日本人の死因の大半を占める三大成人病
実際、どのくらい私たちの身近な病気なのか、イメージの湧かない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、厚生労働省の実態調査と僕の経験談も交えて、三大成人病について出来るだけイメージが湧きやすいように解説をしていきます!
この記事を読み終えた後、いかに身近な病気かが分かるはずです!
目次
三大成人病とは
さて、まずは三大成人病について解説していこうと思います。
三大成人病とは
- 脳卒中
- がん
- 心臓病
を総称した名称になります。
そして、「成人病」という言葉は、三大成人病が40〜60代の働き盛りに多い病気というところからその名前が付きました。
昭和30年代の話です。
当時は年を重ねれば脳卒中やがん、心臓病といった三大成人病になってしまうのは仕方がないと考えられていたそうです。
つまり、打つ手なしの三大大病と言っても過言でなかったのかもしれません。
ですが、研究が進むにつれて
- 食生活
- 運動習慣
- ストレス
- 睡眠
- 喫煙
- 飲酒
などの生活習慣が三大成人病の発症に大きく関与している事が分かってきました。
それに伴い、「成人病」→「生活習慣病」という呼び方に変わってきたんです。
なので、最近では「三大成人病」ではなく「三大疾病」とか「三大生活習慣病」なんて呼んでいます。
保険のCMなんかで聞いたことありますよね?
今回は便宜上「三大成人病」で話を進めていきますね。
厚生労働省とは
厚生労働省とは、「私たちの生活を豊かにする為に活動している国の行政機関の一つ」です。
厚生労働省は、社会保障制度の整備を担当しています。社会保障とは、以下の4つに分けられます!
- 障害などで生活上の支援を必要としている人の援助をする「社会福祉」…高齢者、障害者施設など
- 病気の予防を目的とした「公衆衛生」…予防接種、健康診断など
- 私たちが病気やケガ、出産、失業などの状況になった際、生活を支えてくれる「社会保険」…介護保険、医療保険、年金など
- 貧困により、自力での生活が難しい時に自立を助ける「公的扶助」…生活保護
そして、実態調査を通して社会保障の実情を数字で公表してくれているんです。
イメージをするには数字が最も分かりやすいと思いますので、ここからは調査結果を紹介していきます。
【厚生労働省の調査と三大成人病】その1 統計
ここからは、厚生労働省が行った実態調査から、三大成人病を発症する人がどれくらいいるのかを見ていきましょう!
僕は数学は苦手ですが、こういった調査結果は分かりやすいので好きだったりします!(頭をあまり使わなくて済みますし)
罹患者数
平成26年度の統計では
- 心疾患(高血圧性のものを除く):約198万人(外来、入院患者を合算)
- 脳卒中:約253万人(外来、入院患者を合算)
- がん(悪性新生物):約391万人(外来、入院患者を合算)
厚生労働省の『平成29年患者調査の概況』より抜粋
平成29年の日本の人口は約1億3千人(総務省調べ)ですから、三大成人病だけで日本の全人口の約6%の人が罹患していることになります。
年代別に見てみると、特に多くなるのが
- がん(悪性新生物):75~84歳頃
- 心疾患 :80~89歳頃
- 脳血管疾患 :80~89歳頃
厚生労働省 死因順位1)(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合2)平成21年より抜粋
実際、僕の担当しているご利用者様でも脳卒中や心疾患が診断名に付いている方が多いです。
というのも、主な疾患が骨折や認知症でも過去に三大成人病である脳卒中や心疾患を発症したことのある人が多いんですよ。
ちなみに、脳卒中を発症した人で心疾患を併発している人が多いのも事実です。
心臓と脳は血管で繋がっていますから、心臓が元で脳に悪影響を及ぼす可能性があるんです。
死亡者数
- がん(悪性新生物):約37 万人
- 心臓病 :約19 万人
- 脳卒中:約10 万人
これら三大成人病だけで平成28年の死亡者数約130万人のうち、半分近くを占めていることが分かります。
厚生労働省の『平成28年人口動態統計の年間推計』より抜粋
この数字は、平成21年以降ほぼ横ばい状態です。
厚生労働省の実態調査により三大成人病の原因が解明されているものの、未だ予防への関心は低いのかもしれません。
まだ発症していない人の関心が薄い事もそうですが、発症した後の人も予防(再発)の意識が薄い人は多いです。
僕の担当している方でも、脳卒中を発症しているにも関わらず喫煙をやめられない方もいます…。
【厚生労働省の調査と三大成人病】その2 生活習慣
ここでは、厚生労働省が行った実態調査のうち、三大成人病へのリスクとなる生活習慣の実態をいくつか抜粋して解説していきたいと思います。
三大成人病の予防に関しては、こちらの記事で詳しく書いていますので、チェックしてみて下さい
⇒「生活習慣が三大成人病を招く!?その理由と予防方法はこちら!」
運動
運動習慣のある人の割合は、
- 男性 37.8%
- 女性 27.3%
であり、ここ10 年間での変動は男女ともに少ないようです。
年代別にみると、
- 男性17.1%
- 女性8.3%
となっています。ちなみに、20代の割合が最も少ないようです…。
頑張れ若者!!
