日本人の3人に1人が高血圧と言われているなど、高血圧は国民病と言っても過言ではないかもしれません。
その高血圧の原因の約8-9割が生活習慣が関係していると言われています。
今回は、現代人の悩みで多いと思われる寝不足・ストレスと高血圧との関係について解説していきます!
目次
ストレスと高血圧の関係
寝不足やストレスで悩んでいる人は多いと思いますが、今回は高血圧との関係について解説していきます。
実際、みやっちも寝不足で朝を迎える事が結構あります。
そんなありがちな寝不足が体にどんな影響を与えるのか、これから分かりやすく解説していきますよ(^ ^)
まず最初に、ストレスと高血圧の関係について。
慢性的なストレスは、持続的に交感神経を興奮させて高血圧を引き起こします!
簡単に説明すると、ストレスを受けると血圧を上げる作用のあるホルモン(コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリン)の分泌量が増えて心臓の働きを強めたり、血管を収縮させます。
一時的なストレス(試合や会議での発表など)であれば問題ありませんが、慢性的なストレスは常に交感神経が興奮している状態になる為、血圧が常に高い状態が維持されてしまうんです。
これによって高血圧に発展してしまうわけです!
ストレスと血圧の関係は実は大切!?
ストレスは血圧を高くするし、病気のリスクも高くなるから体に毒なんじゃないか!?
と思ってしまう人もいるかもしれませんが、本来、ストレスは僕達が生きていく上で必要な身体反応なんです!
どういう事か説明しますね(^ ^)
ストレスを感じると交感神経が活性化すると先述しました。
交感神経は「闘争か逃走」の神経と言われているように、戦う時や逃げる時など臨戦態勢になる状態で働きます。
例えばスポーツの試合前。
大事な試合の前ですから、緊張しますよね?
この時の緊張感も一種のストレスなんです。
この時のストレスによって
- 心拍数と血圧の上昇により、全身に栄養や酸素をたくさん流す
- 瞳孔が散大する為、相手を良く見れる
- 血管が収縮することで筋肉は緊張して働きやすくなる
など、他にも様々な変化が起き、パフォーマンスを向上させてくれるんです!
ボクサーが試合前にピリピリな空気になるのも、意図的に興奮状態を作って交感神経を活性化させているのかもしれませんね(^ ^)
本当に怒っているケースもあると思いますが(笑)
しかし、先述したように慢性的なストレスは、持続的に交感神経優位の状態になってしまう為に高血圧を招いてしまうんです!
つまり常に体は状態にあるって事です。
そうなると、眠りの質が下がって寝不足にも繋がっていきます。
寝不足と高血圧の関係
では、寝不足と高血圧にはどんな関係があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう(^ ^)
寝不足で体は興奮状態
先述したように寝不足が続くと、身体・精神ともに興奮状態(交感神経優位)にある為、血圧が上がりやすい状態になります。
また、なかなか寝つきがよくない人や途中で起きてしまう人は、高血圧のリスクが2倍になるとも言われています。
寝不足が血圧に与える影響は大きいですね。
更に、血糖値の調整に重要なインスリンの働きが悪くなる為、糖尿病のリスクにも繋がります。
糖尿病から高血圧には発展することもあるなど、たかが寝不足と油断はできないですね。
寝不足と成長ホルモンの関係
睡眠中には、細胞の修復や成長促進、免疫機能向上に重要な成長ホルモンが分泌されています。
しかし、寝不足になるとこの成長ホルモンの分泌が十分に身体に行き渡らなくなります。
すると、コレステロールの上昇や内臓脂肪が蓄積しやすくなって高血圧を引き起こします。
内臓脂肪と高血圧の関係に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
他にも、心疾患のリスク向上や骨の弱化、肌荒れ、疲れやすいなどの弊害が出てしまいます。
健康を維持する為には、良質な眠りを取ってこの成長ホルモンにしっかり働いてもらうことが重要なんですね!
よく寝てないアピールをしてくる人がいましたが、それはもう不健康をアピールしてるようなものですね(笑)
ストレスと寝不足は相互に関係している
誰だって寝不足の日はスッキリせずストレスが溜まりますよね?
