知っていましたか?
実はめまいやふらつきも高血圧が影響して起きる事があります。
そして、高血圧が元で起きているめまいやふらつきには、ある重大なリスクが潜んでいるかもしれないんです!
では、高血圧でなぜめまいやふらつきが起きるのか?
今回は、なぜ高血圧でめまいやふらつきが生じるのか、徹底解説していきます!
目次
めまいが起きるメカニズム
めまいやふらつきは、様々な事が原因で生じ、その原因は大きく3つに分けられます。
回転性めまいはなぜ起きるのか?
回転性めまいの発生場所は、三半規管と呼ばれる耳の奥にある感覚器官です。
この三半規管には、リンパ液と呼ばれる液体で満たされていて、身体を動かすとリンパ液も動きます。
コップの中の水が動くのと同じですね。
そして、このリンパ液の動きの情報を脳幹にある平衡感覚の中枢に送る事で、体がどこに傾いているのかを感知します。
これは、目に見えるようなふらつきに対してだけではありません。私達が座ているときや立っている時、実は微妙に揺れているんです。
この揺れを最小限に減らして、ふらつきを起こさないように制御しているのが三半規管(小脳もバランス保持に関与しています)です。
耳の中の液体が身体の傾きを教えてくれるから、バランスを取る事ができてふらつきを最小に抑えてくれるんですね。
また、視覚情報や首などの筋肉からも情報を脳に送り、バランス保持に役立てています。
ですから、何かしらの原因によって三半規管に異常が生じると、回転性のめまいやふらつきが生じます。
原因には、メニエール病や前庭神経炎、内耳炎などがあります。
動揺性めまいはなぜ起きるのか?
動揺性めまいは、フワフワと雲の上を歩いているようなふらつきを起こすのが特徴的なめまいです。
これは、平衡感覚の中枢である脳幹や小脳に異常や機能低下が起きる事で生じます。
脳幹は自律神経の中枢部(具体的には、中脳の上にある視床下部)であり、呼吸・心拍・血圧・嘔吐反射を調整しています。
その為、脳幹に異常が生じると、めまいやふらつきの他、呼吸苦や吐き気、高血圧・低血圧を起こす可能性もあります。
脳の機能障害の他にも自律神経失調症やストレス、薬の副作用でも、めまいやふらつきを伴う事があります。
眼前暗黒感はなぜ起きるのか?
眼前暗黒感とは、目の前が真っ暗になって意識を失いそうになるめまいの事です。
その原因は、血液循環が悪くなることで脳が虚血状態になる為です。
例えば立ちくらみ。
別名は「起立性低血圧」ともいうのですが、急に立ち上がるなど、頭の位置が高くなった際に下半身に溜まった血液が脳に戻りにくくなり、脳が虚血状態となってめまいを伴います。
ストレスなどが原因となって自律神経の働きが乱れると起立性低血圧を起こしやすくなります。
なぜ、高血圧でめまい・ふらつきが起きるのか?
では、高血圧はなぜめまいやふらつきを引き起こすのでしょうか?
それには、3つの理由が考えられます。
高血圧は脳への血流を悪くする
高血圧がなぜ脳の血流を悪くするのか!
それは、脳に備わっている「血流自動調節能」と呼ばれる機能が関与しています。
血流自動調節能とは、全身の血圧が変動しても脳血管の収縮や拡張によって脳血流を一定に保つ機能の事です。
しかし、この機能にも限界があります!
