脳幹出血の予後予測について解説!!

脳幹は、呼吸や心臓の動き、体温調整など生きて行く上で必要不可欠な機能の中枢部です。

脳幹出血によってこれらの働きが低下すると、重度の後遺症を伴い、最悪の場合死に至る事もあります。ですから脳幹出血を起こすと、予後が悪いと言われています。

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そこで今回は、脳幹出血の予後予測について解説していきます!

脳幹出血の予後予測【予後不良な理由】

脳幹出血は、脳卒中の三大脳疾患である脳出血(他に脳梗塞、くも膜下出血があります)の一種です。高血圧が主たる原因として、大脳の下にある脳幹に出血が起こり、様々な後遺症を伴います。

脳幹出血の予後が悪い理由としては以下の3つが考えられます。

1つ目は、脳幹が担っている機能にあります。呼吸や血圧、心拍数、体温、嚥下(飲み込み)など生きていく上で必要不可欠な機能を調整しています。

ですから、脳幹出血を発症すると意識障害や呼吸障害、嚥下障害など重度の後遺症を患い、予後が不良となりやすいのです。

2つ目は、治療に関してです。脳幹出血は手術適応ではない事からも予後が悪い要因となっています。

その理由は、脳幹が生命維持に関わる重要な器官である事と深部にある為に手術のリスクが高いことや、手術を行ったとしても損傷した組織に改善が見込めない為です。

基本的な治療としては、原因となる血圧の管理を行う保存療法が主体となります。

3つ目は、脳幹は比較的小さな器官である為、出血を起こすと広範囲に影響してしまいますから、予後は悪くなります。出血量が多くなればそれだけ重度になりやすいです。

また、脳幹出血発症後の身体の状態によって、その後の身体機能(歩けるようになるか、自立して生活できるかなど)がどこまで向上するかという予後予測を立てる事ができます。

これに関しては後述しますね。

脳幹出血の予後予測【生存率】

脳幹出血の発症率は、脳出血の中でも約1割程と稀な脳疾患です。しかし、その生存率は、約20〜30%と低く、他の脳出血の70%と比較しても差は歴然としています。

また、脳幹は先述したように生命の維持に重要な役割がある為、一命をとりとめたとしても意識障害や呼吸障害、嚥下(飲み込み)障害などの重度の後遺症が残ります。

脳幹は、間脳・中脳・橋・延髄から構成されていますが、この中でも橋で出血が起こりやすく、後遺症も重度になりやすいと言われています。

更に橋出血は、数時間〜数日で亡くなる方が多いなど予後が悪い脳疾患です。

これらの事から、脳幹出血は脳出血の中でも重度になりやすい言われており、更に脳幹出血を含めた脳卒中は、寝たきりになる疾患の第一位と言われています!

実に怖い病気であることが分かりますね。

私がリハビリで担当してきた利用者さんで脳卒中を患った人たちの中でも脳幹出血を起こした人は、総じて自立度が低い(介助量が多い)方が多かったです。

しかし、必ずしも重度の状態になるわけではなく、血腫の大きさで予後が左右され、血腫が小さければ予後は比較的良好といえます。

また、脳幹出血発症後の身体機能の具合を見ることで、予後予測に役立てることができます。

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脳幹出血の予後予測【身体機能】

脳幹出血を発症して一命を取りとめたとしても、その後は後遺症と戦わなければなりません。この後遺症の程度で予後予測の判定ができる事が分かったきました。

詳しくみていきましょう。

脳幹出血の予後予測は、先述したように出血部位や血腫の大きさ、意識の状態で判断する事が多いですが、それ以外の視点からも予後予測の判断ができます。

ここでは、患者さん達からの訴えで聞かれやすい歩行能力に着目し、脳幹出血発症後「自力歩行」を達成できるかどうかの予後予測について解説していきます。

麻痺、感覚障害からみる予後予測

脳幹出血の症状としてみられる麻痺や感覚障害。これらの状態が予後予測を左右します。

麻痺に関しては、股・膝・足関節を個別に動かせる能力があれば、自力歩行を達成しやすいという報告があります。また、感覚障害は軽度であれば自力歩行を達成しやすいようです。

麻痺の個別に動かせる能力とは、股・膝・足を一緒に動かさずに、股だけ曲げる、足首だけ動かすという様に各関節の個別運動です。

麻痺を患うとこの動きが苦手になり、各関節が一緒に動いてしまいます。麻痺の予後予測はこういった評価で行われます。

姿勢や動作からみる予後予測

脳幹出血発症後の姿勢や動作の様子でも予後予測が分かるようになってきました。

それは、早期に座る事ができるようになれば、自立歩行を達成する確率が高くなるという事です。

これは、血圧や意識状態、経口摂取(口から食事ができるか)などがいかに安定するか、そして早めのリハビリを開始できるかという事が重要になってきそうです。

しかし、脳幹出血は比較的安静度の高い疾患である為、座位姿勢が安定するまでは時間がかかると言われています。

脳幹出血発症後、意識状態や麻痺・感覚障害、言語障害の程度が軽度であれば、予後は比較的良好であると言えます。

まとめ

今回は、脳幹出血の予後予測について解説していきました。

脳幹は、生命維持に重要な器官である為、出血を起こすと寝たきりになる可能性や後遺症が重度になりやすい事に加え、生存率が20~30%と予後が不良になりやすい疾患です。

脳幹出血の予後予測には、血腫の大きさや出血部位、意識状態の他、身体機能面においても判断することができます。

それは、麻痺・感覚障害が軽度かつ座位保持が早期に獲得できれば、予後は比較的良好となりやすいようです。

いずれにしても脳幹出血の予後予測を考えた場合、重度になりやすい傾向がある為、予防を心がける必要性は高いと言えます。

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