意識レベルの評価法で、脳疾患の意識障害が分かる!?

私達が普段何気なく行動できるのは、意識があるからです。

しかし、脳疾患を発症すると意識障害が症状として表れる事があります。意識障害は、意識レベルという意識の状態を分類化した評価方法で客観的に把握する事ができます。

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そこで今回は、脳疾患の意識障害が起きる理由や意識レベルを分類する評価法について解説していきます!

意識とは

そもそも意識とはどんな状態を意味するのでしょうか?

意識とは、覚醒(起きている)している状態を言います。

私達は、覚醒している事で自分と外部のものを正確に認識する事ができます。つまり、覚醒していることで見る、聞く、触れる、食べるなどの感覚を感じ取り、刺激の性質を把握し、物事の判断を行います。

意識を司っているのは、脳幹網様体という場所です。

脳幹とは、その名の通り大脳の下にある脳の幹の部分の事で、例えるならきのこの山のクッキーの部分です。

網様体というのは、神経の集団のことを言います。

脳幹網様体は、触覚や温痛覚、四肢の動きや位置を感知する位置覚や運動覚といったような感覚情報を受け取り、大脳に送り出す役割を果たしています。

これにより、大脳は絶え間なく刺激を受けることで、覚醒を保つことができます!

すなわち、脳幹網様体とは、「大脳の下にある覚醒の為に働く神経集団」を指します!

私は学生時代、どうしても起きていなければいけない授業中(先生が怖かったんです)に睡魔と戦っていた時、寝ないように手にボールペンを刺して眠気をごましていました。

これにもちゃんとした根拠があったんですね(笑)授業が終わった時には、手には無数のボールペンの痕がありました(笑)

意識障害とは、様々な病気が原因で意識レベルが低下し、物事を正確に認識できなくなった状態を言います。

脳疾患における意識障害は、覚醒の中枢である脳幹(網様体)が直接損傷を受けるか、大脳が浮腫や出血、腫瘍などの障害を広範囲にわたって受けることで、脳全体にかかる圧力が増し、それが脳幹を圧迫して生じます。

意識レベルとは

意識レベルとは、意識障害を呈した時の意識の状態を数値化して、客観的(誰でも同じ解釈ができる)に把握できるようにしたものを言います。

そして、この意識レベルの評価方法には、次の2種類があります。

Japan Coma Scale:JCS(ジャパン・コーマ・スケール)

意識レベルの状態に応じて3段階に分類し、更にそれを3段階に細かく分類して合計9段階で表記する事から、「3-3-9度方式」とも呼ばれています。

日本で普及している意識レベルの評価法で、短時間で行える為、緊急時に使われる事が多いです。

数値が大きい程、意識障害が重いということになります。

Ⅰ.覚醒している(一桁の点数で表現)

  • 0 意識鮮明
  • 見当識(時間、場所、他者を認識する機能)は保たれているが、意識鮮明ではない 1
  • 見当識障害がある                              2
  • 自分の名前、生年月日が言えない                       3

Ⅱ.刺激に応じて一時的に覚醒する(二桁の点数で表現)

  •  普通の呼びかけで開眼する                          10
  •  大きく呼びかけたり、強く揺すると開眼する                  20
  •  痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けるとかろうじて開眼する          30

Ⅲ.刺激しても覚醒しない(三桁の点数で表現)

  •  痛みに対して払いのけるなどの動作をする                   100
  •  痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする               200
  •  痛み刺激に対し全く反応しない                        300

例えば、意識を失っているも肩を叩くことで目が覚めた場合、Ⅱ-30と表記します。

Glasgow Coma Scale:GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)

