血圧において、実に約3割の人が高血圧と言われた事があるそうです。また、その数は年々増加しており、高血圧になる事で脳卒中や心疾患など病気のリスクも増大してしまいます。
だからこそ、改善が必要です!
今回は、血圧を下げる効果の期待できる食品を一覧にして紹介します。
食べる物を意識するだけで、血圧の管理も可能になりますので、是非参考にして下さい!
目次
血圧を上げる食生活
血圧は、病気だけでなくストレスや肥満、睡眠不足など、様々な事が原因で高くなります。
中でも食事は、誰でも自由に選択でき、今では多種多様な食品もある為、高血圧に繋がりやすい生活習慣でもあります。
その為、血圧を下げる食品を紹介する前に、まずは血圧を上げてしまう食生活について解説します!
血圧を上げてしまう食生活とは、ズバリ!
「塩分の摂りすぎ」
です!!
これを見直さない事には、いくら血圧を下げる食品を知っても効果は薄いでしょう。
日本には、和食という食文化がありますが、和食には塩分の多い食品がたくさんある為、日本人は高血圧になりやすいと言われています。
例えば、醤油や味噌などの調味料や食品の中でも梅干や漬物など塩分を多く含んでいます。
また、最近では外国から多くのファーストフード店が日本に参入してきていますし、ラーメンやピザなども好きな人は多いですよね。
厚労省では、食塩摂取量の目標値(2015年版)として、
「男性8.0g、女性7.0g」
を掲げています。しかしこの数値は、「高血圧になっていない人」の目標値です。
高血圧と言われている人の食塩摂取量の目標値は、
男女ともに6g未満と言われています。
ちなみに、日本人の食塩摂取量の平均(2013年の調査)は、
男性11.1g、女性9.4g
です。血圧が高い人は、3〜5g近くも減塩する必要があるという事です。
その他、糖分や動物性脂肪の摂り過ぎも高血圧の要因となります。
塩分で血圧が上がる理由
では、何故塩分を摂り過ぎると血圧が高くなるのでしょうか?
それは、塩分に含まれるナトリウムが関係しています!私達の体には、ナトリウム濃度と水分の量を一定量に調整する機能(浸透圧)が備わっています。
ですから、塩分をたくさん摂取した場合、血液中のナトリウム濃度が濃くなりますから、ナトリウム濃度を薄めようと喉の渇きが起こり、水分摂取を促して血液中に水分を多く取込みます。
そして、体内で余分に増えたナトリウムと水分は、腎臓の機能によって尿として体外に排出されます。
しかし、不摂生により塩分の過剰摂取が常態化すると、腎臓への負担が増して機能が低下し、結果として尿の排出が不十分となります。
これにより、体内の血液量が増えて血管への圧力が高まり、血圧が高くなります。
川の水で例えると、普段は穏やかな水の流れであっても台風などで増水すると、氾濫してしまうくらい水の勢いが増してしまう様子に似ています。
従って、塩分の摂りすぎは血圧を下げる為には見過せないんです!
塩分の多い食品をチェック!
では、どのような食品に塩分が多く含まれているのでしょうか?
- 麺類(うどん・ラーメンなど):5〜8g
- 丼物(カツ丼・天丼など):4〜5g
- 定食:4〜8g
- 寿司(しょう油込み):5g
- 梅干し(一個10g) :2g
- 味噌汁(1杯):1,5g
麺類に関しては、汁まで飲み干した場合の数値です。また、カップ麺の食塩量も同等近く多くなっています。
丼物は、揚げ物で特に高くなっています。
定食は、揚げ物はもちろんの事、刺身や寿司など塩分の少ない食品でも醤油などの調味料を使うと高くなります。
以下は、高血圧を伴う動脈硬化の要因となる動物性脂肪の多い食品の一覧も載せておきます。
- ラード
- 乳製品(牛乳、チーズ、バター)
- 肉類
- 卵
- 洋菓子(チョコレート、ケーキ、アイスクリーム、ドーナツ、ビスケット)
洋菓子類は、材料に動物性脂肪の多いバターや牛乳、たまごなどが使われています。
食塩量をチェックしよう!
ここで、食品に含まれる食塩の量をチェックする方法を紹介します!
最近では、コンビニやスーパーで売られている食品の表示欄に「食塩相当量」が表示されています。
これはそのまま参考にしてもらえれば良いのですが、中にはナトリウムとして表示されている場合があります。
ここで注意したいのが、食塩相当量=ナトリウム量ではないという事です!
「ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)」
もしくは、
「ナトリウム量(g)×2.54=食塩相当量(g)」
で計算できます。
まぁ、ここまで細かく計算する事もあまりないかもしれませんが、参考にして下さい!
血圧を下げる食品を一覧で解説!
ここまで、血圧と食品の関連性について解説してきました。
ここからは、血圧を下げる食品を効果別に一覧にして紹介します。
血圧を下げる食品【野菜】
- ナス
- トマト
- キュウリ
- ほうれん草
- カボチャ
- 里芋
- アボカド
- パセリ
- モロヘイヤ など
血圧を下げる食品【果物】
- バナナ
- キウイ
- イチゴ
- リンゴ
- みかん
- メロン
- グレープフルーツ など
血圧を下げる食品【その他】
- キノコ類(しめじ、えりんぎ、えのき、まいたけ)
- 豆類(納豆、豆腐、おから、きなこ)
- ヨーグルト
これらに共通するのは、「カリウム」を多く含むという事です!
