高血圧は、そうでない人と比較すると脳卒中になる確率が3倍以上も高くなります!
そんなリスキーな高血圧ですが、そのストレスからうつに発展する事もあるって知ってましたか?
うつになると、高血圧を悪化させたり、意欲の減退などにより治療に支障が出るかもしれません!
そこで今回は、ストレス・うつ・高血圧の関係性について解説していきます!
突然ですが、以下の項目をチェックしてみて下さい!
1 | ほとんど毎日、1日中ずっと気分が落ち込んでいる |
2 | ほとんど毎日、1日中ずっと何に対する興味もなく、喜びを感じない |
3 | ほとんど毎日、食欲が低下(増加)し、体重の減少(増加)が著しい |
4 | ほとんど毎日、眠れない、もしくは寝すぎている |
5 | ほとんど毎日、話し方や動作が鈍くなったり、イライラしたり、落ち着きがなくなったりする |
6 | ほとんど毎日、疲れやすかったり、やる気がなかったりする |
7 | ほとんど毎日、自分に価値がないと感じたり、自分を責めるような気持ちになる |
8 | ほとんど毎日、考えがまとまらず集中力が低下して、決断できない |
9 | 自分を傷つけたり、死ぬことを考えたり、その計画を立てる |
これは、アメリカ精神医学会で作成された「DSM-5 」という、うつ病の診断基準です。
上記のチェックリストに記されている9つの症状のうち、1または2を含む5つ以上の症状があり、それが2週間以上続いている場合に「うつ病」と診断されます。
あなたはどうでしたか?
目次
うつとは
仕事や学業、人間関係など様々な事が原因でストレスが溜まり、憂うつな気分になったり気持ちが落ち込んでしまうことありますよね?
この状態を抑うつと呼び、それが一定期間経っても治らないと、うつとなります。
先述したように、うつは気分の落ち込みや意欲の低下、不眠、身体のだるさなどの抑うつ症状が2週間以上続くと診断がつく可能性があります。
うつの分類
うつ病は、原因によって3つに分類されます。
1つ目は、身体因性うつです。このうつは、脳卒中やアルツハイマー型認知症や甲状腺機能低下症などの病気がうつの原因になっている場合です。
脳の病気によるうつに関して詳しくはこちらを参照してください<<<うつ病は脳疾患の後遺症!?その発生機序と注意点を解説!>>>
2つ目は、内因性うつです。このうつは、3つの中でも典型的なうつであり、ストレスが引き金となる事がありますが、はっきりした原因がないのに発症する事もあります。
このうつの特徴は、薬が効果的に作用し、治療しなくても良くなる場合もあります。
3つ目は、心因性うつです。これは、性格や環境が原因として引き起こされます。
うつ病は、心理的なストレスをきっかけとして発症する事が多く、内因性と心因性を明確に分けることは難しいと言われています。
心の病気ですからね。
身体の異変のように原因が目に見えにくいのもうつを始め精神的問題の特徴ですね。
うつ病の発症要因
うつ病は、脳内物質である「セロトニン」と「ノルアドレナリン」の働きに影響を及ぼします。
セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれているように、心のバランスを整えてポジティブシンキングのカギになる物質です!
他にも睡眠や自律神経の調整、痛みの調整などにも作用します。
ノルアドレナリンは、ストレスホルモンとも呼ばれ、大事な場面で注意・集中力や意欲、記憶力を高めてストレスに立ち向かう為に重要な物質です!
しかし、これらの脳内物質がうつのメカニズムかどうかはまだ推測に過ぎず、明確になっているわけではないようです。
うつの症状
うつの症状には、身体面と精神面に現れるものがあります。中には、自分では気付かない症状もあるので、注意が必要です。
精神面の症状には
- 不安、焦り、イライラ
- 無関心
- 表情の変化が少なくなる
- 気分が落ち込む
- 意欲の減退
- ネガティブな思考
- 集中力低下
- 飲酒量が増える
- 服装や外見に無頓着
など。
身体面の症状では
- 頭痛
- 耳鳴り
- 睡眠障害
- 肩こり
- 性欲減退、勃起不全
- 生理不順
- 腹痛、下痢、便秘
など。
身体面に起きる症状は気づきやすいですが、精神面に起きる症状は、見過ごされやすいものも多い為、うつと気づかない場合もあるかもしれません。
こういった場合、周りの人が異変に気付く事も大切なことですね。
うつになりやすい性格がある!?
うつは、様々なストレスによって引き起こされる事が多いですが、同じストレスを受ければ皆がうつになってしまうわけではないですよね?
実は、うつになりやすい性格があるんです!
その性格は、大きく3つに分けられます。
1つ目は、真面目な人。
このタイプの人は、周囲の期待に応えようと無理をしてしまうのが特徴的です。その結果、自分のキャパを超えてしまい、どんどんストレスが溜まり、うつを発症しやすくなります。
僕も見た目のチャラさとは裏腹に、周りからは「真面目だよね」と良く言われます。でも自分ではまったくの無意識なんです。
そんな風に無自覚のまま自分を追い込んでしまうのかもしれないですね。
あ、僕もチェックリストやってみましたけど、うつではないですからね(笑)
2つ目は、完璧主義な人。
完璧でなければ気が済まず、手を抜く事ができない傾向ががありますね。だけど、何に対しても完璧にこなすのは中々骨が折れますし、何から何まで完璧になんて考えてたら、それだけでストレスは溜まりますよね。
実は僕も完璧主義なんです。
だけど、高倉健並に不器用なので、完璧にこなせるわけも無いんですけど、そこにこだわり過ぎてしまうので、いつまでも作業が捗らないんです。
ブログを書いている時がまさにそうですね(笑)
考えすぎる結果、今回の記事の画像のようになってます(´・ω・)
また、自信ももてず、そして周りからの評価が気になり過ぎて、知らずのうちにストレスを感じちゃってるんですね。
そりゃ抜け毛も増えます(笑)
3つ目は、自己表現が苦手な人。
自分の意見を他者にうまく伝えられなかったり、感じた事や思っている事を自分の中に溜め込んでしまう為、過度にストレスが溜まってしまいます。
これは皆さんも経験ありますよね?
