【降圧剤の点滴】その特徴と種類について分かりやすく解説します!

高血圧の治療薬である降圧剤は、点滴でも使用されます。

点滴と聞くと緊急性を感じてしまいますが、口から服用する降圧剤とは何が違うのでしょうか?

そこで今回は、点滴で使用される降圧剤の特徴と種類、そして経口降圧剤との違いについて解説していきます!

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点滴とは

みやっち
こんにちは!現役作業療法士(リハビリの専門家)のみやっち(@miyabro2)です

高血圧は、現代の成人3人に1人が該当すると言われています。

それだけ高血圧に該当する人は多い訳ですから、降圧剤は割と馴染みのある薬かもしれませんね。

実際、みやっちがリハビリを担当している利用者さんの8〜9割の方は降圧剤を内服されていますし、父も降圧剤を内服しています。

そんな降圧剤ですが、点滴でも使用されているのをご存知でしょうか?

点滴とは、ボトルやバックに吊るした薬剤を直接血管に投与する事をいいます。

経口摂取の場合、体内に入った食物や薬は、まず食道から胃に運ばれて消化された後に腸で吸収されます。

そして肝臓に運ばれて代謝された後、血液中を流れて患部に届けられて効果が現れます。

点滴は、胃・腸・肝臓で行う消化・吸収・代謝の過程を飛び越して直接血液中に入る為、効果が早く現れるという特徴があります。

テレビドラマなどでも登場する事があるので、どんな物かイメージが湧きやすい人も多いのではないでしょうか?

点滴の目的

点滴の目的は、輸血・輸液(水分や電解質)を血液中に投与する事で体調の改善を図る事にあります。

緊急性を要するような状態や状態不良などで経口摂取が困難な場合に使用されます。

その点滴の特徴としては、ゆっくりと薬剤を投与する事で、副作用を抑えて体への負担を軽減できる点です

また、持続的に薬剤を投与できる事で、薬の効果が途絶えない点も大きな特徴になります。

点滴の特徴
  • 血管に直接、栄養を入れる
  • 即効性がある
  • 緊急性のある場合や経口摂取が困難な場合に使用される
  • 副作用が少ない
  • 持続した効果が得られる

上記にもあるように、点滴を使用する場合は緊急性を要する状態になります。

その為、降圧剤を点滴で投与する場合、緊急性を要するような高血圧の状態であるという事になります。

点滴での降圧剤投与が必要な高血圧の特徴って?

ここからは、「高血圧治療ガイドライン2014」の情報を元に解説を進めていきます。

点滴での降圧剤投与が必要になるのは「高血圧緊急症」という状態。

その特徴は、急激な血圧上昇(180/120mmHg以上)によって脳や心臓などの臓器に障害が出ている(または悪化している)状態のこと!

つまり、深刻な自覚症状が現れているという点です。

ですので、一刻も早く降圧を行わないと命にも関わる危険な状態であるという事です。

高血圧緊急症の特徴的な症状と種類
  • 脳の異常:頭痛,悪心・嘔吐,意識障害,視力障害、けいれんなど
  • 心臓や肺の異常:動悸、疲労感、意識障害、四肢のチアノーゼ、呼吸困難 など
  • 腎臓の異常:尿量の減少あるいは無尿、血尿、吐き気、食欲不振、全身倦怠感、意欲減退 など

