高血圧を引き起こすと、身体の中ではある異変が起きています!
その異変を予防することが高血圧対策には重要となります。
その対策に、運動とストレッチが必須になるわけです!
そこで今回は、高血圧予防の運動とストレッチの紹介と必須である理由を解説します!
普段、訪問リハビリの仕事をしていて感じるのは、血圧に関連する薬を飲んでいる方が実に多い!
って事なんです。
そして危険なのは、薬を飲んでいるからと安心してしまっている方が多いのなんの…。
注意しなければいけないのは、薬を飲んで血圧が下がっても、高血圧を引き起こしている根本的な問題は解決していないですからね。
そこで重要となるのが、今回お伝えする運動とストレッチなのです。
運動と聞くと敬遠される方もいるかもしれませんが、本当に簡単な運動とストレッチで高血圧を予防できます!
ただ、予防に重要なのは
継続すること!
正直、これが最重要です。
なので今回は、挫折せずに継続できるような簡単かつ手軽に行える高血圧予防の運動とストレッチを紹介します!
目次
高血圧の予防に運動とストレッチが欠かせない2つの理由
高血圧は、血液が血管の中を流れる時の血管壁にかかる圧力が強い状態を指し、日本高血圧学会では、基準値を「140/90mmHg以上」としています。
持続して上記の数値になっているのであれば、自身の体が衰え始めていると認識して下さい。
確実に脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなっています。
そして、高血圧の原因の約9割が、生活習慣(乱れた食生活、運動不足、ストレス、不眠、喫煙など)が引き金になると言われています。
病気が元で起こる高血圧もあります。
ですが、高血圧はある日突然起きるものではなく、徐々に身体に異変が起き、そして慢性的に血圧が高い状態となってしまいます。
その異変とは
- 血管の柔軟性低下
- 心肺機能(肺活量)の低下
この2つです。
つまりは、高血圧の予防には、上記2つの問題を予防・改善する必要があるんです!
では、具体的に見ていきましょう。
血管の柔軟性低下
血管には、平滑筋という筋肉があり、この筋肉の伸縮によって血液をスムーズに送り出すことができるんです。
筋肉は使わなければ硬くなってしまいますが、それは血管にある筋肉も同じです。
運動不足や加齢によって血液の流れが悪くなってしまう為、高血圧が引き起こされてしまうというわけです。
また、血管の中の「血管内皮細胞」からは「一酸化窒素(NO)」という物質が分泌されています。
NOの役割は、血管内を浄化(血液の凝固、炎症やコブの発生を予防)する役割があります。他にも平滑筋の働きを促進する役割もあるなど、高血圧の予防には欠かせない存在となっています。
そのNOを増やすには、血液量を増やす事が必要になります。
心肺機能(肺活量)の低下
心肺機能は、肺活量と言い換える事もでき、簡単に言えば一度の呼吸でどれだけ酸素を取り込めるかということ。
それが少なくなれば、脳や内臓は酸欠になってしまう為、心臓が心拍数を高めて肺の代わりに酸素を送り出す役割を担います。
その為、より力強く血液を押し出していく必要があるので、高血圧になってしまうわけです。
心肺機能の低下は加齢や運動不足によって衰えていきます。
運動とストレッチで高血圧を予防【実践編】
ところでストレッチって高血圧の予防になんで重要か分かりますか?
怪我を予防する為にも必要なのですが、実はストレッチこそ高血圧の予防に重要なんです!
その理由は、心肺機能を高めるのに必須だからです。
心肺機能(肺活量)を強化するには、呼吸の質を上げなければいけません!
安静時の呼吸は、外肋間筋や横隔膜という筋肉がメインに働いています。
しかし、心肺機能が衰えたり、猫背などの不良姿勢で呼吸が浅くなると、外肋間筋や横隔膜が働きにくくなり、その働きを補う為に首や胸にある筋肉が働きます。
ですが、これらはあくまでメインとなる外肋間筋や横隔膜が働きにくい時や努力的に呼吸をする時に補助的に働く筋肉なので、効率は悪くすぐ疲れてしまうのが特徴です!
