妊娠して血圧が140/90mmHgを超えていたら妊娠高血圧症かもしれません!
高血圧は一生涯後遺症が残る可能性の高い脳卒中のリスクとなり、赤ちゃんに影響が生じる事も。
厄介な事に自覚症状がない場合がほとんどなので、意識的に注意を向けていく必要があります。
今回は、妊娠高血圧症の予防で重要な事をお伝えしていきます。
目次
妊娠高血圧症とは
今回は、妊娠前後で注意したい「妊娠高血圧症」とその予防方法について解説をしていきます。
まず妊娠高血圧症とは、その名の通り妊娠を期に高血圧(140/90mmHg以上)になる事を指し、一般的には妊娠20週以降に認められます。
妊娠時の高血圧は以下の3種類に分類される
- 妊娠20週目以降で高血圧のみ「妊娠高血圧症」
- 妊娠前から血圧が高い、20週より前に高血圧になる「高血圧合併妊娠」
- 高血圧と蛋白尿(もしくは肝臓・腎臓、神経障害、胎児の発育不良)を認める「妊娠高血圧腎症」
高血圧は自覚症状がほとんどない為、軽視されがちなのですが、日本人の死因4位でもある脳卒中のリスクにもなります。
また、仮に胎盤機能が低下すると、赤ちゃんの発育不全になるなどの悪影響が及ぶ可能性もあります。
この病気の原因は明確になっていないものの、以下の項目が関係しているのではないかと言われています。
- 高齢出産(40歳以上)
- 肥満体型
- 家族に高血圧の人がいる
- 高血圧、腎臓病、糖尿病などの持病がある
- 双子などの胎児妊娠
- 初めての妊娠
- 過去に妊娠高血圧症と言われた事がある
肥満気味の人は要注意!
妊娠高血圧症を発症する方の多くが肥満体型である場合が多いようです。
一般的な高血圧の方においても肥満傾向であるケースが多く、関連性の深さを物語っていますね。
以前テレビで、妊娠高血圧症によって脳出血を発症してしまったお母さんの特集をやっていたのですが、その方も肥満気味の体型だったのを覚えています。
また、仕事をしていた方が産休に入り、活動量が減ったけど食事量が変わらないというのも肥満の原因となっているようですね。
妊娠後はつわりなどで食事量減ったんですけど?
って人も要注意です!
妊娠後期は子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫を受けて一度に摂取する食事量が減る一方で間食が増え、全体的なカロリー摂取量が増えてしまうケースも多いんです。
間食が辞められなくて痩せられないという人も多いですからね。
そう考えると、予防には食事と運動が重要だという事が見えてきましたね。
妊娠中の血圧上昇は胎児を守る為?
今回の妊娠高血圧症の予防とは少し話がずれてしまうのですが、実は妊娠に伴う血圧上昇は胎児を守る為の現象である場合もあります。
もし胎盤機能が低下していた場合、栄養や酸素を血液に乗せて胎児に送り届ける量が不十分になります。
その代償として、血圧を上昇させている可能性もあるからです。
そのため、血圧が上がったからといって降圧剤を服用すると、かえって低栄養・低酸素状態になってしまい胎児に悪影響が出てしまう可能性もあるんです。
なので妊娠高血圧症の治療は、医師の指示の下に慎重に行う場合が多いようです。
その為、出来る限り妊娠前・妊娠初期から発症そのものを予防する事が重要です!
妊娠高血圧症の予防で重要な2つのポイント
妊娠高血圧症を予防するポイントについてお伝えする前に重要な事があります。
それは、定期的な受診はもちろんですが、必ず予防対策の内容は医師に相談してから実施する事。
情報と言うのはあくまでも一般論でしかありません。
なので、個別的に状態を把握した上で一般論を自分の状態に合わせて落とし込んでいく必要があります。
医師と体調や方向性について共有した上で、これから紹介する予防方法を実践してもらえればと思います。
妊娠高血圧症の予防 その1【食事】
食事で注意したいのが、糖質の摂り過ぎです。
いわゆる炭水化物ですね。
近年、注目の的にもなっている糖質ですが、その理由は糖質の過剰摂取が肥満の原因になりやすいからです。
ましてや街中で売られている食べ物(お菓子などを含む)は、過半数と言って良い程に糖質が含まれています。
糖質オフを中心とした食品も増えてきてはいますが、それでも選択肢は糖質ありの食品が多いですよね。
糖質には中毒性もあるので尚のこと注意が必要です!