脳血流を一定に保つことができる血圧の範囲は、約60〜150mmHgの範囲と言われています。
この範囲内の血圧の変動であれば、血流は一定に保たれるわけです。
しかし、この範囲を超えるような高血圧が継続すると、血圧の低下に対して正常血圧者よりも高い血圧値で脳血流の低下が生じます。
つまり、慢性的な高血圧によって脳血流の自動調節能の働きが乱れると、血圧が低下した際に血流が低下しやすくなります。
これにより脳は虚血状態を起こし、めまいやふらつきの原因となります。
また、高血圧で動脈硬化を起こすと、血液は狭くなって硬くなった血管内を無理にこじ開けて流れていきます。
結果、脳への血流が悪くなり虚血状態となってめまいやふらつきを伴うこともあります。
高血圧で脳疾患を起こす
脳疾患のうち、めまいを起こす原因として頻度の多いのが「一過性脳虚血発作(TIA)」です。
一過性脳虚血発作とは、脳に流れる血液の流れが一過性に悪くなり、運動麻痺や感覚障害などの症状が現れ、24時間以内に完全に消失することをいいます。
一過性とはいえ、血管には血流を遮断してしまうほどの異常(動脈硬化)が生じ始めている事を表している為、脳梗塞の前兆としても重要な意味合いを持ちます。
症状としては、めまいの他、ふらつきや運動麻痺、言語障害、感覚障害などを生じます。
当然、脳梗塞を発症した場合は上記の症状が著明に表れて後遺症として障害が残ります。
高血圧によってめまいやふらつきが生じている場合は、脳梗塞の前兆である可能性が高い為、すぐに病院に受診して治療を始めるべきです!
手遅れになる前に。
高血圧の薬の副作用で血圧が下がり過ぎる
高血圧の治療のために降圧剤を服用する事がありますが、作用が強過ぎたり体に合わないと血圧が下がり過ぎて、脳が虚血状態となり、めまいやふらつきを伴うことがあります。
血流自動調節能によって調整されるはずなのに、なぜ?
と思うかもしれませんが、先述したように高血圧による動脈硬化や急激な血圧低下で調節がうまくできなくなる為、結果的にめまいやふらつきを伴うわけです。
血液の流れが悪くなると、なぜめまいやふらつきが起きるのか?
ここで補足として、脳への血流が悪くなり虚血状態になると、なぜめまいやふらつきを伴うのか?
そのメカニズムに迫っていきたいと思います。
少し専門的な部分でもありますので、興味のない方は読み飛ばしてもらって差し支えありません!
脳疾患や動脈硬化による血液循環不良、降圧剤による急激な血圧の低下など、血流が悪くなる事によるめまいやふらつきを伴う原因には共通点があります。
それは、脳幹に平衡感覚の中枢である前庭神経核という場所があるのですが、ここへの血液供給が滞る為です。
脳幹に繋がる血管(脳底動脈)は、脳幹の前方を走行するのですが、前庭神経核があるのは脳幹の後方です。
つまり、上行してくる血管(脳底動脈)との距離が遠い為、ここの血管に循環不良を起こすと、脳幹は虚血状態になりやすくなり、結果として平衡感覚に支障を来し、めまいやふらつきを伴う事になります。
めまいが高血圧を引き起こす?
ちなみに、めまいが高血圧を引き起こす原因となることもあります!
それはなぜか?
答えは単純。めまいを起こした時の精神的な動揺から一時的に血圧が高くなる事があるんです!それだけ、めまいは不快な症状ということですね。
ですから、めまいを起こした時に血圧が高くなったからと言って降圧剤を服用するのは、かえって血液循環を悪くして脳梗塞などのリスクを高めてしまう為、注意が必要です!
まとめ
高血圧はなぜ、めまい・ふらつきを引き起こすのか?
その理由は、3つ考えられます。
- 血流自動調節能の働きが低下して、脳内の血流を一定に保てなくなるから。
- 一過性脳虚血発作や脳梗塞などの脳疾患を発症して脳内が虚血状態となるから。
- 降圧剤の副作用で血圧が下がりすぎるから。
これらによって平衡感覚の中枢部である脳幹の前庭神経核にいく血管に異常を来すと、めまいやふらつきを伴います。
以上により高血圧でも脳内は虚血状態となり、めまいやふらつきを伴います!
高血圧は百害あって一利なし。怖い事ばかり起こりますから、生活習慣を見直して改善に努めましょう!
こちらの記事もご覧ください。