低血圧は、めまいや立ちくらみ、倦怠感、不眠などの症状により日常生活に支障を来して活動のパフォーマンスを低下させてしまいます。
そこで活用して欲しいのが漢方薬です!
漢方薬は、本来人が持つ自然治癒力を高める作用がある為、低血圧を根本から改善する事ができます!
そこで今回は、手軽に購入できる低血圧の改善に効く市販の漢方薬を紹介します!
目次
中医学と低血圧
低血圧は、血圧の値が100mmHg/60mmHg未満の状態を目安としていますが、明確な基準はありません。
低血圧の状態は、心臓のポンプ作用が低下し血液量が少なくなっている為に、酸素や栄養素の運搬が不十分になります。
結果として脳や筋肉は栄養不足となり、めまいや倦怠感(だるさ)、疲れやすさ、眠気などの症状を伴います。
中医学(中国を中心とする伝統医学)では、低血圧のような病気でもなく、健康でもない状態を「未病」と呼び、ここから病気に進行させない「予防医学」としての側面があります。
他にも人と自然との相互のバランスを重視した「バランス医学」、一人ひとりの体質や症状、病気に合わせて治療を行う「オーダーメイド医学」などの特徴があります。
中医学では、低血圧の原因を以下のようにタイプ別に分類しています。
気血両虚タイプ
低血圧は血液量が減少することが原因であると先述しました。
血液量が減る原因として、長期間の栄養不足により胃腸の機能が低下し、栄養の吸収が不充分となる事で造血作用が低下します。
これにより、心臓から血液を送り出すエネルギーである「気」の力が低下します。
そして、貧血や怪我や月経、慢性病やストレスなどで「血」が減ります。
気血両虚は、上記による「血」の不足と、中医学の考え方である血液を押し出す力「気」が弱まる事により低血圧を引き起こす状態を指します。
つまり、「気」と「血」の両方の不足で低血圧を起こすという考え方です。
症状は
- 疲れやすい
- 食欲不振
- 動悸
- めまい
- 経血量が少ない
などです。
気陰両虚タイプ
血液の成分の半分以上は水分で構成されています。その為、水分が不足する事で血液量が減少して低血圧を招きます。
また、慢性病や加齢、虚弱体質、過労、加齢、ストレスなどによって血液を押し出す力である「気」が弱くなることでも低血圧を伴います。
気陰両虚とは、中医学の考え方で水分を表す「陰」とエネルギーを表す「気」が不足している状態を指します。
症状は
- ふらつき
- 耳鳴り
- 足腰がだるい
- 便秘
- 口渇
などです。
脾腎陽虚タイプ
「腎」は生命エネルギーそのものを指し、「碑」は全身に栄養を運ぶ「血」を作る胃腸などの消化器系を指します。
脾腎陽虚タイプは慢性病や加齢、過労によって「腎」が低下する事と元々の虚弱体質や食生活の乱れによって「碑」が低下する事で低血圧になる状態です。
また、運動不足や加齢に伴う心肺機能の低下で、酸素の運搬機能が低下するとポンプ力を生む「気」が弱まることでも低血圧を起こします。
症状は
- 目の前が暗くなる
- 体の冷え
- 物忘れ
- 浮腫
- 顔色が白い
- 頻尿
などです。
中医学の特徴は、人が持っている自然治癒力を高め、症状や体質に合わせて諸症状の改善を図ります。
その体質改善に使われるのが、漢方薬なんです!
漢方薬とは
私達に馴染みのある薬(西洋薬)は、弱っている体の機能を薬が補ってくれます。
ですが、弱っている機能が改善されるわけではない為、効果が切れるとまた症状が現れます。
漢方薬は、本来体がもつ自然治癒力を高めて自力で症状の改善を図る事を目的とするものです。
低血圧のように病気に分類されないような症状は、漢方薬で体質改善を図るのが効果的です。
漢方薬は、草や木、動物など、自然にあるものを原料にして作られています。
つまりは、人工的に作られた成分ではなく、自然そのものから出来ているからこそ、副作用が少なく自然の力を取り入れて本来の力を引き出す事ができるんです!
漢方では、人の体は「気」、「血」、「水」の3つで構成されていると考えられています。
「気」は、人の体を支えるエネルギーの源であり、目に見えない力です。
「血」は、栄養や酸素を脳や心臓の他、全身の組織や器官に送り届ける役割があります。
「水」は、体内に含まれる水分(血液以外の水分)を指し、体をうるおし「血」の円滑な循環の為にも必要になります。
漢方薬は、これらのバランスを考え、今の状態に応じて選ぶ必要があります。
低血圧の改善に効果的な市販の漢方薬
病院でも漢方薬を処方してもらえますが、市販されている漢方薬もあります。
漢方専門店や一般のドラッグストアで市販の漢方薬を購入する事ができます。専門員の人がいるので、相談しながら購入できるのが大きなメリットです。
今回は、市販の漢方薬で、低血圧に効果のあるものを低血圧のタイプ別に紹介していきます!
気血両虚タイプに効く漢方薬
- 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
などです。
これらの漢方薬は、全身の機能を高めて代謝を促すとともに、胃腸のはたらきを高め、食べ物の栄養分を消化吸収できるようにして「気」と「血(けつ)」を増やします。
同時に、「気」「血(けつ)」をめぐらせ、全身にいきわたるようにします。
気陰両虚タイプに効く漢方薬
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
- 香蘇散(こうそさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
などです。
これらの漢方薬は、体の中の水分(陰)を調整したり、「気」の巡りを良くする事で血流や体内の水分を調整して低血圧を改善します。
脾腎陽虚タイプに効く漢方薬
- 苓桂朮甘湯(れいけいじゅつかんとう)
- 五苓散(ごれいさん)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
これらの漢方薬は、血行の促進と消化器系機能の促進により低血圧の改善に効果を示します。
市販で購入できるとは言え、漢方薬にも種類がたくさんあり、どれを購入すれば良いか迷ってしまいますよね?
低血圧にも症状は様々ですので、自分の症状に合わせて漢方薬を選び、低血圧の改善を図りましょう!
また、市販であれば、手に取って見れますし、パッケージには適応症状が具体的に記載されていますので、しっかり確認をしましょう!
詳しい事などは直接販売員の人や薬剤師の人に尋ねてみると安心ですね。
まとめ
低血圧は、中医学では未病と呼ばれ、病気でも健康でもない状態の事を指します。
中医学では低血圧を3つに分類しています。
気血両虚タイプは、血液を送り出すエネルギーである「気」と全身に栄養や酸素を送り届ける「血」の両方の不足によって低血圧を起こします。
気陰両虚タイプは、水分を表す「陰」とエネルギーを表す「気」が不足している状態を指します。
脾腎陽虚タイプは、生命エネルギーそのものを指す「腎」とは全身に栄養を運ぶ「血」を作る胃腸などの消化器系を指す「碑」が不足した状態です。
低血圧と一言で言っても症状は様々です。
漢方薬を使用する際は、自分の症状に照らし合わせて選ぶようにしましょう!
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