そして間食にも要注意!
仮に一度に食べる量が少なくても総合的な摂取量が多くなれば、当然太ります。
ましてやお菓子類には砂糖などの糖質が多く含まれているので要注意です。
食事は”糖質”の摂り過ぎに注意する事が妊娠高血圧症の予防に大切
塩分に関しては高血圧を引き起こすとも言われているのですが、近年は否定的な意見も出てきています。
特に過剰に摂取しなければ問題ないと思いますが、定期受診やこまめな血圧測定で体調変動がないかチェックしていく事が大切です。
妊娠高血圧症の予防 その2【運動】
運動不足になると代謝機能が低下するので肥満の原因になります。
また、血液の通り道である血管は普段から運動習慣がないと柔軟性は低下します。
そんな状態で妊娠すると血管に負担が掛かりやすく、高血圧を引き起こす可能性もあります。
若いうちはそんな極端に血管が脆くなったり破れるわけではないですが、リスクが高くなる事は明確です。
いずれにしても運動不足は妊娠高血圧症の予防には欠かせません。
ウォーキング
ウォーキングなどの低負荷の有酸素運動は脂肪をエネルギー源としている為、肥満の予防には非常に効果的です。
また、ストレス解消にも繋がり心身のリラックス効果が期待できます。
それにより妊娠高血圧症を予防出来るわけです。
- 呼吸(特に吐く事)を意識する
- 自分のペースで歩く(軽く息が切れる程度)
- 静かな公園や散歩道を選択
- 水辺や緑のある場所(公園などの植木がある場所でOK)はストレス緩和効果を高めてくれる
最近ではマタニティ ヨガなど妊娠中に出来る運動もありますが、これもリラックス効果を狙ったものですね。
ウォーキングなどの低負荷の有酸素運動は、脂肪燃焼・ストレス緩和で妊娠高血圧症の予防に効果的
リハビリの専門家がオススメしたい妊婦さん向けストレッチ
ストレッチは血行促進効果があるため、高血圧の予防に効果的です。
特に妊婦さんは首〜肩甲骨周りが硬くなりやすい為、それらのストレッチが重要になります。
- 椅子に腰掛ける
- 両方の肩を並行にする
- 両肩を耳に近付けるように挙げたまま10秒維持
- ストンと力を抜く
3セット
- 仰向けor椅子に座る
- 両方の肩甲骨の内側を背骨に引き寄せるように力をいれる
10回×3セット
妊娠高血圧症の予防を考える時の注意点
ここまで妊娠高血圧症の予防について解説してきましたが注意点もあります。
- 過度な水分制限や利尿剤の使用は、血栓という血の塊を作りやすくしてしまう
- 筋トレなどの無酸素運動や高負荷の運動は、体への負担が増して高血圧を助長する可能性があるため妊娠中は控える
- 妊娠高血圧症を既に患っている場合、状態によっては運動が禁忌になる事もある
- 妊娠中に未経験の運動を始める場合「開始時期は妊娠12週以降で、経過に異常がないこと」という条件がある
既に高血圧の人もそうでない人も医師に相談しながら進めていく事が大切ですね。
妊娠前から高血圧予防を考えている方はこちらも参考にして下さい。
まとめ
妊娠高血圧症の原因は明確になっていませんが、元々の生活習慣や体質が発症に関係している傾向もある為、生活習慣を見直す事は予防だけでなく悪化を防ぐ為にも大切です。
ポイントは”食事”と”運動”
高血圧の予防にはこの2本柱が非常に重要なウエイトを占めています。
元気な赤ちゃんを出産出来るよう、医師と相談しながら体調管理をしっかりと行って行きたいですね。
妊婦さんは低血圧にも注意が必要です!
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