高血圧は別名「サイレント・キラー」と呼ばれており、自覚症状がみられにくいと言われています。
しかし、体へのある影響により、胸痛や呼吸が苦しいなどの症状が現れることがあります!
息苦しい症状がみられた場合、それは体の危険を知らせるSOSかも知れません!
そこで今回は、高血圧と息苦しい症状の関連性と改善で必要な事について解説します!
呼吸の役割とは!?
血液を血管内に流して全身に送り出す役割を担っているのが心臓であり、その働きには心筋と呼ばれる筋肉の収縮と拡張によるポンプの作用が大きく関与しています。
血圧の値はこの心筋の働きが影響しており、心筋が収縮して血液を押し出す時が収縮期血圧(上の血圧と)、拡張して緩んだ時が拡張期血圧(下の血圧)です。
ですが、心臓が全身に送っているのは血液だけではありません!!
心臓は血管を通して肺と直接繋がっている為、ここで新鮮な酸素と使い終えた二酸化炭素の交換を行い、心臓は受け取った新鮮な酸素を血液とともに全身に送り出しているのです!
そして肺は呼吸によって二酸化炭素を吐き出し、新鮮な酸素を吸って体内に取り込んでいます。
心臓と肺は、このようにガス交換を行なって連携を取っているのです!
高血圧で呼吸が苦しい理由
高血圧は、何かしらの原因により血管壁にかかる血液の圧が慢性的に強まった状態です。
その原因には、病気が元で起こる高血圧(二次性高血圧)と原因が明確になっていない高血圧(本態性高血圧)の2つのパターンがあります。
原因が明確になっていない高血圧は、生活習慣が影響を及ぼしているのではないかと言われています。
例えば、栄養バランスの乱れた食事や塩分の摂りすぎなどにより、血管内にコレステロールが沈着して血管内が狭くなったり、血液がドロドロになることで血流が悪くなり、血管壁への圧が強まって高血圧を生じやすくなります。
一般的な数値上での高血圧は「140mmHg以上/80mmHg以上」となっています。
また、血管壁への負担がかかり続けると血管が硬くなる動脈硬化に発展します。
これにより更に血流が悪くなるという悪循環になってしまいます!
では、高血圧と息苦しい症状はどのように関係しているのでしょうか?
それは、血管が硬くなって弾性を失う動脈硬化が引き金となって生じる疾患が関係しています。
心肥大
高血圧によって血管が硬くなると、血流が悪くなりますね。
それでも生きていくために心臓は一生懸命に働いて全身に血液を送り出していくのですが、それによって心臓に負担がかかり続け、過剰に働かせられた心筋は大きくなります。
これが「心肥大」です。
心肥大になると、狭心症や心不全などの合併症のリスクが高くなります。
狭心症
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に酸素や栄養を供給する冠動脈の中が狭くなる事で血液の供給が不足し、一時的に胸の痛みを伴う病気です。
この心筋の働きによってポンプ機能が働くことは先述しましたが、冠動脈の狭窄にはコレステロールの沈着などによって動脈硬化を引き起こすことが原因となります。
冠動脈の中が75%狭くなると、心臓への血流に支障が出て胸痛などの症状を伴うと言われています。
75%ですよ!?
洞窟だったら、ほふく前進じゃないと進めないくらいです(笑)!
ただ、それくらい血管に悪影響が出ている訳ですから、結構ヤバめですね。
そして、冠動脈が完全に塞がると心筋梗塞になります。心筋梗塞は死に至ることもある恐ろしい病気です。
また、心臓への血流が不足すると、血液によって運ばれる酸素も不足する結果となります。
すると体は酸欠状態になる為、呼吸数を増やして何とか酸素を補充しようとする訳です。
これが、高血圧により息苦しい症状がみられる原因となります。
心不全
動脈硬化により心臓への血液供給が不足すると、心機能が低下してポンプ作用がうまく働かず、血液が円滑に流れなくなって滞ってしまいます。
すると、血管で繋がっている肺に血液が溜まってしまい浮腫み(むくみ)を生じます。
これにより、肺の機能が低下して息苦しい症状が出現します。
このように、高血圧が元となって心肺機能が低下し、息苦しいなどの呼吸困難が生じてしまいます!
息苦しい時には、肺の異常を疑ってしまいますが、高血圧による影響も関係しています。
だから、高血圧の改善は重要になります!
呼吸が苦しい時の改善は?
高血圧により息苦しい(心肺機能低下)症状が出ている時は、運動中である事が多いです。
ですから、座ったり、横になるなど安静になりましょう!
ただ、それでも息苦しいのが治らない時は、病院に受診した方が良いです。
ですが、高血圧が元で呼吸が苦しくなっている場合、当然ですが根本的な原因である高血圧の改善を図る事が最も重要です!
特に病気の診断がついていない高血圧の場合は
- 減塩
- 運動をする
- 禁煙・禁酒
- リラックスする時間を作る
- しっかり睡眠をとる
- サプリの活用
など生活習慣を見直す事で高血圧の改善を図っていけば、息苦しい症状の改善にも繋がります!
胸痛や呼吸が苦しくなったら、それは体のSOSかもしれませんので、早急に改善を図りましょう!
この先の人生を楽しく過ごせるかは、あなた次第です!
まとめ
高血圧は、動脈硬化を引き起こして心肥大や狭心症、肺浮腫の引き金となります。
それらにより心肺機能が低下して体内は酸欠状態になり、呼吸数を上げて酸素を体内に取り入れようとする結果、呼吸が苦しくなる呼吸困難を生じます。
息苦しい状態になったら、座位や横になるなど安静な姿勢をとる事で回復を待ちます。それでも症状が回復しない場合は、病院で診察を受ける必要があります。
高血圧が元で、血管や心肺機能に悪影響を及ぼす可能性がある為、生活習慣を見直して改善を図っていく事が必要ですね。
体からのSOSをそのままにせず、対策に講じましょう!
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