特別な茶葉を粉末状にする事で栄養が凝縮される抹茶。
栄養効果が高い事はもちろんですが、抹茶のポテンシャルはリラックス効果にあります!
ストレス社会と言われる現代で健康を維持するには、いかに心を安定させるかがポイント。
では、抹茶の効果・効能に迫っていきましょう!
抹茶の栄養には旨味成分が豊富
まずは抹茶の栄養をざっと見てみましょう!
分かりやすいように煎茶と比較してみました。
抹茶一杯(2gあたり) | 煎茶一杯(100ml) | |
エネルギー | 6.4kcal | 2kcal |
たんぱく質 | 0.59g | 0.2g |
脂質 | 0.1g | 0g |
糖質 | 0.79g | 0.2g |
ナトリウム | 0.12mg | 3mg |
カリウム | 54mg | 27mg |
カルシウム | 8.4mg | 3mg |
マグネシウム | 4.6mg | 2mg |
リン | 7mg | 2mg |
鉄 | 0.34mg | 0.2mg |
亜鉛 | 0.126mg | Trmg |
銅 | 0.012mg | 0.01 mg |
β−カロテン当量 | 580μg | 0μg |
ビタミンK | 58μg | 0 |
ビタミンE | 0.562mg | 0 |
ビタミンB1 | 0.012mg | 0 |
ビタミンB2 | 0.027mg | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.0192mg | 0.01mg |
ビタミンB12 | 0mg | 0mg |
ナイアシン | 0.08mg | 0.2mg |
ビタミンC | 1.2mg | 6mg |
葉酸 | 24μg | 16μg |
飽和脂肪酸 | 0.0136g | – |
一価不飽和脂肪酸 | 0.0068g | – |
多価不飽和脂肪酸 | 0.043g | – |
水溶性食物繊維 | 0.132g | – |
不溶性食物繊維 | 0.638g | – |
抹茶には、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富で、他にもビタミンK、葉酸などのビタミンも比較的多く含まれています。
他にも
- ポリフェノールの一種である「茶カテキン」
- 「カフェイン」
- アミノ酸である「テアニン」、「サポニン」
などの栄養が含まれています!
上記の中でも抹茶には、お茶の甘み・旨味成分である「テアニン」が多く含まれていて、この成分にリラックス効果があるんです!
抹茶を使用したお菓子やデザートが美味しいのも甘味・旨味成分が豊富だからというわけですね。
納得(^^)
- 茶カテキン:お茶の渋み成分。抗酸化作用がある。
- カフェイン:お茶の苦味に関与している。リフレッシュや集中力向上などの効果がある。
- テアニン:甘み・旨味成分で、抹茶に特に豊富。リラックス効果がある。
- サポニン:渋みや苦味の成分で、泡立ちにも関与している
抹茶の栄養効果・効能【美味&リラックス効果】
先述したように、抹茶は煎茶と比較してテアニンが豊富に含まれています。
その理由は、強い日光を避けて茶葉を育てるという特有の作り方にあります。
テアニンは、日光を浴びることで別の成分に変化してしまうのですが、日光を遮断することで成分を維持できるんです。
これが抹茶に旨味・甘味成分が凝縮されている理由です!
そして抹茶最大の魅力は、心を安心させてくれるリラックス効果がある点です。
熊本大学の研究グループは、抹茶に不安を軽減させる効果がある事を実証し、結果を発表しています。
その実験では、マウスに抹茶及び抹茶抽出物を摂取させたところ、不安行動が軽減したそうです。
その際、ドーパミンとセロトニンの活性化が確認され、このホルモンの活性化が不安の軽減に繋がっているのではないかと考察しています。
- ドーパミン:喜びや快楽に関与
- セロトニン:ドーパミンの働き過ぎを抑えて精神を安定させる
抹茶には、快楽ホルモンの「ドーパミン」と安心ホルモンの「セロトニン」を活性化させて不安を軽減する効果・効能がある!
リラックスするならアロマもオススメ!詳しくはこちらで書いています。
他にもある抹茶の魅力的な栄養効果・効能!