血圧の異常な上昇は、上記のように様々な臓器に支障をきたします。

このような症状が現れたら、一刻も早い治療で降圧を図る必要がある為、点滴での治療が必須になるわけです。

もし放置して状態が悪化すれば、脳卒中や大動脈解離などの大病に発展する可能性があるとても深刻な状態と言えます。

点滴で使用される降圧剤の種類と特徴

点滴で使用される降圧剤は、現れる症状によっても異なるのですが、主に以下のような種類のものがあります。

ニカルジピン

  • 作用:血管を拡げる
  • 効果が出る時間:5〜10分
  • 持続時間:60分
  • 副作用:頻脈、頭痛、顔面紅潮など

ニカルジピンの特徴は、主に脳血流の改善に使われる点です。

また、安定した効果を得られるので使用される頻度も多く、副作用も少ないので高齢者への使用にも適しています。

ジルチアゼム

  • 作用:血管を拡げる
  • 効果が出る時間:5分以内
  • 持続時間:30分
  • 副作用:徐脈など

ジルチアゼムの特徴は、心臓の収縮を抑えて心臓を休ませる点です。

その他、ニカルジピン同様に安定した効果を得られる為、使用される頻度も多く、副作用も少ないので高齢者への使用にも適しています。

ニトログリセリン

  • 作用:血管を拡げる
  • 効果が出る時間:5〜10分
  • 持続時間:2〜5分
  • 副作用:頭痛、嘔吐、頻脈など

ニトログリセリンの特徴は、心臓と身体の末端部の血管を拡げて心臓への栄養供給を増やして負担を減らす点です。

主に心臓に作用する降圧剤でという事ですね。

ニトロプルシド

  • 作用:血管を拡げる
  • 効果が出る時間:1〜2分
  • 持続時間:瞬時
  • 副作用:悪心、嘔吐、頻脈など

フェントラミン

  • 作用:交感神経の働きを抑える
  • 効果が出る時間:1〜2分
  • 持続時間:3〜10分
  • 副作用:頭痛、頻脈など

フェントラミンの特徴は、交感神経の働きを抑えて心臓を休ませる点です。

交感神経は心身を興奮状態にする為、過剰に働きすぎると高血圧へと発展してしまうんです。

また、即効性と短い効果という特徴がある為、血圧を細かく調整して状態の安定を図る際に使用されます。

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【内服と点滴】2種類の降圧剤使用の特徴

降圧剤は内服と点滴の2種類での治療がありますが、その特徴についてまとめておきます。

内服の降圧剤の特徴

  • 緊急性がない場合に使用
  • 効果時間が長い
  • ゆっくり血圧調整を行う
  • 在宅での調整が可能
  • 場合によっては副作用が強く出る場合もある

降圧剤の副作用については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【※注意※】降圧剤の副作用で「めまい・眠気」が起きる?その理由とは!?

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点滴の降圧剤の特徴

  • 緊急性がある場合に使用
  • 効果時間は短い(数分〜60分)
  • 即効性がある
  • 小まめなチェックと調整が出来る
  • 入院での治療が基本
  • 身体への負担が少ない

急激な血圧の上昇で脳や内臓などに障害が出ている場合、必要以上の降圧で状態が悪化する可能性があります。

その為、血圧下降の程度や速度を小まめにチェックし、都度調整が行えるように入院での治療と点滴での降圧剤の使用が適しています。

反対に急な血圧の上昇を認めても、自覚症状がない場合は内服の降圧剤での治療となる場合がほとんどです。

ですが、高血圧は「サイレントキラー」という別名があるように、自覚症状がない場合が多いのが特徴です。

その為、未治療のまま放置してしまうケースや降圧剤の処方を受けても服用を辞めてしまう方もいます。

実際、みやっちがこれまでリハビリを担当してきた利用者さんの中でも、降圧剤を自己判断で減らしたり、辞めてしまう人も一定数いました。

実際に自覚症状が現れたり、病気にならないと高血圧の深刻さが認識されにくいのも高血圧の厄介な特徴かもしれないですね。

まとめ

降圧剤を点滴で使用する場合、それは緊急性を要するケースがほとんどです。

その特徴は、急激な血圧上昇かつ臓器に障害が出ている状態で、状態が悪化すると脳卒中や大動脈解離など大病に発展する可能性もあります。

点滴で使用される降圧剤には様々な種類がありますが

  • 緊急性がある場合に使用
  • 効果時間は短い(数分〜60分)
  • 即効性がある
  • 小まめなチェックと調整が出来る
  • 入院での治療が基本
  • 副作用が少ない

などの特徴があります。

点滴で投与する降圧剤にも様々な種類があり、同じ高血圧でも異常を来している根幹が異なる為、状態に応じて使い分ける事になります。

点滴での治療が必要になる前に、予防策を講じる事が大切ですね。

こちらの記事もご覧ください。

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