「1日1個のりんごが医者を遠ざける」ということわざがある程に栄養の豊富なりんご。
実はりんごの皮には、病気の予防や若返り作用のある栄養が豊富に含まれています!
ですが、りんごは農薬を使用して育てる為、皮に付着している農薬の量についても気になるところ。
今回は、りんごの皮に秘められた栄養と皮に含まれる農薬について解説していきます。
目次
りんごの皮の栄養は果肉以上!?
果物の中でもメジャーなりんご。
その栄養価の高さから、イギリスでは「1日1個のりんごは医者いらず」ということわざもあるくらい!
そんなりんごですが、実は皮にも栄養がぎっしりと詰まっているんです。
捨ててしまっては栄養が半減すると言っても過言ではない程なんです!
- ポリフェノール
- 食物繊維
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンA
- ビタミンK
- パントテン酸
後述するりんごの栄養成分表にも載せていますが、皮にはこれだけの栄養が詰まっています!
中でも強調したいのはポリフェノール。
今回の記事では、りんごの皮のポリフェノール効果を強調していきたいので、その栄養効果を解説していきます!
りんごの皮には健康や若返り作用のポリフェノールが豊富
りんごのポリフェノール成分の6割を占めるのがプロシアニジン。
その特徴は、高い抗酸化力(がんや動脈硬化、免疫機能の低下を引き起こす活性酸素を抑える力)を持っている点!
抗酸化作用は、内臓の健康状態を保つだけでなく、肌の若々しさを保つにも重要なんです。
プロシアニジンの機能性を調べた論文の中でも、他の抗酸化物質と比較してプロシアニジンの抗酸化力が高い事が記載されています。
- がんや動脈硬化の予防
- 美白
- しわ予防
- 内臓脂肪の軽減
- エネルギー代謝の促進
りんごポリフェノールは他にも
- エピカテキン:抗酸化作用、免疫力向上
- アントシアニン:高血圧予防、眼精疲労の回復・視力の改善
があり、これら3つがりんごの主力となるポリフェノールです。
りんごの皮にはポリフェノール(プロシアニジン、エピカテキン、アントシアニン)が豊富に含まれている。
その効能は、病気の予防、内臓や肌の老化防止、肥満防止、免疫力向上、視力の改善など。
●りんごの皮の栄養で忘れちゃいけない「ペクチン」
皮と実の間には、ペクチンと呼ばれる物質が豊富に含まれています。
ペクチンは煮る事でゼリー化するのが特徴で、ジャムなどを作る時にトロッとするのはこのペクチンの特性の為です。
ペクチンは食物繊維としての特性もあり
- 整腸作用→下痢や便秘予防
- 悪玉コレステロールを下げる→動脈硬化や心筋梗塞の予防
皮に負けないりんごの果肉の栄養
もちろん、りんごの果肉にも栄養は豊富に含まれています。
中でも整腸作用のある不溶性食物繊維や心臓や筋肉の働きの調整・体内の水分量を調整して血圧をコントロールするカリウムの含有量が多くなっています。
りんごは1日に半分〜1個食べるのが摂取量の目安
以下はりんご一個の標準的な成分値になります。表示される値は可食部100gあたりの成分です。
成分名 | 皮なし、生 | 皮あり、生 | 単位 |
エネルギー | 57 | 61 | kcal |
水分 | 84.1 | 83.1 | g |
タンパク質 | 0.1 | 0.2 | g |
脂質 | 0.2 | 0.3 | g |
炭水化物 | 15.5 | 16.2 | g |
ナトリウム | Tr | Tr | mg |
カリウム | 120 | 120 | mg |
カルシウム | 3 | 4 | mg |
マグネシウム | 3 | 5 | mg |
リン | 12 | 12 | mg |
鉄 | 0.1 | 0.1 | mg |
亜鉛 | Tr | 0.1 | mg |
銅 | 0.05 | 0.05 | mg |
マンガン | 0.02 | 0.04 | mg |
ヨウ素 | 0 | 0 | ug |
セレン | 0 | 0 | ug |
クロム | 1 | 0 | ug |
モリブデン | 0 | 1 | ug |
ビタミンA | 35 | 61 | ug |
ビタミンD | 0 | 0 | ug |
ビタミンE | 0.1 | 0.4 | mg |
ビタミンK | Tr | 2 | ug |
ビタミンB1 | 0.02 | 0.02 | mg |
ビタミンB2 | Tr | 0.01 | mg |
ナイアシン | 0.1 | 0.1 | mg |
ビタミンB6 | 0.04 | 0.04 | mg |
ビタミンB12 | 0 | 0 | ug |
葉酸 | 2 | 3 | ug |
パントテン酸 | 0.03 | 0.05 | mg |
ビオチン | 0.5 | 0.7 | ug |
ビタミンC | 4 | 6 | mg |
飽和脂肪酸 | 0.01 | 0.02 | g |
一価脂肪酸 | Tr | Tr | g |
多価脂肪酸 | 0.03 | 0.05 | g |
コレステロール | 0 | 0 | mg |
水溶性食物繊維 | 0.4 | 0.5 | g |
不溶性食物繊維 | 1.0 | 1.4 | g |
食塩相当量 | 0 | 0 | g |
Tr:微量。最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満である事を示す。
皮がある場合とない場合で栄養の差が大きい成分に でチェックを入れてみました。
なんと、皮がある場合はない場合と比較して40%以上も栄養がアップしています!!
中でもビタミン類の栄養価が高くなっています。
ビタミンA,C,EはビタミンACE(エース)と総称され、シミやしわだけでなく、がんや動脈硬化の予防、免疫機能の向上を助けてくれる抗酸化作用の強い成分です!
