春の山菜としても知られているわらびには、妊婦さんに重要な栄養素である葉酸やビタミンB2が豊富に含まれています。
ですが、それらの栄養素は水や熱に弱い為、調理の過程で栄養が減ってしまう事がほとんど。
ですが、ある事を行うと栄養素が減るどころか増えちゃうんです!
そこで今回は、妊婦さんにもオススメのわらびの栄養素と効能、栄養を逃さない調理方法をお伝えします。
読者の心理→①わらびの栄養は妊婦に良い?②わらびの効能って?③わらびって何?④わらびの旬(スーパーで売られている期間)⑤わらび餅とわらびって違うの?
目次
わらびの栄養素には妊婦に大切な【葉酸】がたくさん
今回は妊婦さんにもオススメなわらびの栄養素と効能について解説していきたいと思います。
まず、妊婦さんにわらびが何故オススメなのかと言うと、葉酸が多く含まれているからです!
葉酸はビタミンB群の一種で、妊婦さんに重要な効能があります。
- ビタミンB12と協力して赤血球を作る「造血のビタミン」
- 体の発育を促し胎児の成長に欠かせない
- 心臓や血管を健やかに保つ
妊娠中は鉄分の需要が増す為、葉酸が不足すると貧血を引き起こしやすくなるんです。
更に、胎児の健やかな発達を促進する為には必須と言っても良い栄養素になります。
妊婦さんは、成人女性の倍は葉酸を摂取する必要がある為、わらびのように葉酸を多く含む食品を選ぶ事は重要な事と言えます。
わらび(71g,5本あたり)には「92.3μg」の葉酸が含まれていて、これは1日の成人の推奨量の約40%をクリアできる
妊婦さんにオススメしたいわらびの栄養素は葉酸だけではありませんよ!
ビタミンB2で肌荒れを予防
妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増します。
このホルモンは皮脂の分泌を促進する為、妊婦さんは肌荒れやニキビが出来やすくなってしまうんです。
でも安心してください!
わらびには肌荒れを防止する効能もあるんです。
その役目を果たしてくれるのがビタミンB2
- 健康な皮膚や髪、爪を作る
- 粘膜の保護
- 脂質をエネルギーに変える
- 老化や生活習慣病を予防
- 発育を促進
ビタミンB2は、健やかな皮膚を作る効能がある為、ホルモンバランスの変化で肌荒れを起こしやすい妊婦さんには大切な栄養素になります。
わらび(71g,5本あたり)には「0.77mg」のビタミンB2が含まれており、妊婦の1日の推奨量の約50%をクリアできる
ビタミンEで若返り
わらびには、若返りのビタミンと言われているビタミンEも多く含まれています。
- 老化の原因になる「過酸化脂質」の発生を抑える
- がんや動脈硬化を予防
- 冷え性や肩こりの改善
- 月経不順の改善や精子の増加
妊婦さんの中には、つわりなど体調の変化で栄養バランスが乱れている方も多いと思います。
栄養バランスの乱れはシミやシワの原因にもなり、血圧に影響を及ぼす事も少なくありません。
ビタミンEは、アンチエイジングの他、末梢神経を広げて冷え性・肩こりの改善、循環器系の病気を防ぐなどの効能もある為、妊婦さんに特にオススメしたい栄養素です!
わらび(71g,5本あたり)には「1.14mg」のビタミンEが含まれており、妊婦の1日の推奨量の約60%をクリアできる
食物繊維で便秘解消
- 有害物質を便として排出
- 糖質の吸収を緩やかにする事で肥満防止
- コレステロールの吸収を抑える
- 便秘解消
- 腸内環境を整えて免疫力アップ
妊婦さんの悩みの一つである便秘。
これもホルモンバランスの変化による影響や大きくなった子宮に胃や腸が圧迫される事で生じます。
そこで積極的に摂って欲しい栄養素が食物繊維です!
食物繊維の効能には、水分の吸収率を高めて腸の蠕動運動を刺激して排便を促す働きがあります。
わらび(71g,5本あたり)には「2.56mg」の食物繊維が含まれている。
わらびの苦味成分にデトックス効果がある
わらびを始め、ふきのとうやぜんまい、たらのめといった山菜は、独特な苦味が特徴です。
その苦味に含まれているのが「植物性アルカロイド」
植物性アルカロイドにはデトックス効果があり、脂肪や老廃物を排出してくれる作用があります!
