脳疾患が原因で起きる手足の痙攣の対処法とは!?

生涯に約2%の人が経験すると言われている痙攣。

脳疾患を患うとその確率も上がってしまい、意に反して手足がガタガタと震えてしまう事もあります。

そこで今回は、脳疾患で手足に痙攣が起きる原因や対処法について解説していきます。


脳疾患で痙攣が起きる原因

みやっち
こんにちは!現役作業療法士(リハビリの専門家)×食育アドバイザーのみやっち(@miyabro2)です

痙攣とは、脳や脊髄、筋肉を発生源として自分の意思とは関係(不随意)なく勝手に手足が動いてしまう発作の事をいいます。

就寝時に急にふくらはぎが攣って悶絶した事がある人は結構多いのではないでしょうか(笑)?

みやっちも経験済みです(笑)

これは筋肉が発生源として起きる痙攣ですね。

実は、筋肉を発生源とする痙攣は、脳疾患が原因で発症リスクが高くなってしまうんですよね。

筋肉が動く時は、脳の様々な部位が連携を取る事で、適度な力加減で動けるように調整してくれています。

ですが、脳疾患を患うと脳の連携システムが乱れてしまい、筋肉の緊張状態を制御できなくなってしまうんです。

加えて、麻痺によって使う筋肉の部位に偏りが生じてしまう事で、より筋肉が硬くなりちょっとした刺激で痙攣を起こしやすくなってしまうんです。

ざっくりとですが、これが脳疾患で筋肉の痙攣が起きる原因です。

そして肩麻痺を患った人でとりわけ多いのが、ふくらはぎの痙攣ですね。

脳疾患が原因で起きる脳のトラブルに加えて、麻痺による筋肉の偏った使い方も痙攣のリスク増大の原因となっています。

脳疾患による筋肉の痙攣と対処法

筋肉には、”伸びたら縮む”というゴムに似た性質があり、意思に反して起きる事で緊張状態を一定に保ったり、断裂を防止する役割もあるんです。

ですが、筋肉が硬くなると過敏に反応するようになってしまいます。

例えば、普段運動やストレッチを全くしない人が、準備運動なしに急に激しい運動を行った場合。

運動不足で硬くなっていたふくらはぎの筋肉に急激な伸長刺激が加わる事で、筋肉はびっくりして反射的に強い収縮力が生じます。

結果、縮む⇄伸びるの繰り返しでこむら返りへと発展してしまうんです。

一般的なこむら返りであれば、筋肉を伸ばす事が効果的と言われていますが、脳疾患による痙攣の場合は、逆効果になる場合があります。

その理由として、こむら返りは筋肉が収縮(縮む)したまま固まっている為、伸ばすのが有効である場合が多いんです。

反面、痙攣は伸長と収縮を繰り返している為、伸ばすだけでは返って刺激を強めて症状が増悪してしまうんです!

ではどうすれば良いのか!?

以下は、脳血管障害者(脳疾患の一種)のふくらはぎに圧迫を加えると筋肉が柔らかくなった事を発表した論文の一文です。

ゆっくり時間をかけて筋を伸張させる圧迫は,靭帯にある深部感覚受容器のゴルジ腱器官からIb 繊維の興奮をひきおこし,脊髄内の介在ニューロンを介してIa線維を抑制し,すでに興奮しているα運動神経を抑制させたものといえる.

転用元:脳血管障害者のヒラメ筋圧迫による 痙縮抑制効果の検証

専門的な事が書かれていて難しいですが、要するにゆっくり持続的に筋肉を圧迫していく感覚刺激は、筋肉の張りを低下させる効果があるって事です。

緊張を緩和させれば、痙攣症状を抑える事にも繋がります。

圧迫する強度も細かく書かれているのですが、痛みのない範囲でやや強めに圧迫して痙攣の状態を見ながら調整していけばOKです。

脳疾患に伴う痙攣の予防方法

では痙攣の予防はどうすれば良いか?

大切なのは

  • マッサージ
  • ストレッチ

筋の張りを緩和すること。

マッサージに関しては、先述した圧迫も効果的です(^^)

ストレッチは、マッサージで解してから行うとより効果的です!

ただ、脳疾患による後遺症で足首などの関節が固まっている状態だと痙攣を助長してしまう場合もあるので、ゆっくりと無理のない範囲で伸ばしていく事が大切です!

他にも

  • こまめな水分摂取
  • 体を冷やさない
  • ストレスを溜めない
  • 重い布団をかけない
  • 栄養バランスを偏らせない

などを意識すると筋肉の張りを緩和させることに繋がるので、意識していきたいですね。


脳疾患に伴う痙攣発作

ここまで脳疾患を患う事で発生する筋痙攣について説明してきましたが、実は痙攣には発作のように起きる場合もあり、中には緊急性を要する痙攣もあるので、ここで簡単に紹介していきたいと思います。

脳疾患を患うと、”てんかん”という発作が現れる事があります。

てんかんとは、本来規則正しく動いている脳のリズムが突然激しく乱れて痙攣や意識障害などの症状が現れる状態を指します。

てんかんと痙攣の違い
  • てんかん:脳が発生源となって身体各所の痙攣の他、意識障害や音・光の異常を感じる状態。
  • 痙攣:発生源を問わず筋肉が勝手に動く状態。

※痙攣はてんかん発作の一種の症状。

てんかんの発生には怪我や薬の副作用、発熱など様々な要因がありますが、そのうちの一つに脳腫瘍や脳卒中のような脳疾患があるんです。

症状の大半は約1〜2分程で終息し、約20%の人に以下の前兆があると言われています。

てんかん発作の前兆
  • 異常な匂いや味
  • そわそわする感覚
  • 既視感(デジャブ)またはその反対の状態—すなわち、見慣れているはずのものを初めて見たような感覚(未視感[ジャメブ])
  • 発作が始まりそうだという強い感覚

引用元:けいれん性疾患 MSDマニュアル家庭版

緊急性を要する痙攣発作

てんかん発作の大半が数分で終息すると書きましたが、中には緊急を要する重篤なケースもあります。

  • 5分以上続く発作
  • 発作と発作の間に意識が完全に回復しない

このどちらか、あるいは両方が発生すると、呼吸困難や心臓や脳に過度の負荷がかかって後遺症や死に至る場合もあるので救急要請など迅速な対応が必要になってきます。

重篤なけいれんが脳疾患にとって危険な理由

重篤な痙攣発作が出現している間も脳はエネルギーである酸素(厳密には、ブドウ糖も)をたくさん必要とします。

本来、酸素は血液を通して脳や筋などの組織に送られるのですが、意識障害のあるけいれん発作を起こすと、十分な呼吸は行えません。

また、血液の流れる量も普段と変わらないので、需要と供給のバランスが崩れ、結果として脳は酸欠状態になってしまいます。

更に、勝手に動いている筋肉も酸素を必要とする為、ますます酸素不足に陥ってしまいます!

すると脳は栄養不足で活動ができなくなってしまい、神経活動が停止して脳障害を起こしてしまいます。

既にある脳疾患に更に脳疾患が重なる事で、マヒや言語障害などの後遺症が悪化してしまうことになりかねないんです。

まとめ

筋肉の痙攣は、脳疾患が原因で起きるリスクが高くなります。

対処としては、痙攣を起こしている筋肉をゆっくり圧迫する事。

そして予防には、ストレッチやマッサージで日頃から筋肉を出来るだけ柔らかくしておく事が大切です。

また、脳疾患は全身的に現れる重篤な痙攣発作の原因にもなるので、注意が必要です。

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