脳梗塞や心筋梗塞の元となる高血圧を予防する為に重要なのが、ミネラルの一種であるカリウムです。
カリウムを毎日の食生活にうまく取り入れていく事で、高血圧を予防することができるかもしれません!
でもどのくらいの摂取量が適切なのかイメージがつきにくいですよね?
そこで今回は、カリウムが高血圧の予防に重要な理由と摂取量について解説します!
目次
高血圧を予防する為に必要な1日のカリウムの摂取量は?
脳卒中や心筋梗塞など、三大成人病と呼ばれる病気の要因として考えられている高血圧。
その高血圧を予防する為にミネラルの一種である「カリウム」が重要な働きをしてくれるようです。
まずは、高血圧を予防する為に1日に必要なカリウムの摂取量について解説していきます。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」の中では、成人(18歳以上)1日当たりのカリウムの目標の摂取量を以下のように定めています。
- 男性3,000mg以上
- 女性2,600mg以上
また、世界保健機構(WHO)が2012年に発表した高血圧予防に望ましいカリウムの摂取量は、1日に3,510mgとされています。
現代人のカリウム摂取量は基準値以下!?
平成29年国民健康・栄養調査結果によると、日本人の1日のカリウムの平均した摂取量は2,187mgでした。
これを見ると、意識しなければ高血圧の予防に推奨されている摂取量には到達しない事が分かります。
また、20代〜40代のカリウム摂取量が特に少なく、平均は1,885mgとなっています。
脳卒中は40代頃から増加の傾向にありますから、この結果をみても無関係であるとは言い切れませんね。
カリウムを多く含む食材
では、どんな食材にカリウムが多く含まれているのかを紹介していきます。
カリウムは、野菜や果物、豆類、海藻類に豊富に含まれています。
- ほうれん草 490mg
- たけのこ 470mg
- かぼちゃ 480mg
- セロリ 410mg
食品100g当たりのカリウムの含有量
- アボカド 720mg
- バナナ 360mg
- キウイ 290mg
- みかん 150mg
食品100g当たりのカリウムの含有量
- 納豆 660mg
- 豆乳 190mg
- 豆腐(木綿) 140mg
食品100g当たりのカリウムの含有量
以上「簡単!栄養andカロリー計算」より引用
こちらの記事では、カリウム以外の高血圧予防に効果的な食べ物・食材を紹介していますので、一度チェックしてみて下さい。
カリウム摂取にオススメの食材
高血圧を予防する為に1日の目標の摂取量だけカリウムを摂るには工夫が必要です。
それは、できるだけ調理しない事!
ということで、以下に調理なしでも日常で取り入れやすい食品を紹介していきます!
1、生野菜サラダ
野菜全般にカリウムが豊富に含まれています。
それに何と言っても用意しやすいのもサラダの良いところ!
野菜を食べることで、高血圧の予防だけでなく、肥満や血糖値の上昇も抑えられるので、非常にオススメです^_^
継続は力なりですから、毎日続けやすいのもサラダの良いところですね。
ざっくりですが、一般的な定食(焼き魚定食や焼肉定食など)に含まれるカリウム量は、大体500〜800mgぐらいです。
生野菜サラダ一皿(約100g)に含まれるカリウムが約170mgなので、一食にサラダを付ければ、大体1000mgくらいは摂れるかと思います。
カロリーSlismで計算
2、納豆
納豆には、1パック(45g)に約300mgのカリウムが含まれています。
納豆を3食食べるのは難しいと思いますが、高血圧の予防の為に積極的に取り入れたいですね。
ですが!
納豆にカリウムが豊富でもタレをかけてしまっては、ナトリウムも同時に摂取することになってしまいます!
タレの代用として、温玉+キムチがオススメです♪
血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、納豆を食べると薬の効果を阻害してしまう為、お医者さんに相談して下さい。
3、やまと芋
やまと芋100g当たり、約590mgのカリウムが含まれています。
やまと芋の良いところは、剃るだけで、さっぱり美味しく食べられるところです^_^
ただし!
納豆と同じように、醤油やめんつゆなどのタレには気をつけましょう。
代用のオススメは、またまた温玉+キムチです!
万能です♪
4、果物類
果物類は生で食べることがほとんどですから、手軽にカリウムを摂取できておススメですね(^^♪
ただ、果物には糖分も多く含まれている為、摂り過ぎには要注意です!
カリウムの摂取量が多いのも良くない?
カリウムの過剰摂取は「高カリウム血症」を引き起こします。
カリウムには、筋肉の働きを正常にする働もあるのですが、それは心臓の周りにある筋肉も含まれます。
高カリウム血症になると心臓の働きが不安定になり、不整脈や心臓病を引き起こす可能性があります。
手足にも動きにくいなどの悪影響が及びます。
普通に食事をしている分にはカリウムの1日の目標摂取量を超える事ははとんどありませんが、サプリメントでカリウムを補給している人は簡単に1日の摂取量を上回ってしまう可能性があるので要注意です!