カリウムは、細胞内液に存在するミネラルの一種です。
血圧は、細胞外液であるナトリウムと細胞内液であるカリウムがバランスをとりながら調整しており、カリウムは過剰に摂取されたナトリウムを体外に排出する働きがあります。
ですから、塩分の多い食品が並ぶ時には、上記に紹介したカリウムを多く含む食品を組み込むと血圧を下げる効果が期待できます!
この中で特にカリウムを多く含み、食卓に取り入れやすいのが、アボカドです!
森のバターとも呼ばれているアボカドですが、カリウムの含有量が多く食物繊維も多い為、血液をサラサラにする効果があり、血圧を下げる食品としては優秀です!
その他、ほうれん草やモロヘイヤにもカリウムは多く含まれており、またトマトにはリコピンが多い事から、抗酸化作用によって動脈硬化を防ぎ、高血圧に効果的と言われています。
果物では、「バナナ」にカリウムが豊富に含まれています!
その他、イチゴやリンゴ、グレープフルーツに多く含まれています。
豆類では、納豆の「ナットウキナーゼ」という酵素が血液をサラサラにしてくれる為、血圧を下げるのに優秀な食品となっています!
ここで、カリウムの多い食品を食卓に組み込む上で注意しなければいけない点があります!
それは、カリウムは、熱と水に弱い為、煮たり焼いたりすると吸収率が悪くなるという事です。その割合は、実に約30%もカリウムが失われてしまいます。
ですから、できる限り未調理で摂取が可能な食品はそのままで摂取し、調理後でもカリウムが溶け出した汁と一緒に具材を摂取できるスープなどはオススメです。
それでも、塩分の多い料理の時は、上記で紹介したカリウムを多く含む食品を組み込むと血圧を下げるのに効果的です。
例えば、バナナやリンゴを加えたフルーツヨーグルトやラーメンにほうれん草のトッピング、肉類にはきのこを合わせるなどなど。
血圧を下げる食品一覧【青魚】
- さんま
- いわし
- ぶり
- まぐろ
- はまち
- さけ
- さわら
これら青魚と呼ばれる食品には、DHAやEPA(IPA)が多く含まれています。
DHAやEPA(IPA)は、不飽和脂肪酸の一つで、血液を固まりにくくするとともに、血管の弾力性を高める事で血圧を下げる効果があります。
また、DHAやEPA(IPA)の成分は、刺身で100%摂取できると言われています。
余談ですが、マグロやサケは背中が濃い青色をしていることから、青魚に分類されます!
血圧を下げる食品一覧【調味料】
- お酢
お酢には、血圧を下げる二つの成分が含まれています。
一つ目は、「クエン酸」です。
クエン酸は、血液をサラサラにする作用がある為、血の塊ができにくくなり、また血液の流れが良くなることで血管壁への圧が軽減され、血圧を下げる効果が期待できます。
二つ目は、「アデノシン」です。
アデノシンは、血管を膨張させる作用がある為、血液の流れを良くして血圧を下げる効果があります。
お酢は、これらの成分の働きで、血液の性質を整えるとともに、血管を広げる事で血圧を下げる事ができます。
お酢は体に良いと言われていましたが、こんな効果があったんですね。
- えごま油
- 亜麻仁油
最近名前を良く聞くようになった「えごま油」や「亜麻仁油」は、αリノレン酸が多く含まれています。
αリノレン酸は、オメガ3脂肪酸の一つで、人間の体に必須の脂肪酸です。
αリノレン酸は、体内に摂取されるとDHA・EPAに変換される為、血圧を下げる効果があります。
また、アレルギーの抑制効果やうつ病にも良いと言われています。
- オリーブオイル
- キャノーラ油
- ひまわり油
これらは、オレイン酸を多く含んでいます。オレイン酸は、悪玉コレステロールを減らして血圧を下げる効果があります。
悪玉コレステロールは、細胞膜やホルモンの形成に必要なコレステロールを身体中に送り届ける役割があります。
しかし、過量になって血管内に余った悪玉コレステロールが停滞すると、動脈硬化を引き起こして高血圧の要因となります。
以上、血圧を下げる効果のある食品を種類別に一覧で紹介しました。
血圧を下げるには、先述した食品を食事に取り入れるとともに、動物性脂肪や糖質の多い食品の食べ過ぎに注意しましょう。
まとめ
血圧を下げる食品のポイントの一覧です。
- カリウムを多く含む食品 → アボカド、バナナ、納豆など
- DHAやEPAを多く含む食品 → 青魚(サバやアジ、サケなど)
- クエン酸、アデノシンを含む「お酢」
- αリノレン酸やオレイン酸を多く含む不飽和脂肪酸の油 → あごま油、オリーブオイルなど
塩分や動物性脂肪の多い食品の摂りすぎに注意し、上記の食品を積極的に食事に取り入れて高血圧を改善しましょう!
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