効果的なのは予防!

様々な調査結果や僕のこれまでの経験から見ても、脳内出血を発症すると目に見える後遺症が残る可能性が高いのが事実です。

その為、「後遺症なし」の確率を高める為に必要なのは予防です。

特に高血圧などの生活習慣病は発症リスクをダイレクトに高めていくので、未然に防ぐという意識づけを持っていきましょう!

高血圧の改善に関しては、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。

【必見】高血圧の予防・対策で必要な2つのポイントとは!?

2019.09.05

まとめ

脳内出血は、脳内の血管が破けて血管外に血液が漏れ出して脳に様々な悪影響を及ぼします。

その原因の約8割が高血圧です。

そして、ある病院で調査した論文によると、脳内出血を発症して後遺症が「なし」に近いほど回復する確率は約25%で、残りの約75%は後遺症により日常生活に支障を来すことになります。

しかし注意したいのは、25%の中の人たちは、あくまでも「後遺症がなしに近い」という事!

つまり、自立度は高くても何かしらの後遺症が残っている可能性はあるかもしれません。

脳内出血を起こしたら、後遺症はまず残ると思っておいた方が良いです。

ですから、発症そのものを未然に防ぐ事が重要です!

ただし、高血圧の人が運動をする場合は注意しなければいけないこともある為、こちらの記事を参考にして下さい。

高血圧での運動のリスクと5つの注意点とは!?

2019.07.01
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