寝不足とストレスは相互に関係しているので、切り離して考えることはできません。
ストレスには人間関係や病気などによる精神的ストレス、疲労や緊張、寝不足による身体的ストレスの2種類がありますが、いずれも眠りの質に悪影響を及ぼします。
ストレス→寝不足の関係
先述したように、ストレスを感じると体は興奮状態にある為、睡眠の質が下がり、寝不足になる可能性が高いです。
睡眠中は心身を休めるリラックスタイムですので、本来は副交感神経が優位になります。
自律神経である交感神経と副交感神経はシーソーのように相互関係にある為、どちらかが優位の時はどちらかの働きは弱くなります。
その為、ストレスが慢性化して交感神経が優位の状態が続くと、自律神経の切り替えがうまくできず、睡眠中にリラックスできなくなって寝不足になってしまうんです。
当然ながら、睡眠時間が少ない事も体を十分に休められていない為、寝不足になります。
ここで「大学生におけるストレス反応と睡眠健康・睡眠生活習慣との関連」という論文に、ストレスと寝不足の関係について興味深い内容があったので、紹介します!
- 20歳以上の国民5人に1人は、睡眠に何かしらの問題を抱えている。その理由の1つがストレス。
- 不安や心配といったストレスは、睡眠を抑制し、寝不足を招く。
- 精神的愁訴の中でも、不安や興味の減退を訴える者の不眠出現率は40%近くにのぼっていた。
- 身体の疲労を訴える人の不眠出現率は約 30%もあることが示された。
- 女性の方が、男性よりストレスに敏感。
- 睡眠障害の診断基準(内山, 2002) によると、入眠潜時が30分以上かかる場合は,不眠の型の 1つである入眠困難と診断される。
- ストレス反応が高い人ほど、入眠に時間がかかり、中途覚醒が多い。
ストレスが寝不足を招くというのは、研究結果でも立証されてるんですね。
実際僕も3年付き合った彼女にフラれた時は、寝付けなかったですねぇ(笑)
普段は5秒で寝れるんですけどf^_^;
睡眠不足→ストレスの関係
では、寝不足から発展するストレスについてはどうでしょうか?
寝不足で疲れが残ってたり、寝足りないとイライラしませんか?
我が家では、娘が産まれたばかりの頃、娘の夜泣きで寝不足になっていた妻は、ストレスを溜めて精神的に不安定になってました。
寝不足になると、脳や身体に蓄積された疲労が抜けず、身体はだるく、頭はボーっとしてしまいます。
それでも仕事や学校行き、育児や家事はやらなきゃいけないんですから、ストレスは溜まりますよね。
また、疲れが取れない状態は、軽い興奮状態にある為、交感神経が優位になっているとも言えます。
その為、血管の収縮や緊張状態が収まらず、リラックスできていないという事です!
つまり、精神的にも身体的にも疲れが取れないとストレスが蓄積し、交感神経を抑えられず、結果的に高血圧を招くんです!
寝不足は、百害あって一利なし!
仕事の僕が訪問リハビリで担当している利用者さんにも、頻尿や寝付きの悪さで、毎日寝不足を訴える方が本当に多いですね。
高血圧を防ぐ良質な睡眠の恩恵
最後に、寝不足をどうやったら防げるのかって事を解説して終わりたいと思います。
ストレス溜めなきゃいぃし、早く寝ればいんじゃない?
って思うかもしれないですけど、それが出来きたら、苦労ないですよね。
まずは、睡眠の大切さを解説しますよ!
疲労回復
睡眠は、副交感神経を優位にして交感神経を抑え自律神経を整える事で脳や身体を休めます。
副交感神経が優位になる事で
- 心身はリラックス
- 血流は内臓や身体の末端部に集中して回復を促進
- 血管は拡がって血圧は下降
- 筋肉は弛緩
などの作用が生じて、回復や休息に働きます!
ドラクエなどのRPGゲームをやった事のある人は分かると思いますが、あの世界では宿で休むと体力が全快します(笑)!
もちろん実際はそんなに単純ではないですが、疲労回復と睡眠には重要な関係があるということです!
