脳幹出血の中でも頻度の高い『橋』の出血。その症状とは!?

脳幹出血は、脳卒中の中でも際立って重い症状が現れます。

それは、脳幹に生命維持に不可欠な機能があるからなのですが、脳幹を構成している橋(きょう)は出血を生じやすく、重い後遺症が残ります。

また、最悪の場合は死に至る事もあります。

今回は脳幹出血の中でも頻度の高い橋出血の症状と重症になる理由を解説します。

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脳幹出血の中でも重症度の高い「橋」の症状

みやっち
こんにちは!現役作業療法士(リハビリの専門家)のみやっち(@miyabro2)です

を構成する脳幹は、中脳・橋・延髄から構成されており、大脳からの神経繊維が脳幹を通じて脊髄に向かっています。

つまり、大脳からの指令の中継点になります。

橋は、他の脳幹の部位と比較しても出血頻度が高い脳幹出血で、重い症状が現れます。

引用先:「Akira Magazine」

具体的には

  • 意識障害
  • 呼吸障害
  • 脳神経症状
  • 麻痺

などが症状として現れます。

意識障害

橋を含め、脳幹全体には覚醒に関わる神経が通っている為、脳幹出血によって橋に損傷を受けると意識障害を起こすことがあります。

出血が重度の場合には、寝たきりになる可能性もあります

呼吸障害

延髄まで出血が広がった場合、呼吸障害が起きることもあります。

呼吸障害が症状として表れた場合、自力での呼吸が難しくなりますから、気管切開(喉に穴を開ける)をして、そこから人工呼吸器を装着して呼吸を補助する場合もあります。

呼吸障害や意識障害を併発されている方は多く、ご家族の介護負担は多大なものになります。

脳神経症状

脳神経とは、脊髄を介さず各器官(顔や目、舌など)と脳が直接繋がっている神経の事を言います。

全12種の脳神経のうち、橋には4つの脳神経が存在します。

脳幹出血で橋に損傷を受けると

  • 表情筋、顎の筋肉をうまく動かせなくなり、呂律が回らなくなる
  • 顎や眼、鼻の感覚がわかりにくくなる
  • 物が二重に見える
  • 眼球が上下にずれる
  • 味が分かりにくくなる
  • 耳が聴こえにくくなる
  • めまい

などの症状があらわれます。

特にめまいに関しては、座る事や立っている態勢を保持するのが困難となります。

麻痺

先述したように、脳幹は大脳から出る神経伝達の中継点になります。

その為、麻痺が症状として現れる事もあります。

出血が重度の場合は、四肢麻痺として後遺症が残ることもあります。

更に、球麻痺という話す・食べる為の筋肉の麻痺が生じると、「閉じ込め症候群」になるケースもあります。

また、脳幹は姿勢保持筋のコントロールを担っている中枢なので、座位や立位姿勢の保持が困難となり、バランスを崩しやすくなります。

更に、手足が震えてしまい麻痺がないのにうまく動かす事ができない失調症状を伴うこともあります。

これは、橋が筋肉の力の加減などをコントロールしている小脳と密に連携を取っていることが関係しています。

閉じ込め症候群
意識がある為、視界は保たれているが、四肢麻痺・球麻痺(話せない、食べれない)によって意思表示ができなくなった状態。唯一できる事は、目を動かす事
脳幹出血の中でも橋は出血を起こしやすい
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脳幹出血の発症原因は高血圧

脳幹出血の発症原因は高血圧と言われています。

その高血圧のリスクとして挙げられているのが生活習慣です。

肥満や喫煙、ストレスなどは高血圧の要因となり、いずれは脳幹出血などの大病へと繋がってしまう為、看過できるものではありません。

高血圧は別名「サイレントキラー」とも呼ばれていて、自分でも気付かないうちに血管をボロボロにして出血を引き起こします。

僕が仕事でこれまで見てきた脳卒中の利用者さん達は、血圧に問題を抱えていた人がほとんどです。

今もなお、血圧の薬を飲み続けています。

一度ボロボロになった血管を修復することは容易ではありませんし、加齢とともに血管は衰えていきますから、普段の生活習慣を意識して高血圧を予防していくことは発症を防ぐ上で重要と言えます。

脳幹出血は重篤な症状が後遺症として残りやすい

生活習慣病と脳卒中の関連性についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、チェックしてみて下さい。

生活習慣が三大成人病を招く!?その理由と予防方法はこちら!

2017.03.22

寝たきりになりすい脳幹出血(橋)と介護負担

脳幹出血の中でも発症頻度の高い橋。

その症状については先述しましたが、僕が実際に担当した「橋出血」の利用者さんについて話を進めていきます。

その方は70代の男性で、歩くのはおろか、立つこと、座っていること、起きることも自立しては行えませんでした。

また、呼吸障害により、気管切開という喉を切開してチューブを入れて人工的に呼吸を促す処置がされていました。

それにより、定期的に痰の吸引が必要で、食事は胃瘻(胃に穴を開けて栄養剤を入れる)で行なっていました。

その他、トイレや着替えも全て介助が必要となっていました。

ほぼ寝たきりの状態です。

介護は同居している奥さんが主に行なっており、片時も目を離せない状態でした。

起き上がりやベッドから車椅子への移乗時には介助を要するのですが、四肢麻痺により介助量は増大で、転倒のリスクもある状態でした。

ほぼ付きっきりで介護をする身体的・精神的負担で、介護者は大きな負担を強いられていました

もちろん、ヘルパーやデイサービスなどの介護保険サービスを利用されていましたが、リハビリでの訪問時には負担の訴えを聞く事も多く、目に見えて疲弊されていたのを覚えています。

重篤な脳幹(橋)出血の症状は介護負担を増大させ、当たり前のように日常生活を送る事も困難となってしまいます。

脳幹出血に関してはこちらの記事でもまとめていますので、チェックしてみて下さい。

脳幹出血を発症しても自発呼吸ができるまで回復はする?

2017.06.30

まとめ

脳幹出血は脳出血の一種です。

その脳幹の中でも高頻度で出血を起こすのが橋です。

橋に出血を起こすと

  • 意識障害
  • 呼吸障害(気管切開が必要になる)
  • 脳神経症状(呂律が回らない、物が二重に見える、眼球が上下にずれる、めまいetc)
  • 麻痺(四肢麻痺のこともあり)

これらの症状を伴い、寝たきりになる確率も高い病気です。

また、最悪の場合は死に至ることもあります。

一命を取り止めてもその後は介護を必要とする確率が高い為、発症を未然に防ぐことが重要になります。

発症要因には高血圧が考えられます。

慢性的な高血圧によって耐えられなくなった血管が破れて出血を起こします。

ですので、血圧が乱れるような生活習慣になっていないかチェックすることから始めていきましょう。

こちらの記事では高血圧を予防できる食べ物を紹介しているので、一度チェックしてみて下さい。

【必見】高血圧の予防に効果的な食べ物・食材を紹介します!

2018.07.12
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