油と聞いて、どんなイメージを持ちますか?太る、体に悪いと思う方もいるのではないでしょうか?
実は油は、体にとって必要な栄養素であるとともに、種類によっては高血圧の改善にも働きます!
その為、健康を考える上で油を摂る事はとても重要なのです!
今回は、油が何故高血圧の改善に重要なのか、その重要性について解説します!
油とは!?
油という字を見て何か疑問に感じる人もいるのではないでしょうか?
そうです!「あぶら」という漢字は、油と脂の2パターンあります!
「ぶっちゃけ、どっちでもいぃじゃん。」
と、私も思ったのですが、実はこれらの「あぶら」は、漢字だけでなく性質そのものが違うんです!
「油」は、サラダ油やゴマ油など常温で液体の油のことを指します。
また、魚油もこの油です。
「脂」は、ラードやバターなど常温で固形の脂を指します。動物性の脂である事が、最大の特徴です。
そして、これら油と脂が体内で吸収されると脂質となり、エネルギー源として体内で蓄えられます!
また、脂質を構成する脂肪酸という物質は、更に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という2種類の油に分けられます。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は先述した脂に含まれている脂肪酸を指し、ラードやバター、肉類などの動物性食品に含まれています。
飽和脂肪酸は体内に蓄積されて脂肪になりやすく、過剰摂取により体内のコレステロールや中性脂肪が増加します。
それにより、血管内に余分なコレステロールが沈着し、血液の流れが悪くなったり、ドロドロになる事で高血圧を伴います。
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、オメガ3系脂肪酸、オメガ6系脂肪酸、オメガ9系脂肪酸の3つに分けられます。
オメガ3系脂肪酸は、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)に多く含まれています。
中性脂肪を下げる、血液をサラサラにする、動脈硬化の防止などの作用があり、高血圧の改善に働きます。
青魚の油の他、植物由来の油では、えごま油や亜麻仁油にα-リノレン酸が含まれており、これが体内で代謝されるとEPA・DHAになります。
オメガ3系脂肪酸は必須脂肪酸です。
必須脂肪酸とは、生きていく上で必要不可欠な脂肪酸で、ホルモンや細胞膜を作るなど、重要な役割を担っています。
しかし、体内で作る事ができない為、食べる物など外から摂取する必要があります!
オメガ6系脂肪酸は、コーン油、大豆油、グレープシードオイルなどの油に含まれています。
これらの油に代表する成分がリノール酸で、体内のコレステロールを減らす役割があります。
オイル6系脂肪酸も必須脂肪酸である為、体外から摂取する必要があります。
オメガ9系脂肪酸は、オリーブオイル、べに花油、なたね油などの油に含まれており、オレイン酸が代表的な成分です。
オレイン酸には、善玉コレステロールはそのままに、悪玉コレステロールを減らす作用があります。
オメガ9系脂肪酸は、体内で合成できる脂肪酸です。
油(脂)は、これらを合わせて飽和脂肪酸とオメガ3・6・9系脂肪酸の4つの種類に分けられます!
高血圧の改善と油
では、高血圧の改善に油は何故必要なのでしょうか?その点について解説します。
油は体内で脂質となることは前述しましたが、脂質を構成する物質の一つに、コレステロールがあります。
コレステロールと聞くと、体に良くないとか肥満の原因などネガティブなイメージを持っている人もいるのでは?
実はコレステロールは私達の体にはなくてはならない物質であり、高血圧の改善を図る為にはむしろ進んで摂る必要があります!
コレステロールは
- 細胞膜の形成
- ホルモンの形成
- 脂質の消化に必要な胆汁の形成
などに働きます。仮にコレステロールが不足すると、細胞膜や血管壁が脆くなり、動脈硬化を引き起こして高血圧を伴い、最悪の場合は脳出血を起こしてしまいます!
ただ、油なら何でも良い訳ではありません!
二種類のコレステロールの働きから、その理由をみていきましょう!