ストレス耐性を高める
睡眠をしっかりと取ることで、ストレス耐性を高める事ができます。
その理由は、質の高い睡眠はストレスホルモンを抑制し、睡眠ホルモンの分泌が促進される為です。
また、寝不足はうつ症状や不安感、被害妄想などのメンタル面における問題が生じやすくなると言われています。
睡眠をしっかりと取ることで、脳内での正常なホルモン分泌を促して、うつや不安感を解消する事ができます!
生活習慣病の予防
寝不足は高血圧を招く為、当然ながら脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めます!
また、睡眠時は水分が失われる為、起床時には血液の流れが悪くなっています。普段から高血圧の場合、早朝に脳卒中を起こす可能性が高くなります。
また、寝不足は血糖値を下げるインスリンの働きを低下させますから、糖尿病にもなりやすくなります!
睡眠は、疲労回復する為に重要ですが、病気を予防するという意味でも重要なんです!
美肌効果やダイエット効果
睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。
このホルモンは
- 身体の成長
- 疲労回復
- 脂肪燃焼
- 肌細胞の修復
などの働きがある為、美肌効果やダイエット効果、筋トレをしてる人は傷ついた筋組織を回復して筋肥大を促進する効果もあります。
- 疲労回復
- ストレス耐性を高める
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防
- 美肌、ダイエット効果
寝不足を改善する為のポイント
では、高血圧を予防する為に、寝不足の解消やストレスの緩和を図る為には何が必要なのか?
その方法をお伝えします。
朝起きたら、朝日を浴びる
良質な睡眠のためには「メラトニン」という睡眠ホルモンが必須です。
このメラトニンを正常に分泌させるには、朝日を浴びたり、運動をする事で「セロトニン」を分泌させることが大切です。
この二つのホルモンのバランスを取ることで体内時計を整えてメラトニンの正常な分泌を促す事が、寝不足の解消に重要となります。
寝る2〜3時間前にお風呂に入る
身体を温めると、血管が拡がって高血圧の改善に効果的です。
また、芯から温まる事で副交感神経を優位にしてリラックス効果に働きます。
その為、寝る2〜3時間前にお風呂に入って心身をリラックス状態に持っていくことがストレス解消や寝不足防止には大切なんです。
お湯は38度くらいのぬるま湯で、25〜30分の入浴が効果的です!
ただし!
熱過ぎると心臓に負担がかかってしまい高血圧を悪化させる恐れがある為、要注意です!
運動習慣をつける
寝不足解消の為には、運動習慣をつける事も大切です。
特にウォーキングやヨガなどの運動は、リラックス効果があるので、即時的な高血圧の改善にも効果がある可能性もあります。
高血圧に効果的なウォーキングに関してはこちらの記事で詳しく書いてますので、参考にしてください。
枕を変えてみる
枕の高さも寝不足に関係している可能性があります!
最近ではオーダーメイドの枕を作ってくれるお店が増えるなど、快眠には自分に合った枕は欠かせません!
というのも、首の骨(頚椎)は前に弯曲している為、寝不足の改善には、この弯曲に合わせた枕が大切になります!
出典先:疼痛.jp
一度、オーダーメイド枕のお店で自分の寝る姿勢をチェックしてもらうと良いかもしれませんね!
オーダーメイドでなくとも、枕の中身の量を自分で調整して、高さを調整できる物もあるのでオススメです!
首周りの筋肉が硬くなると、肩こりや腰痛→ストレス→高血圧と悪循環になる可能性もありますので、検討してみて下さい。
また、寝る前のスマホや寝る時間がバラバラ、寝る前の食事は、寝不足の原因となる為、注意しましょう!
まとめ
今回は、寝不足とストレスの関係、そしてそれらが高血圧にどう関係するのかを解説していきました。
寝不足やストレスは心身ともに興奮状態となって自律神経のバランスを乱して高血圧に発展してしまいます。
高血圧を軽視すると、脳卒中や心疾患など大病のリスクが格段に上がりますので、しっかりと身体を休めることも大切です!
既に高血圧の方もそうでない方も、ストレスの状態や睡眠状況などを見直してみてはいかがでしょうか?
こちらの記事では、ストレスや寝不足などの生活習慣と三大成人病の関係について書いていますので参考にして下さい(^ ^)