私達が普段から当たり前のように食べている食べ物には、驚くほどの塩分が含まれているんです!
よく塩分の取り過ぎは血圧が上がって良くないと耳にしますが、何故塩分で高血圧になるのか疑問ではないですか?
そこには、私達の体に備わっているある仕組みが関係しているんです!
今回は、高血圧の改善に塩分が重要な理由を解説していきます!
目次
塩分は体に必要なのか!?
塩分と聞くと、なんとなくネガティブなイメージがありませんか?
ですが、塩分は私達の体にとって重要かつ不可欠なんです!
まずは、塩分の働きについて解説します。
塩分の働き その1【浸透圧を一定にする】
浸透圧とは、細胞の中と外の塩分濃度が違う場合、濃度の濃い方に水を浸み出させる力のことを言います。
例えば、塩水に野菜を浸すと、野菜に含まれている水分が外(塩水)に染み出します。
「青菜に塩」ということわざも塩の浸透圧による現象だという事ですね。
私達の体は細胞そのもので、その数60兆個もの細胞で構成されています!脳も神経も皮膚も筋肉も細胞で構成されています。
塩分を摂ることで、この浸透圧を一定に保つ事ができ、皮膚や筋肉、神経を構成している細胞の状態を正常に維持する事ができます。
塩分の働き その2【消化液を作る】
食べ物を消化する消化液のうちの1つである胃液の成分は塩酸です。
塩酸は、塩分を原料にして作られています。
ですから、食べ物を消化してエネルギーへの変換をサポートしていると言えます。
塩分の働き その3【血液の性質を一定にする】
血液の性質は、塩の成分であるナトリウムによって一定に保たれています。
この性質が乱れると、悪心・嘔吐、意識レベルの低下、筋力低下、食欲不振などの症状を伴います。
塩分の働き その4【神経の伝達】
塩の成分であるナトリウム・イオンは、電気信号の伝達に関与し、神経を通じて触れる・見る・聞くなどの感覚情報を伝える役割があります。
塩分の働き その5【栄養素の吸収】
私達のエネルギーの原料となる炭水化物・たんぱく質・脂質は、体内で消化・吸収されてエネルギーとして活用されます。
これらの作業は、塩の成分であるナトリウムがないと進行していかない為、食べたものを力に変える過程に塩分は必要になります。
このように、塩分は私達の体にとても重要な働きをしているんです!
また、塩分は体内で作る事ができない為、食べ物から摂るしかないのですが、最近の食べ物は、欧米化している事もあり、味が濃く塩分が多い傾向にあります。
ですので、むしろ摂り過ぎな傾向にあります。
では、高血圧は何故塩分を摂りすぎると引き起こされるのか?
次はそこをお伝えしていきす!
高血圧と塩分
塩分の取り過ぎは高血圧の基とは良く言いますが、果たしてそこにはどんな仕組みがあるのか!?
私達の体には、血中の塩分(ナトリウム)濃度を一定に保つ機能が備わっています。
この機能により、体の中の塩分の量が多くなった際には喉が渇き、水分を体内に取り込むことで濃くなった塩分を薄めます。
すると体内には水分量が増えますから、今度は腎臓の働きによって余分な水分と塩分は尿になって排出され、血液量・塩分濃度ともに調整されるわけです。
しかし!
日常的に塩分の過剰摂取が続くと
- 腎機能の低下
- 持続的な血管への負担
- 血液量が増える事で、心臓の負担が増す
これらの理由により、高血圧を伴います。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」に記されている一日あたりの塩分の目標摂取量は
- 成人男性9g未満
- 成人女性で7.5g未満
とあります。
また、日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン(2009年度版)の塩分の推奨摂取量は「約6g」とされています。
「6g」は、大体小さじ一杯ぐらいです。
ちなみに、厚生労働省の『平成25年国民健康・栄養調査結果の概要』によると、日本人の一日あたりの塩分の平均摂取量は
- 成人男性で11.1g
- 成人女性で9.4g
とあります。
摂り過ぎですね(笑)
ましてや日本高血圧学会の推奨する塩分量は、一食当たり2gの塩分という事になりますが、中々ハードルが高いですね。自炊して調整するならまだしも、外食やお弁当には比較的に塩分が多く含まれています。
塩分の多い食べ物
では、どのような食品に塩分が多く含まれているのでしょうか?
麺類、カップ麺
なんとなく、そうかな?
と思っていた方もいるかもしれませんが、そうなんです!
麺類、カップ麺系(ラーメン、うどん、焼きそばなど)ともに、大体「5g~8g」の塩分が含まれています。
これは、スープを全部飲んだ時の数値です。とはいえ、麺にも約2gの塩分が含まれており、全体的に塩分の多い食品です。
丼もの
これも結構しょっぱいですよね!だから旨いんですが(笑)
特に、カツ丼や天丼は醤油などの調味料もたくさん使われており、更に油を使用していますからカロリーも高め。
高血圧の改善を図る上では、まさにデンジャラスな食べ物です!
加工食品
基本的に、人工的に手をつけられた食品は塩分が多いと思って下さい。
例えば、かまぼこやウィンナー、ハム、ベーコン、漬物、干物など。
食品によっては、毎日食べる物もありますから、高血圧の改善を図る上では注意しなければいけません。
外食
外食するときは、基本的においしい物を求めてお店や料理を選びますよね?
それに、おいしい物=味が濃いめ。
というイメージが強い人もいるのでは?
もちろん薄味でもおいしい物はたくさんありますが、基本的に外食すると塩分の多い料理は多いです。
最近では、ハンバーガーなどのファストフード店を街中でよく見かけるようになりましたしね。
高血圧の改善を図る上で、外食は特に注意しなければなりません!
高血圧の改善に大切な事!
では、高血圧の改善を考えた場合、どのような事を意識すれば良いのでしょうか?
やはり大切なのは減塩です。
そりゃそうでしょ!
と思うかもしれませんが、私たちの身近にある食べ物は、味付けの濃い物が多くとにかく塩分が多く含まれているんです!
その上で意識するべきポイントは
- 海藻、野菜、果物を摂取する。これらの食品には、体内のナトリウムの排出を助けるカリウムが豊富に含まれている為、積極的に摂りましょう!
- 加工食品や調味料をできるだけ避け、自然のまま、素材そのものの味を楽しむ。
- 麺類はスープを残す。
- 味付けには、醤油や塩を避け、出汁やお酢で代用。
まとめ
塩分は、細胞を正常な状態に保つ、血液の性質を一定に保つ、など体にとって重要な働きを担っています。
ですが、現在の日本人は塩分の摂取が多い傾向にあり、それに伴って高血圧の人の割合も増えています。
塩分を摂りすぎると、体内の血液量が増えて血管への負担を増加させて高血圧を伴います。また、その状態が慢性化すると、腎臓や心臓の機能が低下してまいます。
その為、高血圧の改善には塩分の調整、すなわち減塩がとにかく重要です!
麺類や丼ものを始め加工食品や外食全般には、比較的に塩分が多く含まれています。
今一度、自分の食べている物を見直してみましょう!
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