血圧は、高くなると脳卒中や心疾患の発症リスクが高くなります。
その血圧を下げる為の方法として、食事や運動、薬、最近ではサプリメントなど様々な方法がありますが、この他にもツボを押す事で血圧を下げる効果が得られるかもしれないんです!
そこで今回は、血圧を下げる効果のある手のツボに関して解説していきます。
そもそもツボって何?
よくテレビなどで、芸能人の方が足のツボを押されて痛がっている場面を見たことがあると思いますが、その際「〇〇(内臓)が悪くなっていますね」などと言って悪くなっている内臓の場所を特定していたかと思います。
ツボとは一般的な呼称ですが、東洋医学ではツボのことを「経穴(けいけつ)」と呼んでいます。ツボ(経穴)は、気と血のエネルギーの通り道である「経絡(けいらく)」の反応点を指します。
この経絡には、東洋医学の基本概念である気血が流れていると言われており、気とは、形がなくて目に見えない体内のエネルギーを指し、血とは目に見えるエネルギーを指し、血液だけでなく体液を総称したものです。
東洋医学では、この「気」と「血」によって生命活動が成り立っており、これらが問題なく体内に流れていることで正常な身体機能が維持できると言われています。
しかし、身体のどこかに異常が生じると、その病態と関連した経絡に異常が伝わり、それが反応点であるツボ(経穴)を押した際に異常反応(痛み)として表れます。
脳が、神経を通じて筋肉や内臓と繋がっているように、内臓とツボ(経穴)を繋いでいるのが「経絡」になります。
今回解説するツボは、東洋医学に基づいた考え方で、このツボ(経穴)に対して行う治療方法に、鍼や灸があります。
東洋医学とは、人間に備わっている自然治癒力を主軸として考える治療法のことです。従って、薬も自然界にある物(薬草など)を加工した生薬や漢方薬が使われています。
対して西洋医学とは、病院で行われるような手術や薬物療法、化学療法など、病気に対して直接的に働きかける治療方法です。
ツボで血圧が下がる?
血圧が高くなっても自覚症状がない事が多い為、じわじわと血管に負担をかけて動脈硬化や脳卒中のリスクを高め、ある日突然病気を発症する事になってしまいます!
その為、高血圧は別名「サイレントキラー」と呼ばれています。
血圧が高くなってもあまり気にしない方が多い印象を受けますが、病気を発症してからでは取り返しがつきません。
人は、緊急を要さない事は後回しにする傾向がありますからね。そして問題が起きてから焦り、後悔する人が多いです。
血圧を下げるには、食事や運動習慣をつける、規則正しい生活を送るなど、生活習慣を整える事が大切ですが、ツボを押す事でも血圧を下げる事ができます。
では、ツボを押す事で、血圧が下がるとは何故なのでしょうか?
血圧を調整しているのは、自律神経の働きによります。
自律神経とは、呼吸器や消化器、循環器など生命維持に不可欠な機能が24時間休まず働けるように、自分の意思とは関係なく働きかけている神経の事を言います。
これには、活動時や昼間に主に働く交感神経、睡眠時や夜間に主に働く副交感神経があります。この両者がバランスよく働く事で、活動と休息のメリハリがつき、健やかな状態を保つ事ができます。
つまり、仕事や運動をする時など、ここぞという時に質の高いパフォーマンスを行う時には、交感神経の働きで身体は活発になり、血圧は上がります。
対して、体力を回復する心を落ち着かせる時などの休息時や睡眠時には副交感神経が優位になり、身体はリラックスし、血圧は下がります。
ドラゴンクエストなどのロールプレイングゲームで、体力を回復する為に宿屋に泊まるのも理に適っているのかもしれませんね(笑)
そして、自律神経は情動の影響を受けやすく、その時の感情(不安や安堵、疲労や興奮など)に応じて交感神経と副交感神経をコントロールしています。
ですから、身体的・精神的ストレスが続くと交感神経が優位になる時間が多くなり、結果として高血圧が常態化します。
この血圧を下げる一つの方法として、経穴(ツボ)の指圧があります。
ツボを押すことによる刺激で、血流が促進(交感神経が優位)され、血行が良くなったことで身体は次第にリラックス状態になり、副交感神経が優位となって血圧が下がるというわけです。
血圧が下がる手のツボ
今回は、血圧が下がる手のツボに焦点を当てて解説します。
合谷(ごうこく)
手の親指と人差し指の骨の付け根の間にあるツボです。
【ツボの押し方】
合谷のツボを親指と人差し指で挟んで3分間指圧します。強さは少し痛みを感じる程度です。
内関(ないかん)
掌側の手首のシワの中央(緑の点)を探します。
そこから、肘に向かって縦に指を三本添えます。この時、腕の腱が二本あるので、腱と腱の間に指を添えます。
肘に一番近い指がある点(赤い点)が、内関です。
【ツボの押し方】
親指で「5秒押し続ける⇔力を抜く」を1分ほど繰り返します。
十宣(じっせん)
このツボは、手の指全ての先端にあり、全部で10箇所(手の指10本)あることから、十宣です。
【ツボの押し方】
反対側の親指と人差し指で、つまむようにして指(ツボ)を挟んで圧迫します。
時間は、各指で「10秒×2セット」行います。
今回は手のツボに関して解説していきましたが、実はツボを押して血圧が下がるという根拠は明確には分かっていないようです。
しかし、テレビなどでも取り上げられているように、効果を感じている人がいるのも事実です。自分でやるだけなら、タダですから物は試しで試してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
ツボとは、東洋医学では経穴と呼ばれ、身体のエネルギー源である気血の通り道である経絡上にあります。
ツボは、圧迫刺激を加えると体内の異常に反応して痛みとして表れ、異常個所を特定して諸症状の緩和を図ることができます。
ツボを押すことで血行の改善になり、血圧が下がる効果もあります。血圧が下がる効果のある手のツボには、内関や十宣があります。
手のツボの圧迫は、出先でも手軽に行える為、試しに行ってみては!?
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