飲酒が好きという方は多いと思いますが、皆さんアルコールが脳に与える影響はご存知ですか?
飲酒によるアルコール摂取は、摂取量によって脳疾患のリスクを高める事にもなるし、低くする事にもなるんです。
では具体的にどのくらいの摂取量が境界線なのか!?
そこで今回は、飲酒によるアルコールの摂取量と脳疾患のリスクの関係に迫っていきます!
目次
飲酒による過量のアルコールは脳疾患のリスクを高める
飲みニケーション!
なんて言葉が一時期に流行りましたが、アルコールを摂取すると気分が良くなって普段内気な人でもコミュニケーションが取りやすくなったりしますよね(^ ^)
ですが、過量摂取は脳梗塞などの脳疾患のリスクを高める事になります!
まあ、過度の飲酒が身体に良くないのはなんとなく想像がつきますが、具体的にどのくらいの量で脳疾患のリスクが高くなるのでしょうか?
まずはその具体的な数値を見ていきましょう!
1日平均アルコール60g以上の飲酒で脳卒中リスクが1,6倍
アルコールの過量摂取は、脳疾患のリスクを高くする事が様々な研究で解明されてきました。
国立がん研究センターなどが行っている「多目的コホート研究(JPHC研究)」では「日本酒にして1日平均3合(アルコール約60g(※))以上の飲酒をする人は、時々飲酒する人(月に1〜3回)と比較して1,6倍脳卒中になりやすい」と報告しています。
引用元:国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター
特に、出血性脳疾患の脳内出血のリスクが高くなり、脳卒中ガイドラインでは出血性の脳卒中のリスクは3.4倍にまで高くなるとの報告もあります。
その原因は、飲酒によるアルコールの過量摂取は高血圧を引き起こすから!
本来、アルコールは少量であれば血圧を下げる作用があるのですが、長い間飲酒を続けていると血圧を上昇させてしまうんです。
- 血管の収縮作用が高まる
- 交感神経が活性化
- 血圧調整の役割があるマグネシウム、カルシウムが失われる
- アルコールのカロリーやつまみの塩分
これにより、高血圧になって血管が破れてしまうというわけです。
また、アルコールには利尿作用がある為、オシッコが出やすくなり、身体の中の水分が失われやすくなります。
みやっちも飲み会で飲酒すると、中盤くらいからトイレと席の往復で忙しくなります(笑)
そして脱水状態となる為、血液はドロドロに。
特に飲酒をした翌朝は、利尿作用と就寝時の発汗のダブルパンチで脱水傾向が強まります。
その為、慢性的な高血圧のある人は、飲酒の翌朝に(血管が詰まる脳疾患である)脳梗塞のリスクが高くなります!
1日平均アルコール摂取量が60g以上になると、脳疾患のリスクが高くなる
1日平均アルコール20g未満の飲酒で脳疾患リスクが減る!
飲酒によるアルコールの過量摂取が脳疾患のリスクを高める事は先述しましたが、適量であればリスクを減らす事ができます。
「多目的コホート研究(JPHC研究)」では、「アルコール摂取量が1日平均20g未満の場合、時々飲酒する人と比較して脳梗塞は約4割少ない事がわかった」と報告しています。
- 善玉コレステロールを増やす
- 血管を拡げる作用がある(顔が赤くなりやすい人に顕著)
- 血液を固まりにくくする
また、赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用と言って、細胞の酸化(サビつき)を防ぐ力があります。
その作用により、血管の動脈硬化を防いで脳疾患の発症を減らしてくれるんです!
適量を守れば飲酒は身体に良い影響があるって事がわかりましたね(^ ^)
1日平均アルコール摂取量が20g未満では、脳疾患のリスクが低くなる
アルコールの適正量とは?
健康の為には1日12~24gのアルコール摂取量が適正と言われています。
具体的には
- 缶ビール約500ml
- 酎ハイ約350ml
- 日本酒約180ml(1合)
- 焼酎約72ml(2分の1合)
- ワイン約240ml(グラス1杯半〜2杯弱)
に相当します。
缶酒は一缶、ワインはグラス1杯、ざっくり言ってしまえば、1杯だけというのが適量と思って良いのではないでしょうか。
過度な飲酒は、脳疾患に限らず、がんや糖尿病、肝臓機能の低下も招きますから、これを機に「もう1杯!」を控えてみては!?
