脳出血の中でも最も重症と言われる脳幹出血。
脳幹は生命維持に重要な役割を果たしている事もあり、発症後は意識を失ってしまう事も!
その為、前兆や初期症状がみられた際は見逃さず、迅速に救急車の要請をする事が重要になります。
そこで今回は、脳幹出血にはどんな前兆や初期症状があるのか、分かりやすく解説していきます!
目次
生命維持を脅かす脳幹出血とは
日本人の4大死因とも言われている脳卒中は、血管が詰まる脳梗塞と血管が破ける脳出血、血管に出来た瘤が破裂するくも膜下出血の3つのタイプがあります。
脳幹出血は、脳幹という脳の一部に出血が起きる脳出血の一種です。
- 呼吸
- 嚥下(食べる)
- 覚醒(意識があるかないか)
- 心拍の調整
- 体温調整
- 睡眠
- ホルモンバランス
- 欲求行動
- 食べ物の消化
- 運動や姿勢の調整
- 眼球運動
脳幹の機能には、呼吸や嚥下、意識など生きていく上で重要な役割がある他、上記のように実に多様の機能がある為、ここに異常が生じるとそれらの機能に障害が出てしまいます。
僕達が普段当たり前のように生活出来ているのも、脳幹が絶えず呼吸や心臓の機能を調整してくれているからなんですね(^ ^)
そんな脳幹ですが、脳幹出血を発症すると意識を消失してしまう事が多く、最悪の場合は呼吸が止まってしまう事もあります。
出血が狭い範囲で収まれば初期症状は軽くてすみますが、出血が広範囲に及ぶと重度の後遺症や命に関わることだってあるんです。
だからこそ、前兆や初期症状を見逃さないで早期発見と早期の治療開始に繋げることが重要になってきます!
実際、みやっちが以前リハビリを担当していた利用者さんにも脳幹出血の方はいましたが、後遺症の重症度が高く、介護をする家族の心労は多大なものでした。
体がグラグラして介助なしには座ってられない、食事やトイレには常に介助が必要、一人にできない為、外出にも制限がある、など。
脳幹出血の方の介助は、とにかく大変な印象が強かったですね…。
脳幹出血の初期症状【こんな症状が現れたら要注意!】
脳幹出血は、先述したように脳幹(大脳と脊椎の間にある脳の一部)に出血が起きる脳卒中の一種です。
脳の中で出血が起きるという事は、血管の中を流れていた血液が脳内に溢れて拡がり、固まった血液(血腫)が神経や脳そのものを圧迫して様々な症状が現れます。
脳内に溢れた血液が広範囲に及べば後遺症も重度になる事は先述しましたが、重症化を防ぐためにも初期症状を見逃さず迅速に対処する必要があります。
その脳幹出血の初期症状には、突然の吐き気、頭痛、めまい、(大きな)いびきなどが現れます。
また、出血量が多い場合や治療開始が遅れて出血が広範囲に及ぶと意識消失や呼吸停止などが起こり、最悪の場合は命に関わることもあります。
実は、脳幹の上にある大脳に出血(脳内出血)が起きた場合にも吐き気、頭痛、めまい、いびきが初期症状として現れる事があるんです。
これは、大脳で起きた出血が広範囲に渡って脳幹にまで浸出した事を意味します。
つまり非常に危険な状態ってことです…。
- 吐き気
- 頭痛
- めまい
- いびき など。
重度の場合は、意識消失・呼吸停止が起きて命に関わる場合もある。
いずれも前兆などはなく、突然現れることが多い!!
初期症状そのものを防ぐ為に必要なこと!
てか、そもそも発症を防げばいんじゃない?
と思ったあなたは鋭いです!
正直、それが理想的です。
実際、脳幹出血の発症には高血圧が関係しています。
この高血圧の原因の約90%が生活習慣が関与していると言われています!
つまり、脳幹出血の原因は生活習慣の乱れである可能性が高いんです!
こちらの記事では生活習慣病のリスクについて詳しく書いていますので、参考にして下さい。
予防に関しては後述しますね(^ ^)
ただ、予防はもちろん重要ですが、万が一脳幹出血を発症してしまった場合は、初期症状にいち早く気付いて対処する必要があるので、知っておいて損はないはずです!
脳幹出血に前兆はある!?
