成人の3人に1人が高血圧と言われている現代、家庭で血圧を測る人も多いはず。
実は血圧測定は最初に高い傾向があり、姿勢などの測り方によっても多少のばらつきが出ます。
そこで今回は、最初の血圧が高い理由と正しい血圧測定の方法について解説します。
目次
なぜ血圧測定は最初高いのか?
最近では色々なお店で血圧計を購入する事ができるようになってきました。
スマートウォッチでも血圧測定が可能になってきているほど、家庭での測定の機会も多くなってきていますね。
ですが皆さん。
血圧の値って最初が高いのをご存知ですか?
結論から言うと「精神的に軽い興奮状態にあるから」です。
これだけだと非常にざっくりした答えになってしまうので具体的に説明しますね。
血圧測定を行う際、誰でも1回目は少し構えてしまいませんか?
まあ何をするにも一番最初は特に緊張しますよね。
初めての美容院とか(笑)
実際、みやっちが仕事で利用者さんの血圧測定を行う際、大抵の人は数値が気になっている為に最初の値は高めに出てしまうケースが多いんですよね。
また、血圧計の動きに無意識に呼吸を合わせに行ったりと意識的にも無意識的にも体は反応してしまっているんですね。
一番最初の血圧測定では、意識的にも無意識的にも構えてしまう為、通常よりも高い値が出やすい
血圧が高くなるメカニズム
精神が興奮状態にあると最初の値が高くなりやすいと先述しましたが、その理由は自律神経にあります。
自律神経とは、内臓や体温などの働きを休みなく無意識にコントロールしてくれる有難い神経の事です。
この自律神経には、活動する時に有意になる交感神経とリラックスする時に有意になる副交感神経という2種類が存在しています。
身体や脳を働かせて活動のパフォーマンスを上げたい時には交感神経が働いて心臓や脳、筋肉の働きが活発になります。
一方、身体や脳を休ませてリラックスしたい時には副交感神経が働いて心臓や脳、筋肉の働きを抑えます。
- 交感神経:アクセルの役割で心身を活動的にする
- 副交感神経:ブレーキの役割で心身をリラックスさせる
この二つの神経はシーソーのように相互関係にあるので、興奮している時にはリラックスできないし、その逆も然りです。
画像引用先:「Take it easy for HSP」
これらは精神状態によって切替わるので、ストレスを抱えている時は交感神経が優位になる時間が多くなってしまいます。
そうなると就寝時も軽い興奮状態から切り替える事ができず、睡眠が浅くなる為に心身ともに疲れやすくなるわけです。
軽い興奮状態=交感神経が優位になっている
最初の数値を正確に測定するには?
なので、できるだけ数値を下げるには副交感神経を優位にさせる必要があります。
特に病院で血圧測定を行う場合、血圧は高い数値が出やすいです。
その理由は「白衣高血圧」と言って、その名の通り白衣を見ると軽い興奮状態(=交感神経が優位)になってしまうから(笑)
白衣を見てリラックスできるという人は中々いないと思いますからね。
実際、みやっちの担当している利用者さんでも普段の値よりも受診時の方が高めに出るという人は結構多いです。
また、病院の匂いや雰囲気も緊張感を高める要因になっていますね。
なので最初の数値が高くなってしまうのを避けるには、できるだけリラックスした状態で測定に望む必要があります。
具体的には
- 深呼吸をする
- 測定前にストレッチを行っておく
- 首元を温める
- 前日はしっかり睡眠を取る
- 正しい姿勢で測定に望む
姿勢に関しては、以下で具体的にお伝えしていきたいと思います。
【最初高い】を回避する為の正しい血圧測定の体勢
血圧測定の結果は測定する体勢によっても左右されます。
家庭用血圧計には大きく「手首タイプ」と「上腕タイプ」の2種類があります。
血圧測定時の正しい姿勢については以下の画像を参考にしてください。
画像引用元:OMRONホームページより
ここで特に注目して欲しいのが、心臓の高さに合わせて測定を行う事。
その理由は、血液は心臓をスタート地点として全身に送り出される為、測定する腕の位置と心臓との位置関係で血流に変化が起きる為です。
具体的には
- 心臓より腕の位置が高い→血圧が低くなる
- 心臓より腕の位置が低い→血圧が高くなる
高い場所には流れにくくて低い場所は流れやすいって事ですね。
血圧高めの人は腕が心臓より低くなっていないか要注意ですね。
2回目の数値が正確
先述もしましたが、1回目の血圧測定時にはどうしても意識してしまい通常よりも高い数値が出てしまう方が多いです。
あの腕や手首を締め付ける感じも緊張感を引き立てますからね…。
一般的には、緊張が緩和される2回目が正しい数値と言われています。
なので最初が高い場合は、2回測定してみると良いです。
その際は、4〜5分間安静にしてから再度測定すると数値が下がる事が多いです。
最初の数値が気になる方はお試しあれ。
また、血圧測定は「起床後と寝る前に2回ずつ」が基本となっています。
タイミングとしては、起床後一時間以内(食事前)と排尿後に1回ずつ、就寝前 に2回が原則と言われています。
血圧測定の注意点
血圧測定時に以下のような項目に該当すると、数値が高くなりやすいです。
- あぐらをかく
- 息を止める
- 飲酒やカフェイン摂取、喫煙後
- 運動直後
- 尿意のある時
など。
ここで注意したいのは、結果に一喜一憂しすぎない事。
血圧は測定する部屋の環境や心理状態など、その時その時の状況によっても変動します。
ましてや通常で(上の値が)160-170もある人が測り方を意識したからといって120-130まで下がるなどという事はまずありえません。
血圧はあくまでも血管の状態を教えてくれる指標なので、数値を参考に対策に講じる事が重要です。
詳しくはこちらの記事でも解説していますので参考にして下さい。
まとめ
初めて何かを行うときは緊張してしまうもの。
血圧測定の最初が高いのは、その緊張状態(=交感神経が優位)を表したものです。
なので正確に測定する為にはできるだけリラックスした状態で望む必要があります。
今一度、血圧測定時の姿勢をチェックしたり心を落ち着かせる習慣を付けてみてはいかがでしょうか。
たかが血圧と思われるかもしれませんが、血圧が不安定な状態(=姿勢)が続くと脳卒中などの病気のリスクを高める事になりますので、要注意。
こちらの記事も参考にしてください。