20代で運動不足が目立つというのは、正直驚きでした。
若い頃からの運動不足が続くと、年を重ねる度に脂肪がみるみる蓄積し、現役バリバリの大事な時期に三大成人病を発症してしまうかもしれません。
食事
1日2回以上、主食・主菜・副菜をバランス良く食べることがほぼ毎日できているのは
- 男性 47.6%
- 女性 52.7%
食事も運動と同じように、若い世代ほど習慣が乱れているようです。
特に、副菜(主にビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富に含まれている 野菜・きのこ・いも・海藻料理など)を食べる機会が少ないようです。
副菜は糖質やタンパク質の代謝に効率的に働く為、不足すると肥満などの要因になりやすいです。
次に外食に関してです。週1回以上、外で食事をする人は
- 男性 40.6%
- 女性 25.1%
という結果になっています。これも若い世代ほどその数値が高いようです!
これは、男女で数値に差が出ましたね。これは推測ですが、自炊が出来るかどうか、ぼっち食いができるかどうかが結果に影響しているのかもしれませんね。
そして、外食をすると食べたいものを食べてしまう傾向がありますから、どうしても栄養バランスは偏ってしまうものです。
次に栄養成分表示に関してですが、惣菜や弁当を購入する時にチェックしている割合は
- 男性 26.1%
- 女性53.0%
また、栄養成分表示をチェックしてる人は「エネルギー=カロリー」を見ている人が多いようです。
これも男女差がはっきり出ましたね。成分表示を確認してみると、何気なく食べていた物が意外にカロリーが高い事が分かると思います。
ダイエットを始める上で成分表示の確認(=カロリーコントロール)は、手軽に取り組め且つ結果も出易い為おススメです!
睡眠
これも厚生労働省の調査から得た情報ですが、1日あたりの平均睡眠時間は、6時間~7時間の人が多いようです。
また、6時間未満になってしまうと睡眠の質も低くなってしまいます。それが原因で、昼間眠くなりやすいんですねぇ。
個人差はあると思いますが、睡眠時間によって日中の活動の質にも影響が出てしまうのは問題ですね。やっぱり、規則正しい生活を送る事は、健康維持の秘訣です!
飲酒・喫煙
三大成人病の発症確率を高めてしまうほど飲酒をしている人は、男性 13.9%で、50歳代の人に特に多く、女性は 8.1%で 40 歳代に多いようです。
習慣的にたばこを吸ってる人の割合は男性 30.1%で30歳代に多く、女性は7.9%で40歳代に多いようです。
これらも男性の割合が有意に高くなっていますね。それだけ男性の三大成人病のリスクが高くなってしまうという事です。また、男性のほうが短命なのもこれらの結果が影響していそうです。
ただ、ここ10年でみると喫煙率が減少しており、健康に気を配っている人も少なからず増えているのかもしれません。
いや、そうであってほしい!
実際、アイコス吸ってる人が街中や友人に急増してますしね(笑)
以上、厚生労働省『平成 27 年国民健康・栄養調査結果の概要』より抜粋
私がリハビリで担当してきた利用者さんの半分ほどは、三大成人病に罹患していました。
そして病前の話を聞くと、結構遊んでた人が多かったです(笑)
それを思い返すと、生活習慣て大事なんだなと考えさせられます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
厚生労働省では、このように様々な調査が行われている事が分かったかと思います。
今回は三大成人病に焦点を当てて視ていきましたが、これは厚生労働省が実施している調査の一部です。
このような数字で表せる調査結果は、現状の実態を客観的に捉える事ができます。
問題が明確に把握できる事で、実行に移す一つのきっかけになるのでは、ないでしょうか?
これを機に、皆さんも厚生労働省の調査結果をチェックして、健康管理の参考にしてみてはいかがでしょうか!?
こちらの記事もご覧ください
⇒生活習慣が三大成人病を招く!?その理由と予防方法はこちら!
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