金時豆は良質なタンパク質が含まれている他、ビタミンB1やマグネシウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
ですが、調理の過程で出る煮汁にも貴重な栄養素が含まれているのをご存知ですか!?
実は金時豆の煮汁には老化を防ぐ効能のある栄養素が含まれているんです。
そこで今回は、煮汁も含めた金時豆の栄養素と効能、そして煮汁に秘められた効能について分かりやすく解説していきます!
目次
金時豆の栄養素はビタミン・食物繊維が豊富
金時豆はいんげん豆の一種で、北海道で栽培されているいんげん豆のうち、6〜7割を金時豆が占めています。
金時豆は粒の形や味も安定している事から、煮豆用に最も適していると言われています。
その為、今回は主に金時豆で作られる甘煮の栄養素と効能、そして煮汁に含まれる栄養素にも着目していきますよ(^^)
まずは金時豆の甘煮の栄養素をチェックしていきましょう!
ただ、金時豆の栄養素だけを見てもいまいちピンとこないと思うので、一食あたりの栄養素の摂取目安と比較しています。
三大栄養素とエネルギー | 小皿一皿(91.4g)あたりの金時豆 | 一食あたりの栄養素の目安量 |
エネルギー(kcal) | 153 | 536-751 |
タンパク質(g) | 7 | 15-34 |
脂質(g) | 0.75 | 13-20 |
炭水化物(g) | 29.87 | 75-105 |
ミネラル | ||
ナトリウム(mg) | 249.44 | 〜1000 |
カリウム(mg) | 522.1 | 833 |
カルシウム(mg) | 45.21 | 221 |
マグネシウム(mg) | 52.99 | 91.8 |
リン(mg) | 140.8 | 381 |
鉄 | 2.09 | 3.49 |
亜鉛(mg) | 0.88 | 3 |
銅(mg) | 0.26 | 0.24 |
マンガン(mg) | 0.18 | 1.17 |
ヨウ素(μg) | 0.03 | 43.8 |
セレン(μg) | 0.67 | 8.3 |
クロム(μg) | 1.11 | 10 |
モリブデン(μg) | 38.84 | 6.7 |
ビタミン | ||
ビタミンA(μg) | 0.34 | 221 |
ビタミンE(mg) | 0.03 | 2.2 |
ビタミンK(μg) | 2.72 | 17 |
ビタミンB1(mg) | 0.17 | 0.32 |
ビタミンB2(mg) | 0.08 | 0.36 |
ナイアシン(mg) | 0.72 | 3.48 |
ビタミンB6(mg) | 0.13 | 0.35 |
葉酸(μg) | 29.89 | 80 |
パントテン酸(mg) | 0.22 | 1.5 |
ビオチン(μg) | 3.57 | 17 |
食物繊維総量(g) | 6.56 | 5.7〜 |
金時豆の栄養素の含有量を見ると、糖質・たんぱく質をはじめ、ビタミンB群やマグネシウム、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。
特に黄色で色を付けたカリウム、マグネシウム、ビタミンB1、食物繊維に関しては、小皿一皿で一食に必要な栄養素の約50%以上を摂取できます!
しかも食物繊維に関しては一食分の量をクリアできちゃう程( ´ ▽ ` )ノ
ビタミンや食物繊維は日本人に不足しがちな栄養素でもあるので、これは嬉しいですね。
脂質が少ないのも大きな特徴です!
そして金時豆にはポリフェノールがも多く含まれています。その量はなんと黒豆の約3倍!
ここからは、先述した栄養素や機能性成分であるポリフェノールなど金時豆を食べると得られる効能について解説していきます。
金時豆の効能
では金時豆の栄養素にはどんな効能があるのか、詳しく解説していきますね。
腸内環境を整えてくれる効能
金時豆の栄養素には様々な効能がありますが、中でも着目したいのが「食物繊維」
金時豆(小皿一皿分)には、6,56gの食物繊維が含まれていて、これは成人が1日に必要としている量(18-20g以上)の約1/3にあたります。
しかも、食物繊維が豊富な事でも有名なゴボウよりも多く含まれてるんです!