高血圧の方で、首周りが張って辛いという方。
それはもしかしたら猫背など姿勢が悪くなっている為に、呼吸が浅くなってしまっている事が原因かもしれません。
だからこそ、高血圧の予防にはストレッチも重要なんです!
ここからは
ストレッチで血流が良い状態を作る→運動で血行促進
という流れで読み進めて頂ければと思います。
高血圧予防の為のストレッチ
◼️首(胸鎖乳突筋、斜角筋)のストレッチ
- 左手の力を抜く
- 右手で左のこめかみ辺りを掴み、横に倒す
- ゆっくり息を吐きながら10秒キープ
- 反対も行う
- 首を前に倒さないようにする
- 肩の力を抜く
力が入ってしまうと効果半減なので、息を吐きながらリラックスして行うのが大切です!
◼️胸(大胸筋)のストレッチ
⇩
- 両手を頭の後ろで組む
- ゆっくり肘と肘を離すように胸を開く
- 少し背中を反る(不安定になったり、痛みが出る人は反らずに行います)
- 息を止めずに10秒キープ
- 胸を大きく開く
- 背中を反り過ぎない
- 息を止めない
胸を開く事を意識しつつ、肩に力が入らないよう少し背中を反るくらいで大丈夫です。
もし、背中を反るのがうまくいかないという場合は
寝た状態で枕を背骨に沿う形で敷いて実施するのもオススメです。
◼️脇腹(肋間筋)のストレッチ
- 右手で左の肘を掴む
- 肘ごと体を右に倒して脇腹を伸ばす(※体は真横に倒すことを意識する)
- 息を吐きながら10秒キープ
- 反対も行う
- 前かがみにならない
- 息を止めない
ストレッチ全般そうなのですが、息を止めてしまうと体が硬くなりやすいので、これだけでストレッチの効果が薄れてしまいます。
ただ、呼吸を止めない事を意識するだけでも筋肉は解れるので、息を止めず行いましょう!
高血圧予防の為の運動
呼吸の準備ができたら今度は運動です。
と、その前にストレッチで呼吸をしやすくなったわけですから、まずは「深呼吸」から始めましょう。
正直な話、ストレッチと深呼吸だけでも継続すれば血圧は下がります。
実際、僕の担当している利用者さんに上記のストレッチと深呼吸を行ってもらった直後に血圧を測定すると、3〜5mmHgの降下が認められました!
個人差はありますが、継続すれば効果は期待できます!
そして、呼吸に重要な運動はやっぱり有酸素運動ですね。
ウォーキング
屋外で出来る有酸素運動は、やっぱりウォーキングですね。
少し息が切れるくらいのペースで20分くらいを実施しましょう!
ウォーキングの良いところは見える景色が変わっていくので、飽きにくいって事です。
これは運動を継続していく上で結構重要な側面です。
慣れてきたら、階段や坂道、凹凸のある道など負荷量を上げていくのもオススメです^ ^
正直、ストレッチをしっかり行って呼吸筋の柔軟性を確保すれば、ウォーキングに限らず活動的に動くだけでも予防には十分と言えます!
ですが、筋トレなどの無酸素運動は、血圧が高くなりやすく高血圧を悪化させてしまう危険性もあるので、注意が必要です!
自宅でできる高血圧の改善・予防にオススメの運動はこちらで紹介しています。
まとめ
高血圧は、血管の柔軟性と肺活量の低下から引き起こされます。
これを予防するには、良い状態で血行を保つことが必須。
その為に必要なのが、運動とストレッチです。
ストレッチで呼吸の質を高めた状態を作り、有酸素運動で心肺機能をフル稼働させましょう♪
継続は力なり!
悪くなるのも良くなるのも継続の結果です。
健康な体を自分の力で手に入れて薬に頼らない体を作りましょう!
高血圧の人でこんな症状が現れたら要注意です!