ご飯のお供としても愛されているたくあん。
糠を原料として使用する事でビタミンやミネラルなどの栄養価も高く、他の漬物と比較するとカロリーも低めなんです。
今回は、たくあんに含まれている栄養素と秘められた栄養効果を紹介していきたいと思います。
知って得する豆知識も紹介していきますよ(^^)
目次
たくあんの栄養素【秘密は糠にあり】
突然ですが、たくあんの原料って知ってましたか!?
実はたくあんの栄養の秘密には、使用されている原料に秘密があるんです!
その原料とは「米糠(こめぬか)」
古来より伝わってきた伝統的なたくあんの作り方は、米糠に漬け込む製法です(塩で漬ける製法もある)
米糠とは、白米の周りにある胚芽とそれを守る種皮と果皮を指します。
画像元:gohan 日本のおこめディア
つまりお米の周りを削り取って出た削りカスの事です。
実はこの削りカスである米糠には非常にたくさんの栄養素が含まれているんです!
胚芽には抗酸化作用のあるビタミンやミネラル、種皮や果皮の部分には食物繊維などの栄養素が含まれています。
だからその米糠で漬けたたくあんは、栄養素が豊富に含まれているというわけです(^^)
たくあんはご飯のお供だけにあらず!
今回の記事では米糠を使用したたくあんの栄養素について解説を進めていきたいと思います!
たくあんの栄養素【ビタミン・ミネラルが豊富】
まずは下の表をご覧下さい。たくあんに含まれる栄養素をピックアップしてみました。
栄養素 | 含有量(100gあたり) |
エネルギー | 27kcal |
たんぱく質 | 1.9g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 5.5g |
カルシウム | 76mg |
ナトリウム | 970mg |
マグネシウム | 80mg |
カリウム | 500mg |
リン | 150mg |
鉄 | 0.1mg |
亜鉛 | 0.8mg |
銅 | 0.05mg |
マンガン | 0.89mg |
ビタミンB1 | 0.21mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 1.6mg |
ビタミンB6 | 0.22mg |
葉酸 | 47mcg |
パントテン酸 | 0.66mg |
ビタミンC | 12mg |
食物繊維総量 | 3.5g |
食塩相当量 | 2.5g |
特に、ミネラルやビタミンの含有量が多く、中でもナトリウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。
するめも優秀な栄養食品だった!?詳しくはこちらの記事をご覧ください。
たくあんは低カロリーな漬物
下の表を見てもらうと分かるのですが、たくあんは他の漬物と比較するとカロリーが低めなんです。
塩分に関しては多すぎるという事はないですが、たくあん一切れで1日の塩分摂取基準(※)の約4%を摂取する事になります。
※厚生労働省で基準とされている塩分の1日の摂取基準は「男性7.5mg未満、女性6.5mg未満」
塩分は他の食事でも摂取する事が多いので、食べ過ぎには要注意ですね。
食品名 | 量(一切れ) g | カロリー kcal | 食塩相当量 g |
---|---|---|---|
たくあん | 8 | 2.4 | 0.3 |
新漬沢庵 | 8 | 5.1 | 0.3 |
守口漬 | 8 | 15.0 | 0.3 |
べったら漬 | 8 | 4.6 | 0.2 |
味噌沢庵 | 8 | 6.2 | 0.9 |
福神漬け | 8 | 10.9 | 0.4 |
たくあんに秘められた7つの栄養素
では、たくあんにの栄養素にはどんな効能があるのか!?
秘められた7つの栄養素に迫っていきます!
たくあんの栄養素1【ビタミンB1】
たくあんに含まれるビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する作用があります。
糖質は脳や筋肉のエネルギー源になるのですが、ビタミンB1の力によってエネルギーに変換する事ができます。
その為、ビタミンB1の効能として疲労回復や集中力アップに繋がります。
食事は摂っているのに「いまいち疲れが取れない」「頭がボーッとする」
それ、ビタミンB1が不足しているかもしれませんよ?
ご飯のお供として、定食やお弁当には必ずと言っていいほどたくあんが添えられていますが、たくあんのビタミンB1がお米の糖質をエネルギーに変換してくれる為、非常に相性の良い組み合わせ!
たくあんは残さず食べよう!
たくあんの栄養素2【ビタミンB6】
たくあんの栄養素にはビタミンB6も豊富。
その効能は、筋肉の材料であるアミノ酸の代謝を助ける事で、筋肉の新陳代謝を活性化させる事。
他にも血液(ヘモグロビン)の合成、免疫機能のアップ、脂質の代謝にも関与しています。
筋肉を付けるなら、たんぱく質だけでなくビタミンB6を一緒に摂る事が重要です!