抹茶はリラックスだけにあらず!
その魅力的な効果・効能を紹介していきます(^^)
抹茶の効果・効能その1【ストレス耐性アップ】
リラックス効果のあるテアニンですが、ストレス緩和にも効果がある事が様々な研究で解明されています。
農研機構の物部真奈美先生らの研究により、マウスに「水」、「煎茶」、「抹茶」、「低カフェイン抹茶」をそれぞれ2週間与えた後に、単独で飼育されていたマウスを他のマウスと対面させる方法でストレスを与えたところ、「抹茶」を摂取していた群は、4群中で最もストレス耐性が高い(探索行動が抑制されない)ことが示されました
ストレス社会の現代、ストレスに対する耐性は健康で生きていく為には重要です
また、テアニンを摂取すると、リラックスしている時に脳内に放出されるα波が増える事やカフェインによる興奮作用を抑える働きがある事も抹茶の特徴。
テアニンとカフェインとのバランスの良さが、よりストレスの緩和効果を高めているのかもしれませんね(^^)
抹茶の効果・効能その2【アンチエイジング(老化防止)】
抹茶の栄養の中でも特に注目したいのがポリフェノールの一種である「茶カテキン」
その最大の魅力は、体内の細胞を酸化(老化)させてしまう活性酸素を除去してくれる抗酸化作用がある事。
その抗酸化作用によって、シミやシワの予防、動脈硬化や心疾患のリスクを抑える効果も期待できます!
また、ビタミンCにも抗酸化作用がある事から、抹茶は細胞の衰えを防ぐ優秀食品なんです!
抹茶の効果・効能その3【ダイエット効果】
カテキンを細かく分けると8種類あり、そのうちの一つである「ガレート型カテキン」には、脂肪の吸収を抑制する効果があります。
食事から摂取した脂肪は体内に入った後、リパーゼという消化酵素によって一度分解され、再度合成されてから脂肪細胞に吸収されます。
つまり、”脂肪は一度分解されないと体の脂肪として蓄積されない“というわけです。
ガレート型カテキンは、消化酵素のリパーゼの働きを阻害することで脂肪の蓄積を抑制してくれるわけです!
他にも、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールの低下にも効果があります。
また、カフェインには運動のエネルギーとして脂肪の消費を促進する効果もある事から、ダイエットにも効果的です。
抹茶の効果・効能その4【腸内環境を整える】
抹茶は、腸内フローラを変化させて一部の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす効果が期待できます。
京都府立大学の井上亮先生の研究によると、1日2杯の抹茶を2週間飲んだグループとプラセボ飲料を飲んだグループとを比較した結果、抹茶を飲んだグループでは摂取1週間後から腸内フローラの全体構成が変化し、摂取2週間後には慢性的な下痢や発熱を伴う炎症性腸疾患とも関係する悪玉菌であるFusobacteriumが減少し、腸の細胞の栄養となることでも注目されている酪酸を生成する善玉菌Coprococcusが増加することが確認されました
また、抹茶は便秘解消に効果的な不溶性食物繊維も豊富に含んでいるので、整腸作用にもオススメなんです(^^)
抹茶の効果・効能その5【虫歯予防・抗菌作用】
カテキンには、虫歯の原因菌(ミュータンス菌)の増殖や歯への付着を抑えて虫歯を予防する効果が期待できます。
また、O-157に対して強い抗菌作用をもつ他、食中毒菌やピロリ菌などの増殖抑制作用がある事も明らかになってきています。
更に、フッ素の働きで歯の表面に耐酸性の被膜を形成して虫歯予防効果アップです!
抹茶の効果・効能その6【集中力アップ】
抹茶に含まれるカフェインには覚醒作用がある為、眠気を防いで集中力アップ効果があります。
また、テアニンのリラックス効果で集中力や運動能力を高める効果もあります。
その為、スポーツや仕事のプレゼンなどの大舞台の前に抹茶を飲むと、過度な緊張が取れてパフォーマンスが向上する可能性大!