LDLコレステロール(悪玉)
LDLコレステロールは、細胞膜やホルモンを作る為に体中にコレステロールを送り届ける役割があります!
しかし、多くなり過ぎて使い切れずに余ってしまうと、血管内に溜まって血液をドロドロにしたり、血流が悪くなって高血圧を伴います。
摂りすぎで体に悪影響を及ぼす事から「悪玉コレステロール」とも呼ばれています。
動物性食品である肉類やバター、チーズなどの脂に多く含まれています。
本来は健康な体を作る為に働いているのに、悪い部分が目立ってしまっていたんですね。それで悪玉なんてネーミングがつけられるとは、なんか切ないですね(笑)
HDLコレステロール(善玉)
HDLコレステロールの働きは、血管内に溜まった悪玉コレステロールを回収し、高血圧の改善や動脈硬化の予防の為に重要な働きを担っています。この事から、「善玉」とも呼ばれます。
青魚やオリーブオイル、えごま油などの油に多く含まれています。
悪玉と善玉のコレステロールは、出前が届いて回収するまでの過程に似てますね。回収しないと邪魔だし、次第に汚れていきますからね。
まあ、皿の場合は放置される事はないと思いますが(笑)
以上の事を考えると、悪玉と善玉のバランスを保つ事が高血圧の改善には重要という事になります。
進んで摂るべき油とは?
まず言える事は、油(脂)は私達の体を構成する上で必要な物なので、不必要な油(脂)はありません。問題は摂取する量です。
飽和脂肪酸とオメガ9系脂肪酸は体内で合成でき、かつ過剰摂取になりがちな為、注意が必要です!
また、オメガ6系脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸ですが、現代の日本人は摂りすぎと言われ、炎症を主とした様々な疾患を発症するリスクがあるので、これも摂り過ぎには注意が必要です!
そして、高血圧の改善を図る上で積極的に摂るべき油は、EPA・DHAに含まれているオメガ3系脂肪酸の油です!
その理由は、体内で合成できない必須脂肪酸である事に加え、現代の日本人は平均的な摂取量が少ない傾向にあるからです!
つまり、青魚を食べろ!って事です。
まあ、毎日魚を食べる習慣がある人は多くはないでしょうし、外食しても魚料理って少ないですしね。だからこそ、意識して摂取する事が大切です!
オメガ3は酸化しやすい油である為、新鮮な状態で摂取できる刺身がオススメです!ですが、刺身に限らずできるだけ意識して魚料理を食べるようにしましょう!
今はサプリでも摂取できる為、魚が苦手な方はサプリで補給するのも良いですね。
EPA・DHAは
- マグロ(トロ)
- ブリ
- サンマ
- サバ
- イワシ
などの青魚に特に多く含まれています。
まとめ
あぶらは、常温で液体の「油」と常温で個体の「脂」の2つの種類があります。
これらあぶらは体内で吸収される事で脂質となりエネルギーとして活用されます。
脂質を構成する脂肪酸には、肉類やラード、バターなどの脂である飽和脂肪酸と、青魚や食物性油などの油である不飽和脂肪酸があります。
更に不飽和脂肪酸は、オメガ3・6・9系脂肪酸に分けられ、3・6系脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸です。
油(脂)は、細胞膜やホルモンを作る上で必要になりますが、飽和脂肪酸は摂りすぎると、悪玉コレステロールが増えて血液がドロドロになったり、血流が悪くなる為、高血圧を伴います。
高血圧の改善には、過剰摂取になりがちな悪玉コレステロールを減らし、不足がちな善玉コレステロールを増やす事が大切です。
それに重要なのが、オメガ3系脂肪酸であるEPA・DHAです。青魚の油に含まれている成分であり、血液をサラサラにする、血栓予防、血管を健やかにするなどの作用があります。
結論、EPA・DHAを多く含むサバやブリ、サンマなどの青魚を意識的に食べて高血圧を改善しましょう!
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