飲酒によるアルコール摂取がもたらす身体への影響
最後に、飲酒によるアルコール摂取のメリットとデメリットについて解説しますね。
血管を詰まりにくくする
アルコールが血管に与える影響としては
- 善玉コレステロールの増加
- 血液をサラサラにする
これらにより、脳疾患のリスクを低くしてくれます。
ですが、アルコールによる血液をサラサラにする効果は、飲酒後4時間ほどで逆に固まりやすくなるなど、リバウンド効果があるので注意が必要です。
これは余談ですが、飲酒によって顔が赤くなりやすい人っていますよね?
これは、体質の関係上、アルコールの代謝(アルコールの分解)に関係している酵素の働きが弱い為に、「アセトアルデヒト」という二日酔いの素となる物質が血液中に増えてしまう事で、血管を拡げる為です。
つまり、「顔が赤くなりやすい人は、もともと身体の中でアルコールの処理が上手くできない」という事です。
今まで見てきた中で、悪酔いをする人は大体顔が赤くなりやすい人だった気もします(笑)
また、生まれ持った体質上アルコールの処理がうまく行えないという事ですから、強くなろうと努力しても限界があるようです。
血糖値を下げてくれる
適量の飲酒で摂取されるアルコールには、血糖値を下げるとともに、血糖の代謝を促進させる効果もあります。
ですが、過量のアルコール摂取では、血糖値は高くなりやすい傾向があります。
精神面へ恩恵
飲酒でアルコールを摂取すると、嫌な事を忘れるとか気分が良くなるって事ありますよね?
その理由は、アルコールの作用によって「理性の座」とも言われる大脳皮質の働きを鈍くし、情動や感情など本能を司る脳の部位が活発になるからです。
また、ワインやビールの香りにはリラックス効果もあるので、ストレス解消にも効果的です。
この点、ストレスが発症の一因となっている脳疾患の予防にも効果を示しますね。
飲酒(アルコール摂取)のデメリット
飲酒のデメリットは、多量のアルコール摂取を長期間続けた場合です。
多量のアルコール摂取が続くと
- 高血圧を引き起こす
- 塩分の多いつまみ類の摂取も多くなる
- アルコールの種類によっては、糖質が多く含まれている(ビールや日本酒、酎ハイなど)ので肥満の原因になる
- 性ホルモンの分泌異常
- 睡眠の質の低下
- 内臓を痛める
などのデメリットが生じます。
寝不足と高血圧の関係については、こちらの記事をチェックしてみてください。
また、日常的に飲酒をしてアルコールを大量に摂取していた人は、認知症の危険性が約5倍も高くなったとの報告もあります。
このように、アルコールは摂取する量によって、毒にも良薬にもなります。
ちなみに、みやっちの父はお酒が好きで毎日飲酒をしています。
恐らく1日のアルコール量は60gを超えていると思います。
食事に関しては、主食や主菜、副菜はほとんど摂らず、つまみがメインです。
そのつまみに醤油や塩などの調味料をたっぷりつける為、塩分量は多いです。
その結果、血圧が高くなり、現在は薬で血圧をコントロールしています。
今現在、病気をしていないとは言え、身体は正直です。
とは言え、お酒はうまく付き合えば身体に恩恵をもたらしてくれますから、上手に付き合っていきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
飲酒によりアルコールが体内に入り込むと、その量によって、身体に良い影響も悪い影響ももたらす事になります。
適量であれば、血管を健やかに保つ事ができる為、脳梗塞や脳出血などの脳疾患の予防になります。
一方、過剰摂取となると、高血圧や動脈硬化を誘発し、結果的に脳疾患のリスクを高めてしまいます。
アルコール量の適量は、12~24g。
缶にしてもグラスにしても一本(杯)を目安にしましょう。
脳出血や脳梗塞などの脳疾患は、乱れた生活習慣が発症のリスクを高めます。
飲酒に限ったことではないですが、何事もほどほどが大切です。
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