緊張しがちな人にこそ抹茶はオススメというわけです。
抹茶の効果・効能その7【免疫力アップと病気の予防】
抹茶に含まれるカテキン(エピガロカテキン )には、免疫細胞のマクロファージを活性化する効果・効能があります。
マクロファージの働きは、侵入してきた異物を食べて除去する事。
しかも、食べた異物の情報を蓄積して、以後の異物侵入に備えられるなんです!
ALSOKが待機しているようなもの!
頼もしいですね♪( ´▽`)
抹茶の効果・効能その8【認知症の予防】
抹茶に含まれるテアニンとカテキンが、認知症の予防に効果がある事が「伊藤園」の研究で解明されました。
1日2杯の抹茶を飲むことで認知症予防に効果を示すだけのテアニン・カテキンを摂取できるそうです。
抹茶と緑茶の違い
ところで、抹茶と粉末緑茶の違って分かりますか!?
その違いは、原料である茶葉に日が当たっているか、いないかの違いなんです。
どういう事か、詳しく解説していきますね。
まずは抹茶。
抹茶は強い日差しが当たらないように育てた甜茶(てんちゃ)と呼ばれる茶葉を石臼などで引いて粉末にしたものを指します。
強い日差しを避ける事で旨味の多い柔らかな新芽に育ち、石臼を使用する事で旨味成分を壊さずに粉末に出来るんです。
この日差しを避ける工程で、テアニンがカテキンに変化するのを抑える事で、含有量が維持できるんです。
手間がかかる分、抹茶は割高になっています。
次に粉末緑茶。
太陽の陽をたくさん浴びせて育てた煎茶を粉末にした物を指します。
抹茶とは逆に日光に当てる煎茶ですが、この工程によってテアニンがカテキンに変化します。
このカテキンに先述した健康に関連する効果・効能があるのですが、渋味が強くなるのも特徴です。
一般的なお茶がこれにあたり、抹茶の製法と比較して手間が少ない分、安価になっています。
- 抹茶:日光を遮断して作られる碾茶(テンチャ)が原料。テアニンが豊富で甘味・旨味が強い。
- (粉末)緑茶:日光に当てて作られる煎茶が原料。カテキンが豊富で苦味が強いが健康作用が強い。
どちらも粉末にすることで茶葉の栄養を丸ごと摂取できる点は共通しています!
抹茶の栄養効果は実証されている!
ここまで抹茶の効果・効能について解説してきましたが、その栄養効果はちゃんと実証されてるんです!
国立がん研究センターなどが実施している多目的コホート研究「JPHC研究」による研究では、抹茶・緑茶の栄養で脳卒中・心疾患のリスクが低下すると発表しています。
緑茶を1日1杯未満飲むグループ、1日3〜4杯摂取したグループ、1日5杯以上摂取したグループを比較したところ、心疾患のリスクは、それぞれ男性で26%、女性で26%低下した。
脳卒中の死亡リスクは、男性で29%、女性で14%低下した。
その理由としては
- カテキンに血圧や体脂肪、脂質を調節し、血糖値を改善する効果・効能がある。
- カフェインが血管内皮の修復を促し、血管を健康に保つ効果・効能がある。
といった可能性があると説明しています。
静岡県民は健康寿命が全国2位
厚生労働省の調査結果によると、静岡県は平成25年の健康寿命が全国2位だったそうです。
静岡といえば、全国1位のお茶の産地として有名ですが、健康寿命を高めている理由として、お茶を多く飲んでいるからと考えられています。
明確に解明されているわけではないようですが、抹茶や緑茶との関係は深いのかもしれないですね。
まとめ
抹茶には、以下のような効果・効能があります。
- ストレス耐性アップ
- アンチエイジング(老化防止)
- ダイエット効果
- 整腸作用
- 虫歯予防・抗菌作用
- 集中力アップ
- 免疫力アップ
- うつ・認知症の予防
抹茶の栄養で特徴的なのが「テアニン」
旨味・甘味成分でもあるテアニンにはリラックス効果がある為、抹茶の味に浸りながら心を安定させる作用があるんです!
茶葉を丸ごと粉末にした抹茶には、栄養が凝縮されていて、健康効果も抜群。
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