結論から言ってしまうと、脳幹出血にはっきりとした前兆はないんです…。
それに対して、同じ脳卒中の一種である脳梗塞には前兆があるんですね。
簡単にその理由に触れていきます。
脳梗塞にはTIA(一過性脳虚血発作)と言って、前兆のような症状が現れることがあります。
これは、一時的に脳血管が詰まって手足の脱力、痺れ、呂律が回らないなどの症状が現れるも時間とともに症状が消失する状態を言います。
脳梗塞の前兆と言われる所以は、TIAを起こした人の約10-15%の人が脳梗塞を発症するからです。
対して脳幹出血は、血管が突如として破ける事で初期症状が現れる為、前兆は現れにくいんです。
とは言っても、高血圧や糖尿病などで高血圧になれば、血管は時間をかけてボロボロになっていくんですけど…。
なので、血圧や血糖値など数値化できる部分で異常があれば、それは前兆と言っても良いのではないでしょうか!
頭痛が脳幹出血の前兆!?
実は偏頭痛持ちの人は、脳出血のリスクが高くなる可能性があるんです!
偏頭痛は、何かしらの原因により脳血管が拡がって周囲にある神経を圧迫し、この刺激情報が大脳に送られて痛みとして認識されます。
偏頭痛を起こす度に、脳の血管が過度に広がったり縮む動きを繰り返します。
これが頻回に起こると脳血管が傷ついていき、脆くなって脳出血を起こしやすくなると言われています。
また、偏頭痛はストレスや高血圧の原因にもなります。
僕も偏頭痛持ちなのですが、頭痛が起きた時のしんどさを考えると、それだけでストレスになってしまいますね…。
生活に支障が出るくらいの偏頭痛持ちの方は、今後のリスクも考えてお医者さんに相談してみましょう。
脳幹出血の初期症状に気付く重要性
病気の早期発見は、治療の早期開始に繋がる為、どの病気でも重要なのは言うまでもありません。
ですが!
脳幹出血に関しては、脳幹が脳の深いところにある事での外科的処置のリスクや状態回復の可能性が乏しい為、手術を行う事はほとんどありません。
- 高血圧の改善(降圧剤の投与)
- 出血部の処置
- 止血剤の投与
- むくんだ脳の症状を抑える薬の投与 など
以上が主な脳幹出血の治療となります。
出血を起こした部位の根幹を治療する事はできなくても、早めに治療を開始することは出血の広がりを抑えて後遺症の重症化を防ぐ事に繋がります。
だからこそ初期症状を察知し、迅速に治療へと移行する事が重要です!
脳幹出血の予防
先述したように、脳幹出血は前兆が現れにくく、根本的な治療ができない可能性があります。
その上、脳幹出血の後遺症は寝たきりや重度の後遺症で多大な介護を要する場合も多い為、予防を考えることが大切です。
そう考えると、偏頭痛や高血圧を脳幹出血(というか脳卒中や心疾患)の前兆・初期症状として捉えるという考えも必要だと考えます。
偏頭痛は、精神的ストレスや疲労、ホルモン分泌が不安定になる事が原因と言われており、女性に多い傾向があります。
ですから、心身ともにリラックスするような時間を作り、偏頭痛を起こさない事が大切です。
また、こめかみを冷やすことや、カフェインを摂取する事は偏頭痛が起きた時の緩和に効果的です。
高血圧は、過度の塩分摂取や飲酒、喫煙、ストレス、疲労、睡眠不足が原因となっており、ほぼ生活習慣が影響しています。
以上のことから、偏頭痛、高血圧ともに生活習慣が大きく関係している為、生活習慣の改善に取り組みましょう!
こちらの記事では高血圧対策に効果的な運動について紹介しているので、参考にして下さい。
まとめ
いかがでしたか?
重篤な後遺症や命に関わることもある脳幹出血の重症化を防ぐ為には、前兆や初期症状に早く気付いて早期に治療を開始することが重要です。
めまいや頭痛、吐き気、いびきなど日常でもみられる症状ですが、いつもと違うような異変を感じたらすぐに病院に受診しましょう。
また、脳幹出血は生活習慣が引き金となってリスクが高くなることが多い為、予防に取り組むことが、一番のリスク回避になります。
こちらの記事も是非、チェックしてみて下さい。