脳疾患の代表格ともいえる脳卒中は、日本人の5人に1人が発症すると言われています。
その中でも、前兆症状は、脳疾患を発症する3割の人にしか表れないそうです。
その脳疾患の早期発見と予防に有効なのが、今回解説する画像検査です!画像検査とは何か?どうすれば受けられるのか?金額は?
そんな疑問を解消し、画像検査についての理解を深めましょう!
脳疾患の画像検査って?
画像検査とは、外からでは診ることができない体内の様子を画像化して目で確認することで、脳や内臓、骨などの身体の中の異常や病気の早期発見ができる検査のことを言います。
脳疾患を調べる画像検査には、代表的なものに主にCT検査、MRI検査があります。
CT検査
X線(レントゲン)を色々な角度から身体に照射して画像を撮影することで、人体の断面図や立体的な画像を診ることができます。
CT検査の特徴は
- 骨など水分の少ない部分の確認が得意
- 比較的、短時間で検査できる
- 多少の放射線被爆がある
- 骨が写る為、内臓の確認に支障が出ることも
検査は、筒の中に入って行う為、閉塞感は少なくすみます。ですので、抵抗感のある人は少ないのではないでしょうか。
MRI検査
私達の身体は大半が水分で作られていますが、MRIはその水分の情報を磁気とコンピューターで解析し、内臓や血管などの体内の様子を画像化する画像検査の事を言います。
MRI検査の特徴は
- 骨が写らないので、脳の状態を診るのに適している
- 検査時間が比較的長い(30分程度)
- 放射線被爆はない
- ペースメーカーなど体内に金属が入っている人は適応外
検査方法は、トンネル型の機械の中に入り、ゴン、ゴンと鳴り響くあれです。経験のある方は分かると思いますが、結構音がするのも特徴です。
私の父もMRI検査を受けようとした事があるのですが、その特徴的な音と閉所により恐怖が勝ってしまい、結局受ける事ができませんでした。
それで閉所恐怖症ということが分かったのですが…。
その為、閉所恐怖症の人はMRI検査を受けることは難しいかもしれませんね。
これらの画像検査は、身体麻痺や痺れなど身体に異常がみられ、脳疾患の疑いがある場合の確定診断の為に行われます。病気の診断で活用されますから、健康保険の適応になります。
料金としては、CT検査が約20,000円~約45,000円、MRI検査が約26,000円~約47,000円です。これらは、身体の状態や検査を受ける医療機関によっても異なる為、ざっくりとした目安です。
また、費用負担の割合によっても異なります。
この他に、脳ドックで行う画像検査もあります。
脳ドックとは?
脳ドックとは、人間ドックの中の一つで、私たちが一年に一度受けている健康診断とは違い、受けなければいけないものではなく、任意で受けるものです。
脳ドックの意味は、船の修理や建造をする為の設備である「DOCK(ドック)」からきており、定期的な検査を受けて身体の整備を行い、人生という名の航海を安全に行っていく為のものを指します。
身近なところで言うと、車に車検があるように、人間の身体も定期的な検診を受けることが重要になります。
脳ドッグを受ける事で、脳疾患(脳卒中や脳腫瘍)の早期発見や、脳疾患を発症する前の血管の異常の発見もでき、病気を未然に防ぐことにも役立ちます。
脳ドックの画像検査には、頭部MRI検査、頭部MRA検査、頸動脈エコーという検査があります。
頭部MRI
頭部MRIは、その名の通りMRIの頭部(脳)に焦点を当てた画像検査です。
特徴は、通常のMRI検査と同じです。
画像は、脳を色々な位置からスライスした断面図を診ることができます(リンゴを上から少しずつ横方向に切っていくのをイメージして頂くと分かりやすいかもしれません)
頭部・頸部MRA
MRAは、MRIの原理を利用して、脳の血管の様子を画像化する画像検査のことを言います。
つまりMRI検査の一種でなので、撮影する機械や特徴も一緒です。言ってしまえば、血管をより詳細にチェックする検査ということになります。
これにより、脳の動脈硬化や狭窄、血管の詰まり具合の確認が行えます。
頸動脈エコー
頸動脈は、脳に血液を送る重要な血管です。
これは、首のあたりで顔に血液を送る経路(外頸動脈)と脳に血液を送る経路(内頚動脈)に分かれるのですが、この分かれ道で動脈硬化や血管が細くなりやすくなっています。
頸動脈エコーは、この頸動脈の状態を画像化する検査の事を言います。
脳ドックは、この先脳疾患になるかどうか、すなわち脳疾患の発症を未然に防ぐ為のリスクの確認を行うことが主たる目的になります。その為、基本的には健康保険の対象外です。
脳ドックを受けるべき人!!
では、どんな人が脳ドックを受けた方が良いのでしょうか?それは、以下の項目に該当する人です!
- 脳疾患の中でも脳卒中の発症リスクが高くなる40歳以降の人
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症など脳卒中発症の危険因子がある人
- リンゴ型肥満(内臓脂肪が溜まりお腹が出ている)の人
- 喫煙者
- 家族に脳卒中の既往がある人
- 一時的でも突然の頭痛や吐き気、痺れや呂律が回らないなど異変を感じた人
これらに該当する人は、脳疾患の中でも脳卒中を発症するリスクが高い為、脳ドックを受けて異常の早期発見や予防に努めましょう!
まとめ
脳疾患の早期発見や予防には、画像検査が大いに有効です。
その画像検査には、CT検査やMRI検査があり、様々な角度や位置から脳の中を画像化して診ることができます。また、MRA検査では脳の血管の詳細を診ることができるなど、脳疾患の予防に有効な手段と言えます。
ただ、これらの画像検査を行って脳の精密検査を行うことができる脳ドックは、健康保険の適応外である為、費用が高くついてしまいます。
しかし、脳疾患を発症してしまっては治療費はそれ以上に高額になってしまう事間違いなしです!ですので、将来への保険という意味合いで、自己投資する必要性はとてつもなく高いと思います!
治らない後遺症も病気にならなければ、問題ありませんから!
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