まさに体を守ってくれるエース!!
他には不溶性食物繊維の栄養もアップしている為、皮を食べることで整腸作用もアップです(^^)
りんごの皮にはポリフェノールの他、ビタミンACEや不溶性食物繊維が豊富に含まれている。
ビタミン・食物繊維はアボカドにもたっぷり!
詳しくはこちらをチェックしてみて下さい。
りんごの皮の農薬は健康への害の心配はない
りんごの木はとてもデリケートである為、農薬を使用しないと病気にかかりやすかったり、害虫被害も増えてしまいます。
その為、健康で美味しいりんごを生産する為に農薬は非常に重要な役割をしているんです。
とは言え、口に入れるものですから農薬の存在は無視できないですよね。
ましてや皮は思いっきり農薬を浴びますから、安全性はどうしても気になるところ(^^;)
でも、安心してください!
りんごに限らず、農作物に使用する農薬は、人体への害がない範囲内で使用するよう国で定められています。
もちろん出荷前には農薬の量に異常がないかのチェックも行い、安全が確保されたりんごだけが店頭に並ぶようになっているんです。
食品中に残留する農薬などが、人の健康に害を及ぼすことのないよう、厚生労働省は、全ての農薬、飼料添加物、動物用医薬品について、残留基準を設定しています。
更に
農薬が基準を超えて残留することのないよう、農林水産省が、残留基準に沿って、農薬取締法により使用基準を設定しています。
国で定められているのは安心ですね。
最近ではスーパーに並んでいる食品には生産者の方の顔が見れる物も多いので、より安心して購入できるようになってきました。
農薬を完全に除去するには重曹が良い
人体に害がないとは言え、微量ながらも皮に農薬が付着している可能性は捨てきれません。
ただ、多くの農薬が水溶性である為、水洗いでもかなりの量を落とす事ができるのですが、完全除去とまではいかないです。
そこでオススメしたいのが重曹。
マサチューセッツ大学の研究チームによると、重曹水にりんごを浸すと、12〜15分で農薬が100%除去されたとの事。
しかし、果肉部分にも重曹が浸透してしまい、更にビタミンも失われてしまうんだとか(´・ω・`)
なので、重曹を使用する際は1分程度、浸けておくのが吉!
りんごの皮に付着した農薬は水洗いでも大半を除去できるけど、重曹に1分浸けておくと更に除去効果アップ!
りんごを食べるベストなタイミングは変色前
りんごは食べるタイミングによって大切な栄養の量が変わってしまうんです!
りんごを切った後、時間が経つと茶色く変色しますよね!?
実はこれ、先述したポリフェノールの一種であるプロシアニジンの働きによって果実が痛んでしまう(酸化)のを防いでいるんです!
ですが、それと引き換えにプロシアニジン自体の酸化を進める形となり、栄養成分が失われてしまう結果に…。
結論!
りんごはプロシアニジンが酸化する前(茶色くなる前)に食べよう。
りんごが脳卒中のリスクを50%以上も下げる!?
1日1個のりんごが医者を遠ざける
という諺は、意外と大袈裟でもないかもしれません!
オランダのワーゲニンゲン大学人間・栄養学部のLinda M. Oude Griep氏らが行った実験を紹介します。
- 果物と野菜を色別に4種類のグループに分別。
- 平均年齢41歳の地域住民約2万人を対象に、これらの摂取度数を約10年間追跡し、脳卒中発症との関連性を調査した。
- 緑色:キャベツやレタスなどの葉野菜
- オレンジ・黄色:オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類
- 赤・紫色:ネクタリンなどの赤色果物と野菜
- 白色:りんご、バナナ、西洋なし、カリフラワー、きゅうりなどの果物・野菜
結果、白色の果物や野菜の摂取量の多い人では、脳卒中は最大で52%低下していた。
諺の信憑性が見事に実証されていたんです!
脳卒中は一度発症すると高確率で後遺症が残る恐ろしい病気です。
どんなにリハビリを頑張っても完治する事はありません。
その為、脳卒中は発症そのものを防ぐことが非常に重要になります!
こんな人は(皮付きで)りんごを食べよう!
栄養豊富なりんごは、特にこんな人たちに食べる事をオススメしたいです(^^)
- コレステロールの多い食事を取りがち
- 便秘気味
- 血圧が高め
- お腹の脂肪が気になる
- シミやシワが気になる
- 健康寿命を伸ばしたい
りんごには血糖値の上昇を緩やかにする働きや余分なコレステロールの排出を促す作用がある為、肥満やコレステロールの値で悩んでいる人は、普段の食事に加えるのがオススメ。
また、重量級の果物である為、満腹感があり食べ過ぎ防止にもなります。
更に皮付きのりんごであれば、主要な栄養が40%以上もアップするので、上記の改善にも効果抜群です!
まとめ
りんごの皮を食べるメリット
- がんやシミ・シワの予防、免疫力向上、整腸作用のあるポリフェノールが豊富!
- ビタミンや食物繊維の栄養成分が40%以上アップ!
はっきり言って、栄養に関してはメリットしかないです。
気になる皮に含まれる農薬ですが、国で定められた基準をクリアし、健康に害を来さない物だけが出荷されるので、水洗いだけで問題はありません。
それでも気になる人は、重曹に1分漬け置きするのがオススメ。
りんごを1日1個食べて医者いらずの体を目指しましょう!
健康は運動と食事のバランスが大切です。こちらの記事も参考にしてみて下さい。