世界的に使われている評価法です。複雑になっている分、評価に時間はかかりますが、より詳細な意識レベルの把握をすることができます。

この評価法は、3つの要素の該当する項目の合計点数で意識レベルを把握します。

開眼機能(Eye opening)「E

  • 4点:自発的に、または普通の呼びかけで開眼
  • 3点:強く呼びかけると開眼
  • 2点:痛み刺激で開眼
  • 1点:痛み刺激でも開眼しない

最良言語反応(Best Verval response)「

  • 5点:見当識が保たれている
  • 4点:会話は成立するが、見当識が混乱
  • 3点:発語はみられるが、会話は成立しない
  • 2点:意味のない発声
  • 1点:発語みられず
    ※挿管(喉に管が繋がれている状態)などで、発声ができない場合は「T」と表記。扱いは、1点と同等である。

最良運動反応(Best Motor response)「M

  • 6点:命令に従って四肢を動かす
  • 5点:痛み刺激に対して手で払いのける
  • 4点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
  • 3点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動(徐皮質姿勢※1)
  • 2点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動(徐脳姿勢※2)
  • 1点:運動みられず

※1:腕は曲がり、足は伸びる方向に固まる(脳疾患のうち、大脳の障害で起こる)
※2:手足が伸びる方向に固まる(脳疾患のうち、脳幹{大脳と脊髄の間にある脳を指す}の障害で起こる)

例えば、意識を失っているも肩を叩くと抵抗するように払いのけて覚醒。会話はできるが、自分のいる場所が分からないという場合、E2V4M5という表記になります。

どちらの評価法も医療現場では、スタッフ間の共通認識として活用されています。

しかし、私たちも気づかないうちに耳にしていると思います。

よく、医療系のドラマの中で、救急で患者さんが搬送されてきた時に看護師役の女優さんが「意識レベル〇〇です!」と言ってるあれです。

数値で表すことで、瞬時に意識レベルの把握ができるのですから、便利ですよね。

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意識レベルを向上させる方法

脳疾患による意識障害かそうでないかに限らず、意識レベルを向上させるには、どうすれば良いのでしょうか?

最も重要なのは、たくさん感覚刺激を取り入れることです!

先述したように、意識は脳幹網様体が司っています。この脳幹網様体を刺激するのに必要なのは、触覚や温痛覚、四肢の動きや位置を感知する位置覚や運動覚です。

ですから、これらの感覚刺激を身体の中に取り入れることが重要になります!

例を挙げると、体操や手作業、背もたれから背中を話して座る事も覚醒を促す為には効果的です。

また、メカノレセプターという身体のバランスを保つためのセンサーを刺激することも意識レベルを向上させるのに効果的です!

この感覚受容器は、足の裏(とりわけ踵や親指に多い)や膝に存在しています。

例えば、起立訓練や階段昇降訓練などで、踵→親指に体重移動するよう意識する、しっかりと足で踏ん張るだけでも効果的です!

ヒトは、加齢や不良姿勢の長期化によって歩く姿勢が乱れると、つま先歩きや体重が小指側に傾きやすくなる傾向があります。

それにより、ふらつきやつまづきによる転倒、安定して体重を支えられない事での膝の変形や腰痛を伴いやすくなるなどの身体への負担がみられやすくなります。

以上の事からも、メカノレセプターを刺激する事が重要な理由が分かりますね。

そして、五感(視覚、味覚、嗅覚、触覚、聴覚)を働かせることも重要です!

外界から取り入れた感覚情報は、経路は各々異なりますが、全て大脳に集まります。そして、その感覚情報を元に判断したり、反応したりと脳がフル回転します!つまり、感覚刺激によって脳は活性化するので、意識レベルの向上にも繋がるわけです!

まとめ

いかがでしたか?

意識は、脳幹網様体という場所が司っており、ここが脳疾患によって障害を受けることで、意識障害を生じます。

その意識障害の評価法として使用されるのが、意識レベルを数値化するJCSGCSです。これらを使用することで、意識障害の程度や脳疾患の重症度を客観的に把握できます。

そして、意識レベルを向上させるには、五感運動することで得られる感覚が必要です!

今回の記事を通して、感覚を得ることの大切さを理解して頂けたら幸いです。

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