たくあんの栄養素3【マグネシウム】
ミネラルの一種であるマグネシウムもたくあんには豊富に含まれています。
その効能は、カルシウムとともに丈夫でしなやかな骨や歯を作る事です。
他にも、様々なエネルギー代謝のサポートや筋肉の痙攣予防、神経の働きを安定させる事でイライラを軽減するなどの効果があります。
更に、血管を拡げて高血圧を予防したり、血液を固まりにくくして血管の詰まりを予防するなど重病になるリスクの軽減効果もあるんです!
カルシウムとマグネシウムは、ブラザーイオンと言われるほど重要な関係!
マグネシウムが不足すると、カルシウムも一緒に減ってしまうらしい。
バランス良く摂取しましょう!
たくあんの栄養素4【カリウム】
カリウムは、体内で増えたナトリウムを尿中に排泄する事で、血圧を調整する働きがあります。
塩分をよく摂取して血圧が高めな人には重要な栄養素です!
また、細胞の浸透圧を維持や神経を通しての情報伝達、心臓や筋肉の機能を調整する働きもあります。
たくあんの栄養素5【マンガン】
マンガンはミネラルに含まれる栄養素で、骨の形成、糖質や脂質のエネルギー変換や抗酸化作用のある酵素(代謝に必要な物質)としての働きがあります。
たくあんの栄養素6【葉酸】
ビタミンの1種である葉酸は、赤血球の生成に働く以外にも代謝や発育に重要な栄養素になります。
この葉酸の量で細胞の新陳代謝が大きく左右される為、特に胎児に重要な栄養素と言われています。
たくあんの栄養素7【食物繊維】
米糠で漬けたたくあんには、食物繊維も豊富に含まれています。
代名詞的な効能に便秘の解消や腸内環境の改善がある他、コレステロールの低下や血糖値の上昇を緩やかにする効能がある為、生活習慣病の予防に効果的です!
また、ナトリウムを体外に排出する効能もある為、漬物に多い塩分量の調整もできちゃうわけです(^^)
たくあんに含まれているナトリウムも大事な栄養素です。
ナトリウム(塩分)は過剰摂取になる事が多い為、ここでは別枠で紹介しますが、カリウムとともに体内の水分バランスや細胞の浸透圧を調整している他、神経の情報伝達や栄養素の吸収や輸送の役割もあります。
夏場など汗をかくことが多い時は、たくあんで塩分補給を行う事もオススメです(^^)
たくあんで血圧が下がる!?
しょっぱい食品を食べると喉が乾いて過剰に水分を摂取してしまい、体内の血液量が増して結果的に高血圧を招いてしまうのが一般論ですが、たくあんは血圧を下げる効果があるとの研究結果もあるようですよ!
高崎健康福祉大学教授の松岡寛樹先生が行った実験では、たくあんを与えたラットの血圧を上げる物質の分泌が抑えられたとの結果が出たそうです。
タクアン漬けを与えたラットは、ACE(アンジオテンシン変換酵素)活性が低いという結果が出ました。
ACEは、血管を収縮させたり、腎臓でナトリウムや水分が排出されるのを抑えたりして血圧を上げる物質(アンジオテンシンⅡ)の生成を促す働きがあります。ですから、ACE活性が低くなれば、血圧は下がるわけです。
また、たくあんを摂取したラットは腎機能の改善も認められたとの事からも高血圧の予防効果が期待できますね(^^)
たくあんを選ぶなら栄養素たっぷりの「糠漬け」
ここまでたくあんの魅力を伝えてきましたが、選ぶならやっぱり栄養素がたっぷり入った米糠製法のたくあんが断然オススメ!
現在は、塩漬けのたくあんも流通していますが、保存料や甘味料などの添加物が入っている物もあるので注意が必要です!
これらは、人間の舌に合わせる事や長く保存できる事を優先する物質なので、体への害も否定できません。
天然の原料で作られた食品は栄養素もたっぷりで体にも安心なので、たくあんを購入する際は食品表示をよく見て購入することをオススメします。
- 沢庵和尚さんが作った事から
- 沢庵和尚の墓の形状が漬物石に似ていた
- 「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」あるいは「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じた
など諸説あるようです。
まとめ
たくあんの伝統的な製法は、栄養素たっぷりの米糠に漬けて作られる事でビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
また、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1によりお米の栄養素を効率的に活力に変えてくれるので、非常に相性の良い組み合わせなんです!
しかも血圧を下げる作用も期待できるかもしれないという優秀食品。
とは言っても食べ過ぎには要注意。
今は食品添加物を加えたたくあんも流通している為、天然食材である米糠で漬けたたくあんを選んで健康に役立てて下さい(^^)
栄養は白米の数倍と言われている麦飯とたくあんの組み合わせもオススメ!詳しくはこちらの記事を読んでください。