食物繊維を多く含む食品の代表としてよく引き合いに出されるごぼう(ゆで)の100g中の食物繊維総量は6.1g、さつまいも(蒸し)は3.8gですが、あずきやいんげんまめ(ゆで)は12〜13gとごぼうの約2倍、さつまいもの約3倍もの食物繊維を含んでいます。
引用元:日本豆類協会ホームページ
- 便通改善
- コレステロール値の低下
- 食後血糖値の上昇を抑える
- 消化・吸収が穏やかなので、腹持ちが良く食べ過ぎを防止できる
- 腸内環境を整えて善玉菌を増やす
- 大腸癌をはじめ、高血圧や動脈硬化、糖尿病、脂質異常症を予防する
以上のように、食物繊維には実に様々な効能があります。
平成29年の国民栄養健康調査によると、食物繊維の実際の摂取量は、20歳以上で一日に平均15.0g(75歳以上で一日に平均15.9g)しか摂取できていないようです。
日本人に不足気味な栄養素なので、しっかりと摂取していきたいですね!
疲労回復で活力アップ!
金時豆に含まれる「ビタミンB1」には、摂取した糖質からエネルギーを生み出したり、神経機能を正常に保つ働きがあります。
脳や筋肉、内臓は主に糖質からエネルギーを得ていて、それらが動く為には神経を通じた伝達が必須になります。
ビタミンB1は、それらの働きを促進して疲労回復や活力アップの効能に繋がっていきます!
骨を強くする!
金時豆に含まれる「マグネシウム」は、カルシウムとともに骨を作る重要な働きがあります。
そして、補酵素としてエネルギー生成のサポート役も担っているんです!その為、ビタミンB1と共に活力アップの効能にも繋がっているわけですね。
また、血管を拡げて血圧を下げたり、血栓(血の塊)を作りにくくする効能もあります。
金時豆の栄養素にはカリウムも豊富で、体内の余分なナトリウムを排泄して血圧を調整している。これにより高血圧予防の効能がある。
アンチエイジング
金時豆には黒豆の3倍のポリフェノールが含まれていると先述しましたが、赤ワインと比較しても1.5倍も多く含まれています!
ポリフェノールの効能の魅力は何と言っても「抗酸化作用」
抗酸化作用とは、細胞を錆びつかせて老化を促進する活性酸素を除去する物質の事。
つまり肌の老化防止に働いてシミやシワを防ぐ効能があるって事です(^^)
抗酸化活性は種や品種によりかなり差があり、あずき、金時豆など濃い種皮色を持つ豆の方が高い抗酸化活性を示すことや、ポリフェノール含量と抗酸化活性との間には高い相関関係があり、抗酸化活性の大部分はポリフェノールに由来することなどが判明しています。
引用元:公益財団法人 日本豆類協会
金時豆の抗酸化作用はかなり期待できますね!
ポリフェノールには他にも内臓や血管の老化を防いでガンや動脈硬化などを防ぐ効能もあるので、外からも中からも健康を後押ししてくれる大変ありがたいお豆です(^^)
ですが!金時豆の栄養は調理過程で少なくなっている可能性があるのをご存知ですか!?
抗酸化作用を手軽に得るならマカダミアナッツもオススメです。詳しくはこちらの記事をチェック!
金時豆の煮汁にも栄養が含まれている
金時豆は甘煮のように煮て調理する事が多いのですが、実は煮汁にも栄養が含まれているんです!