言いたいけど、言えないというもどかしさ。それを心の中で考えてしまっている時点でストレスになっちゃってます。
これら3つは別々に分けられるわけではなく、相互に関係しています!
そして、これらの性格に共通するのが
優先順位をつけるのが苦手で他者に合わせてしまうという事。
良く言えば、空気を読むという事なのかもしれませんが、自分のことを後回しにしてしまう結果、ストレスばかりが溜まり、コップの水が溢れかえってしまうかもしれません!
ストレスは、うつだけでなく高血圧を引き起こす事にもなるので、改めて自分の性格を見つめ直してみたり、周りの人に相談してみる事も必要かもしれないですね。
高血圧とうつは相互に影響している
ストレスを受けると、身体の中ではそのストレスに対抗する為にストレスホルモンの分泌が活発になったり、交感神経が優位になる事で血圧が上がります。
この状態が慢性化する、つまり持続的なストレスによってストレスホルモンが増えすぎたり、交感神経が活発になり過ぎると高血圧を引き起こします。
高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの成人病の発症リスクを確実に高めますが、別名「サイレントキラー」と呼ばれているように、自覚症状が現れにくい為、軽視してしまい、治療を怠ってしまう人が多いのも厄介な所です。
その一方で、高血圧を引き金にうつを発症してしまう場合もあります!
ここからは、うつと高血圧の関係性について触れていきたいと思います。
香川県のある病院の循環器外来を受診した147人の患者さんのうつ症状の程度を測定した調査
(自己記入による問診票を使用)「中津高明他: Prog Med 26(2): 527-530, 2006」
によると、高血圧の患者さんの30%にうつが認められたとの事です!
高血圧がうつを引き起こす!
生活習慣が影響していると言われている(本態性)高血圧の一因にストレスがあります。
そして、ストレスを始め高血圧の原因やうつの原因は相互に影響し合っているんです!
例えば、ストレスが溜まれば食欲が減退(増加)したり、不眠になりますし、意欲や興味がなくなれば運動不足にもなります。
また、完璧主義・真面目な性格によって、自分の体の事を考えずに、無理をしてしまう傾向もある為、それがストレスを溜め込んでうつや高血圧を招く事も十分に考えられます!
高血圧になりやすい人というのは、同時にうつになりやすいということです。
高血圧の薬がうつを起こす
実は、高血圧を治療する為の薬(降圧剤)が、うつを招く可能性もあるんです!
高血圧治療の一部の薬の副作用には、不眠や意欲の低下、憂うつ気分などを引き起こすものがあります。
うつの改善が高血圧の改善に繋がる!
高血圧の治療を行っているにも関わらず、中々効果がでない場合はうつを併発している可能性が高くなります!
その理由は、うつの症状である不眠やうつになりやすい性格上、焦りや不安が強くなってしまい、心身共に休まる時がない為です。
これにより、交感神経は高いままになり、高血圧を伴います。
また、うつに伴う意欲の減退によって、高血圧の治療薬を正しく飲めなくなってしまう事も一つの要因となります。
僕は、毎日犬の散歩をしているのですが、不眠や寒さでモチベーションが下がってしまうと「今日はいいや。明日やろ」と考えてしまうことが結構あります(笑)
うつの方の場合、このような意欲の減退が明確な理由なく現れ、また持続して認められてしまう為、継続が重要な高血圧の治療に支障を来してしまうんです!
しかし!
高血圧の治療と平行して、うつの治療を行うことで、高血圧を改善できたという報告もあるので、血圧の値が改善しないなと思ったら、うつが関係している可能性もあるかもしれません。
ですから、良くならないと感じたら、うつの可能性も考えて周りの人やお医者さんに相談する事が、高血圧とうつを改善する最初の1歩になるかもしれませんよ。
まとめ
高血圧の原因とうつの原因は相互に影響し合っています。
ストレス、過食、不眠、運動不足など、これらは個別に分けられるわけではなく、相互に影響を与えている為、高血圧とうつが同時に起きる事が多くあります。
また、完璧主義・真面目な性格によって、自分を追い詰めてしまい、そのストレスから高血圧を招く事も考えられます。
また、降圧剤の副作用でうつが生じることもあります。
更に、高血圧が中々改善されないという場合に、うつを併発していることが多くなります。
それは、うつに伴う焦りや不安が高血圧を助長している為、そして意欲の減退により降圧剤が正しく服用できない事などが考えられます。
しかし、逆に考えれば、うつを改善すれば高血圧も改善できるかもしれないということ。
うつの可能性も考えて、周りの人やお医者さんに相談してみる事も治療の1歩かもしれませんね。
うつや高血圧を引き起こすストレスは、寝不足が元でも起きますよ!詳しくは、こちらの記事もご覧ください。