また、腎臓に病気を抱えている人は、体内のカリウムをうまく排出できないので、カリウム制限が必要な場合もあります。
腎疾患をお持ちの方は、主治医の先生と相談しながらカリウムの摂取量を決めた方がいいですね。
カリウムが高血圧の予防に重要な理由
カリウムとは、16種類あるミネラルの中の1種です。
ミネラルは、五大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)のうちの一つで、ビタミンとともに体の調子を整える働きがあります。
三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質の働きをサポートする縁の下の力持ち的な役割ですね。
そして、カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)を体外に排出して体内の水分量を調整する働きがあります。
ラーメンのスープを飲み干したり、お寿司を食べ終わった後に喉が乾くことありませんか?
塩分を過剰に摂取した後は、体内の塩分(ナトリウム)濃度を調整する為に水分の摂取量が増えます。
すると、血液中の水分が増えて血管に加わる圧力が強くなる為、高血圧になると言われています。
カリウムは、その増えすぎた塩分を体外に排出してくれるわけです。
塩分の過剰摂取により体内の塩分濃度(ナトリウム)が濃くなると、これを薄めようと水分を摂取。結果、血液量が増えて血圧が上昇する。
その他のカリウムの効果【筋肉の働きを調整】
実はカリウムは、筋肉の働きにも重要な影響を与えているんです!
筋肉の細胞には、カリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオンが存在しています。
これらが均等に存在することで筋肉は正常に伸縮します。
カリウムは、筋肉の弛緩(緩んだ状態)反応に作用します。
つまり、カリウムが不足すると筋肉が緩まず、強張った状態になってしまう為、うまく筋肉を働かせることができなくなってしまいます。
それで体が重く感じたり、だるくなったりするんですね。
また、カリウム不足は「こむら返り」が起こりやすくなります。
分かりやすく言えば足がつった状態ですが、これはカリウムが不足している為に筋肉が強張っていることが考えられます。
筋肉の正常な働きにもカリウムは重要な働きをするんです。
その他のカリウムの効果【むくみ解消】
むくみの原因は、塩分(ナトリウム)の摂り過ぎやカリウム不足が考えられます。
カリウムとナトリウムは、濃度が一定になるように調整されていますが、ナトリウムの過剰な増加や反対にカリウム不足となると、体内のナトリウム濃度を薄めようと喉が渇いて水分を多く摂るようになります。
その結果、体内のリンパ液や血液量が増えて浮腫んでしまうんです。
カリウムには、余分なナトリウムを排出する働きがありますから、むくみの解消にも効果的というわけです。
その他のカリウムの効果【利尿・発汗作用】
上記でカリウムが高血圧の予防、むくみの解消に効果がある事を解説してきましたが、これらはカリウムが余分なナトリウムを体外に排出してくれる事が理由になります。
カリウムは、腎臓に働きかけて尿や汗として体内の余分なナトリウムを排出してくれるんです。
カリウム不足で起こる症状
カリウムが不足すると、以下のような症状があらわれます。
- 高血圧になる
- 足がつる
- むくむ
- 疲れやすい、だるい
- 便秘や頻尿
- 急な動悸や不整脈があらわれる
- 食欲低下
- 精神的に不安定になる
カリウムが不足する原因
では、どんな時にカリウムが不足してしまうのでしょうか?
それには以下の原因が考えられます。
- 塩分(ナトリウム)の摂り過ぎ
- 大量に汗をかく
- 野菜不足
- 嘔吐や下痢
などなど。
体内に含まれているナトリウムとカリウムの比率は「1:1」と言われており、このバランスで体内の水分量を調整しているんです。
なので、塩分の摂り過ぎなどでナトリウムが増えればカリウムは相対的に減ってしまいます。
反対に、汗をかいたり野菜不足でカリウムが減ると、ナトリウムの割合が増えてしまう事になります。
高血圧はオリーブオイルも効果的です。
まとめ
高血圧の予防にはカリウムの摂取量が重要になってきます。
カリウムの一日の目標摂取量は、成人男性で3,000mg、成人女性で2,600mgです。
高血圧の予防にWHOが推奨している1日のカリウム摂取量は3,510mg
カリウム摂取のポイントは、調理しないで摂取することです。
また、摂取量の数値を意識し過ぎるより、カリウム量の多い食材や生野菜サラダを毎食取り入れることから始めていくことが、継続の為のポイントです。
これを機に、日々の食習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
高血圧の予防・改善には食事と平行して運動を取り入れると効果的です。
こちらの記事で高血圧予防に効果的な運動について紹介しているので、一度チェックしてみて下さい。