そこで、金時豆(いんげん豆)の栄養素を煮る前と煮た後で比較してみたいと思います。
三大栄養素 | 甘煮小皿一皿あたり | |
甘煮(91.4g) | 生(34g) | |
エネルギー(kcal) | 153 | 113 |
タンパク質(g) | 7 | 6.77 |
脂質(g) | 0.75 | 0.75 |
炭水化物(g) | 29.87 | 19.65 |
ミネラル | ||
ナトリウム(mg) | 249.44 | 0.34 |
カリウム(mg) | 522.1 | 510 |
カルシウム(mg) | 45.21 | 44.2 |
マグネシウム(mg) | 52.99 | 51 |
リン(mg) | 140.8 | 136 |
鉄 | 2.09 | 2.04 |
亜鉛(mg) | 0.88 | 0.85 |
銅(mg) | 0.26 | 0.26 |
マンガン(mg) | 0.18 | 0.18 |
セレン(μg) | 0.67 | 0.34 |
クロム(μg) | 1.11 | 1.02 |
モリブデン(μg) | 38.84 | 37.4 |
ビタミン | ||
ビタミンA(μg) | 0.34 | 0.34 |
ビタミンE(mg) | 0.03 | 0.03 |
ビタミンK(μg) | 2.72 | 2.72 |
ビタミンB1(mg) | 0.17 | 0.17 |
ビタミンB2(mg) | 0.08 | 0.07 |
ナイアシン(mg) | 0.72 | 0.68 |
ビタミンB6(mg) | 0.13 | 0.12 |
葉酸(μg) | 29.89 | 28.9 |
パントテン酸(mg) | 0.22 | 0.21 |
ビオチン(μg) | 3.57 | 3.2 |
食物繊維総量(g) | 6.56 | 6.56 |
※甘煮にすると水分を含む為、煮る前の量よりもg数は増えています。
参考元:カロリーSlism
金時豆の甘煮は、作る過程で煮汁をほとんど破棄してしまうのですが、上記を見ると栄養素に変化はあまりないようですね。
ビタミンの中には熱に弱い栄養素もあるのですが、金時豆は加熱調理を施してもほとんどの栄養素が流れ出てしまう心配はないのかもしれません。
ただ、甘煮にする事で糖質量が増えており、特にナトリウムの量が激増している点には注意!
ナトリウムは、わかりやすく言えば塩分の事。過剰摂取は高血圧を引き起こして脳卒中や心筋梗塞などの疾患リスクを高めてしまうので注意が必要です。
金時豆の煮汁にポリフェノールが含まれている!?
主要な栄養素だけを見ると変化は少ないのですが、先述したように金時豆の色味成分にはポリフェノールが含まれています。
金時豆を煮ると煮汁が赤色に変色しますが、この時に煮汁にポリフェノールが流れ出ている可能性があるんです!
餡(あずきやいんげん豆を煮て潰して砂糖を加えたもの)の抗酸化活性は煮熟粒の段階で原粒の約7割に低下し、さらに水さらしの工程を経た生餡の段階では約2割に低下することなどが明らかにされています。
引用元:公益財団法人 日本豆類協会
つまり、アンチエイジングや生活習慣病の予防効果も減少してしまうって事!
ですが安心してください( ´ ▽ ` )ノ
金時豆の調理方法は甘煮だけにあらず!
最後に煮汁を逃さない調理方法をお伝えしますよ(^^)
金時豆の煮汁を捨てない活用方法
金時豆の煮汁を捨てないで活用する方法は2つ!
一つは、甘煮にする際に煮汁を捨てない事。
煮汁を捨てずに、アクだけをすくって捨てれば煮汁を無駄にせずに甘煮を作る事が可能です(^^)
ただ、煮汁には苦味成分がある為、味の変化がある事には注意が必要です。
二つ目は、スープやカレーライスなど煮汁ごと使った調理方法です!
こちらのサイトでは煮汁を捨てずに活用した様々なレシピが掲載されているので参考にして下さい。
市販されている加工豆や調理済みの豆には水煮の他、「蒸煮」があります。
水煮と比較して栄養分の流出が少ないので、加工されている金時豆を購入する際は蒸煮を選ぶのもオススメです。
まとめ
金時豆の栄養素は、タンパク質やビタミンB1、マグネシウムや食物繊維が豊富に含まれていて、便通改善や疲労回復などの効能があります。
中でも注目したいのが、金時豆の色味成分でもあるポリフェノール。何かと健康効果があると言われている栄養素ですが、その魅力的な効能はアンチエイジング!
金時豆を老化を防ぐ効能があるので、積極的に取り入れたい食品です。
ただ、煮汁にはポリフェノールが流れ出てしまう可能性がある為、出来るだけ煮汁を捨てない調理方法がオススメ!
多少の苦味はあるかもしれませんが、健康・美容成分が含まれていると思えば苦にはならないのでは!?
こちらの記事もご覧ください。