寒さの厳しい冬の季節は、(本能的に脂肪を溜め込む習性もある為)どうしても食べ過ぎてしまいますが、春になってデトックス効果のある山菜が春先に芽吹くのは、体にとっても理に適った事なんですね(^^)
同じ野菜の香りでも、せりにはリラックス効果があります!詳しくはこちらの記事で解説しています。
わらびはアク抜きで栄養素が激減
アクのある食べ物は妊婦さんには良くないと言われていましたが、これはアクが栄養素の吸収を阻害したり破壊してしまい、毒素を体内に溜め込む結果になってしまうから。
そもそもわらびは、アク抜きをしないと中毒症状を起こす危険性もある為、誰であってもアク抜きなしでは食べる事ができません。
しかしここに落とし穴が!
実はわらびに含まれるビタミンB2や葉酸は水溶性のビタミンである為、熱に弱く加熱する事で栄養素が逃げてしまうんです。
ん?ちょっと待って!
わらびはアク抜きをしないと食べられないんだから、葉酸やビタミンB2がどれだけ含まれてても意味ないじゃん!!
と思った方がほとんどだと思います。
実際僕もそう思いました笑
ですが安心して下さい!
わらびの栄養素を逃さないで食べる方法があるんです!むしろ栄養素が逃げないどころか激増するという何とも素晴らしい食べ方があるんですよね(^^)
それが”乾燥”させる事なんです!
乾燥わらびで栄養素アップ!
わらびは乾燥させる事で何と栄養素が数倍も増すんです!
下の表は、茹でわらびと乾燥わらびの栄養素を比較した物なのですが、見てみるとその違いに驚かされます。
可食部100gあたり | ||
栄養素 | 乾燥わらび | 茹でわらび |
ビタミンB2(mg) | 0.46 | 0.05 |
葉酸(μg) | 140 | 33 |
ビタミンA(mg) | 110 | 13 |
ビタミンE(mg) | 4.6 | 1.3 |
ビタミンK(μg) | 180 | 15 |
カリウム(mg) | 3200 | 10 |
カルシウム(mg) | 200 | 11 |
マグネシウム(mg) | 330 | 10 |
リン(mg) | 480 | 24 |
鉄(mg) | 11.0 | 0.6 |
食物繊維(g) | 58.0 | 3.0 |
※ビタミンAはレチノール活性当量の値
特に含有量に変化のあった栄養素に限定して表記していますが、水溶性のビタミンは減るどころか増加している事に驚きですね。
しかもミネラルに関しては、増加率がハンパじゃないです!!
カリウムに至っては茹でわらびの320倍と、ほんまかい!と思わず疑ってしまうレベル笑
乾燥させると何で栄養素が激増するのか!?
その理由は2つ。
一つ目は、乾燥させる事で水分が抜けて重量が変わるから。同じ100gでも乾燥させた物は軽くなるので、それだけ量が増えるというちょっとずるいカラクリ笑
でも水分が抜けた分、栄養素や旨味は凝縮するので、味や栄養価を高めるなら乾燥が断然オススメです!
二つ目は、紫外線による作用。
野菜や果物は紫外線によって栄養素が増える特性があるので、日光をたっぷり浴びたわらびは栄養価が数倍もレベルアップするんです!
乾燥わらびはスーパーなどでも購入できますが、自分で乾燥させる事もできます。
乾燥わらびの作り方はこちらのサイトで紹介しています。
わらびの旬と美味しいわらびの見分け方
わらびの旬は春〜初夏(4〜5月)にかけてです。
美味しいわらびの選び方は
- 産毛がたくさん付いている
- 茎が太く短い
- 首が上を向いていない
の3つ。
鮮度が落ちると茶色に変色してきます。
わらび餅には山菜であるワラビの根元から採取した粉末(わらび粉)が含まれている。
参考文献
まとめ
わらびの栄養素には、葉酸が豊富に含まれている為、妊婦さんにオススメ!
他にも肌荒れ防止などを肌の調子を整えるビタミンB2,Eや便秘解消の食物繊維も多く含まれています。
ただ、熱を通す事で流れ出てしまう栄養素もありますが、乾燥させる事で減らない上に栄養素も凝縮されるのでオススメ!
わらびの独特な香りにはデトックスの効能もある為、妊婦さんの栄養補給に取り入れてみてはいかがでしょうか?
こちらの記事もご覧ください。
妊婦さんには枝豆もオススメです!詳しくはこちらで解説しています。